







2020年7月24日18時47分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2014年4月から昨年1月末までに死亡事故が起きた「遮断機のない踏切」38か所のうち、15か所が廃止または遮断機が設置されたことが、運輸安全委員会の調査でわかった。
安全委によると、廃止されたのは、16年に小学4年の男児が電車にはねられて死亡した関東鉄道の踏切(茨城県筑西市)や、軽トラックと電車の衝突事故が起きたJR陸羽東線の踏切(宮城県美里町)など8か所。
残り7か所は遮断機が設置された。
全国の踏切の約1割にあたる3350か所は遮断機が設置されていない。
運輸安全委員会は14年4月から、遮断機のない踏切での死亡事故に調査官を必ず派遣し、原因を調べている。
対応状況を追跡調査したのは初めて。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200724-OYT1T50134/
2020年7月24日18時10分にYAHOOニュース(くるまのニュース)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JAFは2019年8月1日から8月31日の1か月間で、「子どもやペットを車内に残したままのキー閉じこみ」を理由に出動した件数を公表。
車内熱中症事故の予防を呼びかけています。
2019年8月にJAFが出動した「キー閉じこみ」の救援のうち、子どもやペットが車内に残されたままであったケースは全国で144件(子ども:115、ペット:29)。
このうち、緊急性が高いと判断し、通常の開錠作業ではなくドアガラスを割るなどをしたケースは9件でした。
現場での聞き取り調査によると、その原因として
「おもちゃの代わりにリモコンキーを子どもに持たせていたら、ロックボタンを押してしまった」
「飼い主の戻りを待つペットが、車内の集中ロックスイッチを踏んで押してしまった」
といった事例が挙げられました。
JAFが実施した車内温度の検証テストによると、気温35度の炎天下に駐車した車内の暑さ指数は、窓を閉め切った状態でエンジン停止後、わずか15分で人体にとって危険なレベルに達しました。
また、クルマを日陰に駐車していたとしても、その車内温度の差はわずか約7度で、駐車場所に関わらず外気温が高温である場合は要注意。
とくに乳幼児は体温調節機能が未発達で、一層の注意が必要です。
「少しの時間だから」、「寝ているから」などの理由で、車内に子どもを残したままクルマを離れることは、「キー閉じこみ」のトラブルとならなくても、熱中症を引き起こす事故になりかねません。
また、子どもだけでなくペットも、車内に残してクルマを離れることは決してしないよう、JAFでは強く注意を呼びかけています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/178b8824d23c482489d1ca590b4219c2270b2701
(ブログ者コメント)
JAFからのニュースリリースは下記。
上記報道文以外、エアコン停止後に車内温度(WBGTで表示)が短時間で上昇する様子がグラフ表示されている。
https://jaf.or.jp/common/news/2020/20200721-002
2020年7月24日付で労働新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・池袋労働基準監督署は、墜落防止措置を怠ったとして、剪定業のF社(東京都墨田区)と同社作業責任者を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反などの疑いで東京地検に書類送検した。
入社1年目だった28歳の労働者1人が高さ7.2メートルから墜落し、死亡している。
災害は平成29年11月15日、東京都練馬区の施設敷地内で発生した。
高さが2メートル以上の箇所で作業を行う場合、足場の組立てや高所作業車を使用させなければならないが、同社はスライド式の脚立を使用させていた疑い。
労働者は樹木の剪定作業中、脚立上を移動していたところ足を滑らせて墜落し、脳挫傷により死亡した。
https://www.rodo.co.jp/column/92815/
(ブログ者コメント)
関連情報調査中、脚立からの転落事故は東京だけで年間300件程度発生しているなど、以下の情報も見つかった。
ご参考まで。
『脚立からの転落事故の発生状況 ―東京消防庁管内の実態分析』
(東京都生活文化局消費生活部生活安全課 2019 年 12 月 調査報告)
1 はじめに
脚立の転倒、脚立からの転落による事故が発生しており、死亡例や重症例も確認されて いる。
本調査では、「脚立」は専用脚立、三脚脚立及び脚立状態のはしご兼用脚立を指し、作業台、踏み台及びはしご状態のはしご兼用脚立は含まないこととし、上っていた脚立が転倒したり、脚立から転落することにより受傷した事案を「脚立からの転落事故」と呼ぶ。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下「NITE」という。)の報告によると、日本国内で発生し NITE に通知された製品事故情報(就労中、就労外の両者を含む)のうち、2006 年度から 2010 年度の 5 年間に脚立による事故(転落以外の事故も含む)で 5 人の死亡例があり 1)、2011 年度から 2015 年度の 5 年間では、脚立による事故(作業台による事故を含む。転落以外の事故が含まれている可能性がある)は 162 件あり、このうち人的被害が重傷であったのは 80 件(49.4%)であった 2)。
・・・・・
脚立からの転落事故では受傷部位は四肢に多いが、死亡や重症事例では頭部に多かった 3)、4)。
一方で、消費者の脚立からの転落事故の総数は把握されておらず、就労外の脚立からの転落事故を調査する必要がある。
・・・・・
3 結果
傷者及び事故の属性を表 3 に、発生月と事故発生時の作業内容を図 2 に示す。
東京消防庁管内で就労外の脚立からの転落事故は年間 300 件程度発生していた。
傷者の男女比はおよそ 2:1 であり、年齢は 70 歳代が最も多かった。
事故のおよそ半数である 303 件は「23 区内その他」地域で発生しており、事故発生時の作業内容は「剪定・果実収穫」が約半数 を占めていた。
転落時の高さは 100 ㎝以上200 ㎝未満が38.6%と最も多かった。
・・・・・
5 結語
東京消防庁の救急活動記録を用い、救急搬送された就労外の脚立からの転落事故の総数や、受傷した消費者の属性、受傷時の作業内容等を明らかにした。
東京消防庁管内における脚立からの転落事故は年間 300 件程度発生しており、事故は男性、70 歳代、多摩東部、多摩西部、剪定・果実収穫作業中に多く発生していた。
被害軽減のため、このような属性を持つ消費者や剪定・果実収穫作業を多く行う消費者を重点対象とした脚立の正しい使用方法の普及が求められる。
http://www.kokusen.go.jp/research/pdf/kk-201912_7.pdf
2020年7月25日10時11分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午後7時前、上川の当麻町の木材加工会社で、この会社の役員の成田さん(男性、71歳)がフォークリフトの積み荷の木材と倉庫の壁の間にはさまれているのが見つかり、まもなく死亡が確認されました。
成田さんは、様子を見に来た元従業員の男性に発見されたということで、1人で木材の運搬作業をしていたとみられるということです。
警察によりますと、フォークリフトはエンジンがかかったままの状態だったということで、警察は積み荷を乗せたフォークリフトが動いて事故につながったとみて、詳しい状況を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200725/7000023243.html
7月25日0字35分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午後6時55分ごろ、上川管内当麻町4の西4の製材会社の倉庫内で、従業員とみられる男性がフォークリフトのアーム部分に積んだ木材と壁の間に挟まれていると、同社関係者から119番があった。
男性は現場で死亡が確認された。
旭川東署は死因を調べるとともに、70代の男性従業員とみて身元の確認を急いでいる。
同署によると、男性は倉庫内で1人で作業をしていたとみられ、夕方になっても事務所に戻らなかったため、同社関係者が捜して見つけた。
同署は何らかの原因でフォークリフトが動き、男性が挟まれたとみて調べている。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/443822
2020年7月25日9時19分に読売新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
23日午後5時50分頃、福井県越前市の武生中央公園を通りかかった男性から、「公園内の噴水に子どもが浮かんでいる」と119番があった。
南越消防組合の救急隊員が駆けつけたところ、心肺停止状態の男児(2)がおり、病院に搬送されたが、約1時間後に死亡が確認された。
市や越前署によると、噴水は直径約20メートル。
中心部分から水を噴き上げる構造で、周囲には常時70センチ程度の深さまで水がたまっている。
母親は「(男児を連れて)公園に遊びに来ていた」と話しているといい、同署などが当時の詳しい状況を調べている。
男児の死亡を受け、市は当面の間、噴水を停止することを決め、周囲には「ふちに登らないでください」との注意書きを掲示した。
長男(4)と訪れた同市の男性会社員(40)は、「たまに子どもと一緒に来る場所なので驚いた。水遊びをさせる際は、目を離さないよう気を付けたい」と話した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200725-OYT1T50108/
2020年7月23日19時7分にNHK四国から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午前、松山市にある大手繊維メーカー「帝人」の事業所で、アルコール類液体の有機化合物「エチレングリコール」などおよそ650リットルが漏れたあと引火しましたが、まもなく消し止められ、けが人はいなかったということです。
帝人松山事業所によりますと、23日午前9時すぎ、松山市北吉田町の事業所内にある「重合第1工場」で、フィルムなどを作る際に使う触媒液で、アルコール類液体の有機化合物「エチレングリコール」など、およそ650リットルがタンクから漏れました。
漏れ出した液体は、その後引火しましたが、まもなく消火器などで消し止められ、けが人はいなかったということです。
また、漏れ出した液体の工場外への流出はなく、環境に影響はないとしています。
帝人では、火が出たのは、漏れ出した液体が高温の配管に付着したのが原因とみられるとしています。
また、液体が漏れたのは、触媒液をタンクに入れる作業中に、一定量で自動停止するはずが止まらずにあふれ出たためで、原因は現時点では不明で調査中だとしています。
帝人松山事業所の井上原料重合生産部長は、「火災発生という重大な事故を起こしてしまい大変申し訳ありません」と謝罪しました。
警察や消防で詳しい状況を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20200723/8000007169.html
(ブログ者コメント)
以下は、映像の1コマ。
熱面発火については、本ブログでも、こぼれたガソリンが電球表面に付着して発火した事例などを紹介している。
2020年7月22日16時39分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
クマが嫌がるそぶりを見せた、とうがらしの成分をしみこませた木片を杭やロープにつけ、クマを人里に近づけない効果を確かめる県の実証実験が、22日から秋田市で始まりました。
実証実験は、クマを人里などに近づけないため、秋田県立大学の専門家と、横手市の木材加工会社が共同で開発した木材製品の効果を確かめようと、県が22日から始めました。
開発されたのは、動物園などでの実験でクマが嫌がるそぶりを見せた、とうがらしなどの成分をしみこませた長さ3センチの円筒形の木片で、くいに差し込むなどして使います。
22日は、開発関係者や県の担当者などが、市街地の近くにある秋田市外旭川のやぶのなかに、開発した木片をつけた3本のくいとロープを設置しました。
近くにはカメラも設置され、県は、ことし10月末まで撮影し、クマの反応を調べ、効果を確認するとしています。
県によりますと、県などの調査で、県内に生息するクマの頭数は4400頭と推定され、近年は生息域や行動範囲も広がっていて、人里に近づけない効果的な対策が求められているということです。
県生活環境部ツキノワグマ被害対策支援センターの泉山専門員は、「効果が確認された場合、各自治体と相談し、設置を増やしていきたいと考えている。クマを近づけない対策を進めるとともに、県民にもふだんから対策を徹底するよう呼びかけたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20200722/6010007684.html
7月23日11時55分に秋田魁新報からは、多数の目撃情報があった地点に設置したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
クマ対策で県立大木材高度加工研究所(秋田県能代市、木高研)と民間業者が開発したトウガラシ臭のする木製杭の効果を確かめる実験が22日、秋田市外旭川の県道脇で始まった。
3カ月かけ、クマを近寄らせない効果があるか確かめる。
くいは木高研の野田龍准教授と横手市の木製品加工・販売「ウッディさんない」が開発。
クマの嫌がるトウガラシ成分を染みこませた栓を表面に打ち込んだ約1・5メートルの丸棒で、柵や看板の柱などに用いる。
22日は、昨年度12件の目撃情報があった秋田市外旭川字大堤地区を通る県道41号ののり面に、野田准教授や県職員らが杭を使った高さ約1メートルのロープ柵を設置した。
2メートル間隔で設置した杭に、トウガラシ成分を染みこませた栓を取り付けたロープを結んだ。
柵の周囲には、自動撮影カメラ2台を設置。
カメラの半径15メートル内にクマが侵入すると赤外線センサーが反応し、映像を1分間撮影する。
10月末まで柵を設置し、効果と改善点を探る。
野田准教授は、「農家など日常的にクマが身近にいる人たちは精神的な負担が大きい。柵の効果が実証されれば、新たなクマよけのツールとして負担軽減につながる」と期待感を示した。
https://www.sakigake.jp/news/article/20200723AK0025/
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の3コマ。
2020年7月22日12時43分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
農作業の負担軽減に向けて普及が期待されている、無線で操縦できる草刈り機の実演会が22日、越前町で行われました。
無線操縦の草刈り機は、傾斜地が多い中山間地域などでの負担軽減を目指して農業機械メーカーが開発したもので、越前町で開かれた実演会には、地元の農家などおよそ40人が参加しました。
実演は、実際に草刈り機を使用している農業法人の代表者が行い、リモコンで全長1.5メートルほどの機械を巧みに操作しながら、休耕田に生えた草を刈っていきました。
この草刈り機は、最大で半径およそ170メートルの範囲まで遠隔操作ができるほか、ガソリンで稼働するため、パワーが強く、つる性の植物なども細かく刈り取ることができるということです。
実演のあとには、参加した農家の人たちが実際に操作を体験していました。
体験した農家の男性は、「普段は手作業で草刈りをしていますが、操作は簡単で負担も軽減されると思います」と話していました。
主催した越前町地域農業サポートセンターの竹内さんは、「高齢化もあって、中山間地域における農業では草刈り作業の負担が大きいものになっています。負担を減らす一つの提案として企画させていただきました」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20200722/3050005297.html
(ブログ者コメント)
〇参加者は以下のような趣旨の感想も述べていた。
「身体に対する負担はないと思った。ただ、どこまで刈れるか、どういう角度までいけるかは、実際の現場でやってみないと分からないだろう。」
〇身体が楽になるというメリット以外、危険な傾斜地での作業が、コントローラーを持って歩くだけで済むようになり、その分、安全に作業できるようにもなりそうだ。
〇以下は、映像の3コマ。
2020年7月22日10時42分にYAHOOニュース(ロイター)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
モスクワ郊外のスタジアムで今月4日、サッカーのユース選手(16)が雷に打たれる事故があった。
スタジアム内のカメラがその瞬間をとらえていた。
選手らがウォーミングアップをしていたところ、ゴールキーパーの選手に雷が落ちた。
選手は意識を失ってその場に倒れた。
コーチが駆け寄ると、選手のジャージの前部は焼け焦げていたという。
幸い、選手は胸部のやけどだけで命に別状はなかったが、事故当時、関係者は最悪の事態を想定したという。
選手は半月ほどでクラブに戻ってきた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5afc48d3ca3db683287780547ff1ef583287299a
7月22日16時54分にgooニュースからは、2分ほど心肺停止状態になっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ロシアのズナーミャ・トルーダの16歳GKがピッチ上での落雷事故から復活を果たした。
イギリス『SPORT BIBLE』が伝えている。
ロシア3部のズナーミャ・トルーダのユースチームに在籍するロシア人GKイヴァン・ザボロフスキは、今月初めに行われたトレーニングセッションの際、ピッチ上で落雷事故の被害に。
トレーニングユニフォームの前面が焼け焦げるなど、感電による損傷を受けたザボロフスキは、2分間ほど心肺停止の状態となっていたが、コーチングスタッフらの応急処置の末に息を吹き返し、すぐさま地元の病院に緊急搬送。
その後、しばらくは昏睡状態に陥っていたものの、担当医が「幸運な星の下に生まれた」と語るように、奇跡的な回復を見せたザボロフスキは、事故から約3週間後に無事にトレーニング復帰を果たした。
ザボロフスキは『ロイター通信』のインタビューで、「呼吸するのは困難だったけど、それだけだよ。今は徐々に回復しているし、すべてが正常に戻りつつあるよ」と、落雷事故を回想。
なお、事故当時の記憶は全くなかったという。
また、ザボロフスキは待望のトレーニング復帰と共に、21日にはズナーミャ・トルーダとのトップチーム契約締結が発表されている。
https://news.goo.ne.jp/article/ultrasoccer/sports/ultrasoccer-378212.html
(ブログ者コメント)
以下は、ロイター映像の4コマ。
1コマ目には、画面右のほうにゆっくりと歩いているゴールキーパーの姿が映っている。
2コマ目は、雷が直撃した瞬間。
実験設備での写真や映像は見たことがあるが、実際の現場映像は極めて珍しい。
3コマ目は落雷直後。
煙が漂っているように見える。
4コマ目で空の様子が分かる。
見る角度によって違うのだろうが、このコマを見る限り、雷が落ちるような雲の色には見えない。
2020年7月22日21時49分にNHK四国から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日正午すぎ、今治市伯方町伊方にある造船工場で、造船工の關さん(男性、41歳)が鉄板の下敷きになっているのを、別の作業員が見つけました。
關さんは、すぐに病院に運ばれましたが、頭を強く打っていて、まもなく死亡が確認されました。
警察によりますと、鉄板は縦1メートル70センチ余り、横およそ3メートルの大きさで、重さは数百キロあり、關さんは当時、1人で、立てた状態の鉄板3枚を固定する作業にあたっていましたが、突然、何かが倒れるような大きな音がしたため、別の作業員が様子を見に行ったところ、關さんが鉄板の下敷きになっていたということです。
警察は、鉄板が倒れた原因や作業の安全管理に問題がなかったかなどを詳しく調べています。
https://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20200722/8000007165.html
2020年7月21日20時58分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
ツイッターに無断でツイートされて一部が切り取られた写真をリツイートすることが著作者の人格権を侵害したといえるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は21日、著作者が写真上に記した名前が見えなくなった状態でリツイートした場合は、権利侵害に当たるとの判断を示した。
裁判官5人中4人の多数意見。
林景一裁判官は権利侵害には当たらないとの反対意見を述べた。
判決は、クリック一つで他人の投稿をインターネット上に拡散できるリツイートに際し、投稿者に権利侵害の有無を確認するよう求めたといえ、影響が出そうだ。
北海道の写真家の男性は、撮影したスズランの写真を、左下に自分の名前を記してネットに公開した。
この写真を2人が無断でツイートし、さらに別の3人がリツイートして拡散した。
ツイッターに写真をツイートすると、投稿欄に収まるように写真の一部を切り取るトリミングが自動でされることがあり、男性の写真も名前を記した部分が切り取られた。
写真をクリックすれば元の写真が表示されるが、男性側は「著作者人格権」を侵害されたとし、投稿者5人を特定する情報の開示を求めた。
無断ツイートの権利侵害に争いはなく、最高裁ではリツイートが権利侵害に当たるかが争点となった。
小法廷は、画像が切り取られたのは写真を自動調整するツイッターのシステムだとしつつ、リツイートした投稿者も、著作者の名前を投稿のどこにも表示しなかったと指摘。
写真をクリックすれば元の写真を見ることができたとしても、それは別のウェブページに元の写真があることにとどまるとした。
その上で、作品に著作者名を付けるかどうかを選べる権利を侵害したと認定し、ツイッター社側の上告を棄却。
投稿者5人のメールアドレスの開示を命じた2審・知財高裁判決(2018年4月)が確定した。
【著作者人格権】
著作権法は、作品を創作した著作者に「著作権」と「著作者人格権」を与えている。
著作権が利用許諾料などの財産的利益を保護するのに対し、著作者人格権は著作者の人格的利益を保護する。
▽著作物をどのように公表するかを決められる「公表権」
▽公表時に著作者名を付けるかどうかを選べる「氏名表示権」
▽他人が勝手に改変することを禁じる「同一性保持権」
の3項目からなる。
侵害すると5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されることがあり、著作者は損害賠償を請求できる。
https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/040/250000c
7月21日20時30分に毎日新聞からは、上記記事の関連解説記事が下記趣旨でネット配信されていた。
リツイートによる著作者人格権の侵害を認めた21日の最高裁判決は、ツイッターの利用者に、違法の恐れがある写真を安易に拡散させないよう警鐘を鳴らした。
ただ、写真の切り取りは利用者の意思に関係なく、ツイッターのシステムとしてツイートの際に自動的に起きる。
利用者の萎縮を避けるためにも、ツイッター社側の対応が求められる。
ツイッター社は、投稿した写真や画像は自動で切り取られることを利用規約で明記している。
著作者が直接ツイートしていれば、著作者が了承したことになり、それをリツイートしても権利侵害には問われない。
今回は著作者はツイートせず、第三者が無断でツイートした際に写真が切り取られたため、リツイートも問題視された。
今後、同様に権利侵害に気付かずにリツイートすれば、著作者から損害賠償を請求される可能性もある。
自動切り取りは、フェイスブックやインスタグラムなど他の会員制交流サイト(SNS)も採用しており、判決の影響はこれらにも及びそうだ。
しかし、利用者がリツイートのたびに、著作者本人が発信したかどうかや、権利侵害の有無を確認するのは困難で、投稿の手軽さから利用者が拡大しているSNSの世界に大きな負担となる。
小法廷でも、この点を巡り議論が交わされた。
戸倉三郎裁判長は補足意見で、利用者に心理的負担が生じることは否めないと認めつつ、投稿によって著作者の権利を侵害しないためには、当然、伴う負担だとした。
併せてツイッター社側にも、情報流通サービスの提供者の社会的責務として、改善を求めた。
一方で、反対意見を述べた林景一裁判官は、投稿者には画像表示を変更する余地がない点を重視した。
わいせつな画像などと違って、今回は一見して不適切な画像には見えず、こうした画像まで確認が求められれば、リツイート自体を差し控える事態をもたらしかねないと主張した。
原告代理人の斎藤弁護士は、「少しでも怪しい投稿と感じたら立ち止まってほしい。リツイートは指1本でできるが、権利侵害を拡大させるリスクがある」と訴える。
https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/040/275000c
2020年7月21日17時51分にYAHOOニュース(FNN PRIME)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「ウーバーイーツ」の組合にあたる「ウーバーイーツユニオン」が、3カ月間にわたり、これまで起きた事故を調査したところ、29人の配達員から、32件の事故が報告され、自転車を運転中に起きた事故が半数を占めたという。
また、ウーバーイーツが契約している配達員の保険には、示談特約がついておらず、示談交渉は配達員が行うこととなっていて、実際に配達員が事故に遭い、相手側との示談交渉を直接やり取りするケースもあったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ee5c18754df7dbb6c8e865873cd0fa75dc76132
7月21日17時23分にYAHOOニュース(弁護士ドットコム)からは、事故の実例など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
フードデリバリー「ウーバーイーツ(Uber Eats)」の配達員でつくる「ウーバーイーツユニオン」は7月21日、都内で会見を開き、配達員の事故に関する調査結果を公表した。
会見には、配達員による事故の被害者女性も参加。
女性は「事故にあったときのことはあまり覚えていないが、夫がいなければ泣き寝入りしていたと思う。その日その日で体調の変化があり、目の視力の回復が今後心配だ」と話した。
ウーバー側は事故について何ら対応してくれなかったといい、女性の夫は「ウーバーに限らず、サービス業で事故は起きるものであろうと思うが、重要なのはそのあとのサポートだ。被害者がなぜ苦しまなければならないのか」と訴えた。
【事故から1カ月、交渉は何も進まず】
女性は6月4日昼、東京都品川区の歩道で、自転車に乗っていた配達員と接触。
救急車で病院に搬送され、目に傷を負ったほか、むち打ち症と診断された。
その後、手術を受け、数日間入院。
6カ月の経過観察が必要と言われた。
配達員は外国籍で、日本語がほとんど話せなかった。
警察から「ウーバーの方に連絡した方がいいのではないか」と助言され、女性の夫はウーバーイーツのお客様センターに連絡。
しかし、新型コロナウイルスの影響で対応しておらず、ネットで探した別の番号に電話して、ようやく会社に繋がった。
ウーバーイーツの事故担当者からは「保険会社から連絡する」と言われたが、保険会社からは「示談交渉特約がないため、示談交渉ができない」と言われた。
その後、配達員に代理人の弁護士がついたが、連絡が途絶えたため、今後、女性側も代理人をつけて交渉する予定だという。
女性は7月14日、過失傷害の疑いで刑事告訴。
警察による配達員への事情聴取も、今後、予定されているという。
女性の夫は「本来であれば、サービス提供している会社がサポートするべきだと思う。配達員も事故にあった時、ある意味、被害者ではないか。個人事業主という扱いにして、サポートしないウーバーイーツはどうなのか。働いている人を都合よく使っている感じがする」と話した。
【ユニオン、不十分な事故補償を指摘】
配達員が事故に巻き込まれるケースもある。
事故調査は、NPO法人「東京労働安全衛生センター」協力のもと、配達員を対象に1月7日~3月31日にかけてGoogleフォームで実施。
32件(配達員29人)の事故被害が報告された。
事故による負傷は、「打撲や擦過傷」が45%ともっとも多く、「頚椎捻挫や靭帯損傷」が20%、「骨折」が19%と続いた。
治療のため仕事を休んだ期間について尋ねたところ、もっとも多かったのは「1~2週間」で42%、2番目は「1ヶ月」で19%だった。
ウーバー側は2019年10月1日から、全ての配達員を対象に、事故を起こした場合の補償に加えて、配達員が事故にあった場合の見舞金を補償する個人保険の提供を開始した。
ただ、補償の対象は、配達員が、配達リクエストを受けた時点から配達が完了、またはキャンセルするまでの間に生じた事故とされ、配達員の治療費に関する「医療見舞金」は上限が25万円となっている。
調査を担当したユニオンの土屋さんは、「事故は、オンラインでの待機中や、注文が受けられる場所に移動中にも起きている。こうした場合、業務に従事している時間にも関わらず、事故が起こっても補償されないのか」と指摘。
医療見舞金についても、「25万円では足りない」という声が出たという。
今回の事故調査を受け、ユニオンはウーバー側に、配達員に事故対応を丸投げせず、配達員との事故にあった被害者からの問い合わせ窓口を設置すること、対人・対物賠償保険について示談交渉特約を追加することなどを求めた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/65eb2e6b555a7d9e180b0fd2542ff2d8b7d4e0d4
【記憶に残るマスコミ取材2;何日かぶりに帰った寮で】
事故後、会議室で仮眠する日が続いていたが、何日か後に、ようやく独身寮に帰ることができた。
ここで一つのエピソード。
靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて受付け窓口の前を通っていた時、ちょうどマスコミの人が来て、「〇〇さん(ブログ者の名前)いらっしゃいますか?」と受付け当番の寮生に聞いていた。
その寮生とは顔なじみ。
当然、ブログ者が目の前を通っていることに気づいている筈なのだが、「さあ、まだ帰ってないんじゃないですか?」などと、とぼけてくれていた。
あの寮生の機転には感謝、感謝だった。
【警察での事情聴取】
その後、当時の直勤務者全員が警察に呼ばれ、調書をとられた。
警察に行く前、会社として口裏合わせとか口止めがあるかと思っていたが、呼ばれた全員を集めた席では、意外にも上司から「知っていること、思っていることは何でもしゃべっていい」との言葉が出た。
皆の反応「本当に、思っていることをしゃべっていいんですか?」
上司「いい」
この点、テレビドラマとは違っていた。
個別にどうだったかは定かでないが・・・。
そして警察での取り調べ時、ブログ者も当日の業務内容などを聞かれたが、IM氏の関与は隠したまま答えていた。
すると、刑事が一言。
「かばう気持ちは分かるが、IM氏のことは別の人間から話を聞いている」
それで気持ちがふっきれて、あとはスラスラと自供?した。
一方、会社の特異な経営体質について、どう思うかとも聞かれたが、事故のキッカケを作ってしまった負い目もあって、そこは模範的に答えておいた。
ブログ者、よほど印象に残ったのか?
【装置復旧までのブログ者の業務】
事故の一因は、しっかりしたマニュアルがなかったこと。
マニュアル整備が新エチレン装置稼働許可条件の一つとなったこともあって、装置の建設と並行して、マニュアル作成が始まった。
ブログ者は、そのマニュアル作成班に所属したが、中で一番記憶に残っているのは、印刷屋に出向いて製本の助成を行ったことだ。
というのは、あまりにもマニュアルの量が膨大だったため、製本段階で印刷屋が人手不足になったためだ。
狭い部屋に5人だったか、10人だったか、大勢で入り込み、手伝った覚えがある。
【唯一の殉職者】
最初に火災が発生したのはアセチレン水添塔の出口配管だった。
その塔では、製品ガス中に存在する微量アセチレンに水素を添加し、エチレンに変えていた。
装置緊急停止時、添加する水素の調整弁を閉めたのだが、バイパス弁が少し開いており(・・・とブログ者は記憶しているのだが、改めてネット情報を調べたところ、そのように記述されている記事は見つからなかった)、そのため過剰に流れ込んだ水素によって、塔内に残留していたエチレンの水添反応が起きていた。
水添反応は発熱反応。
それに加えて、新規にガスを流した際にエチレンの接触分解反応まで起きてしまったため出口ガスが高温となり、出口配管のフランジが赤熱した・・・とまあ、そのような状態だったらしい。
(このあたりのメカニズムは初回に部分引用した「失敗100
選」などに詳しい)
配管が赤くなっている。
このままではマズイ。
口が開かないよう冷却しなくては・・・。
しかし、水をかけると逆効果。
そこで、何人かでスチームを吹きかけていたらしい。
その途中、N氏1人を現場に残し、他の先輩方は、足りなくなった用具類を取りに工具庫まで戻ったのだが、最初の火災が起きたのは、まさにその時だった。
結果、現場に残っていたN氏だけが死亡。
赤熱進展状況を監視していたのか、それとも1人でスチーム噴射作業を継続していたのかは不明だ。
そのN氏だが、装置停止に伴う緊急呼び出しに応じて出社し、再スタート作業に従事していた。
用具類を取りに戻ったことで助かった何人かのうちの1人だったIT氏は、後日、ことあるたびに、あの時、自分が死んでいたかもしれない・・・と、しみじみ述回していた。
ブログ者が本ブログで、しばしば、事故は運に左右されることが多いとコメントしているのは、この体験もあってのことだ。
現在では、フランジ赤熱といった危険な状態を見つけたら、現場には近づかないようにさせる・・・そういった人命最優先の考えが、どこの会社でも基本になっていることだろう。
しかし、当時は高度成長時代の真っただ中。
イケイケドンドン。
守りよりも攻めの姿勢が重視されていた。
そんな時代背景もあってか、これ以上、事態を悪化させないよう、自分たちの責任で対処しようと考えた・・・そういうことだったのかもしれない。
N氏については後日談がある。
独身だったN氏の福岡県K市にある実家に、各直ごと、日勤者も分散参加して弔問に行ったのだが、その際、御母堂から以下のようなことを言われた。
「死んだ息子が現場で何かしたから爆発した・・・そのように言う人がいる」
それを聞いて全員、ビックリ。
まさか、そのように言う人がいようとは・・・。
即座に全員が否定したが、御母堂の心中、いかばかりだっただろうか。
どんな人が発信源だったかは不明だが、流言飛語の類、いつの世にも絶えないものだ。
【事故の責任】
この事故の責任はいずこにありや?
結論からいうと、責任を問われた人はいなかった。
まずは事故に至るキッカケを作ったIM氏とブログ者。
両名は、装置緊急停止の原因を作ったものの、その後、順調に再スタートできていたため、責任なしとされた。
責任を問われたのは、係長と直長、アセチレン水添塔を管理していたボードマン。
論点になったのは、アセチレン水添塔でエチレンの接触分解反応が起き得ることを知っていたかどうか、その1点に絞られたらしい。
そして、詳細な経緯は知る由もないが、結局は、当時、そのようなことを知っている人は日本の業界で誰もいなかったとして、全員に無罪判決が下った。
【最後に】
この事故には、
・閉めてはいけないバルブなのに、なぜ簡単に閉めることができたのか?
・頻繁に操作するバルブなのに、なぜ、なにも表示がなかったのか?
など数多くの教訓があり、それらの何点かは法律に落とし込まれた。
今、思うと、なんでそんなことができていなかった?的なことではあるが、当時の管理状態はその程度だったのだ。
今から50年ほど前に、かくも大きな事故のキッカケを作ってしまったブログ者。
反省しても、反省しきれるものではない。
2報掲載時に読者の方からもコメントいただいたとおり、あの苦い経験が心の奥底に刻み込まれていたため、事故防止に関する情報を本ブログで発信するようになったのかもしれない。
亡くなったN氏のご冥福を、改めてお祈りします。
完
付記
数年前までは、墓場まで持っていこうと思っていたバルブ誤操作のいきさつ。
考え抜いた末、今回、掲載することにしたのだが、本当にこれでよかったのだろうか?
最終稿をアップした今でも、心は揺れている。
2020年7月22日8時32分にYAHOOニュース(WOW Korea)から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
韓国のインチョン(仁川)西区のケミカル工場で発生したタンクローリー爆発事故の現場から作業者1人が死亡した状態で発見され、消防士1人が負傷するなど、死傷者がさらに発生している。
22日、インチョン消防本部によると、前日午後8時51分頃インチョン市西区カジャ洞エスティケイケミカル工場内タンクローリー爆発事故の現場で捜索中、作業者1人の死体の一部が発見された。
また、事故の現場対応の過程で消防士1人が負傷し、近隣の病院に移送された。
これに先立ち、事故で工場建物の一部の壁が崩壊し、内部にいた職員4人が大けがをし、3人が軽いけがを負うなど、7人の負傷が確認された。
しかし、死亡者1人が発生し消防士1人が負傷したことにより、死傷者は9人に増えた。
事故は、過酸化水素8トンを積み込む途中に発生したものと確認された。
タンクローリーは過酸化水素8トンのうち約35%を積み込む途中に爆発が起きた。
消防は事故の通報を受けてから約10分後の午後9時11分頃に対応1段階を発令し、205人の消防人員と装備65台を投入した。
以後、午後9時38分頃に対応1段階を解除し、さらに人命被害を捜索した結果、死亡者を発見した。
また、この過程で消防士が負傷し病院に運ばれた。
警察と消防は同日、現場の合同鑑識を行うなど、正確な事故の経緯を調査する予定だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7040ba57156b8f1d4289390f7a4f396a42a56e90
2020年7月21日21時8分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が空撮写真付きでネット配信されていた。
21日午後3時半ごろ、大阪市西淀川区御幣島2のプラスチック製品製造会社「T化学工業所」から出火した。
隣接する会社など3棟にも燃え広がり、計延べ約610平方メートルを焼いて約3時間後にほぼ消し止められた。
けが人はなく、大阪府警西淀川署が出火原因を調べている。
西淀川署によると、T化学では当時、従業員4人が作業をしていた。
延焼した会社に勤める男性(59)は「風が強くてすごい勢いで燃え広がり、みんな慌てて避難した」と話した。
現場はJR東西線・御幣島駅の北西約400メートルの工場や住宅が点在する地域。
https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/040/153000c
2020年7月20日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
「これは防災業界が猛省すべき事件だ」――。
京都市伏見区の「京都アニメーション」で1年前に起きた放火殺人事件は、国内トップクラスの消火器メーカーにも衝撃を与えた。
スタジオ内にまかれたガソリンは瞬時に燃え広がり、社員ら36人が死亡、34人が重軽傷を負う平成以降最悪の惨事となった。
火災は、なぜ食い止められなかったのか。
今後、同様の事態を防げるのか。
事件を機に、新しい防災機器を開発した技術者らの挑戦を追った。
事件は2019年7月18日午前10時半ごろに起きた。
殺人や現住建造物等放火などの疑いで逮捕された青葉容疑者(42)は、鉄骨3階建てのスタジオに侵入。
1階の入り口付近でガソリンをまき、簡易ライターで放火したとされる。
揮発性の高いガソリンが充満し、一気に燃え広がる「爆燃現象」が起きたとみられ、多くの社員らは逃げる間もなく犠牲になった。
青葉容疑者は「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と供述。
現在は、心理状態などを調べる鑑定留置が行われている。
東証1部上場の消火器メーカー「日本ドライケミカル」(本社・東京都)の技術顧問、高橋さん(男性、58歳)は、「事件で、自分たちが手掛ける製品が否定されたように感じた」と打ち明ける。
同社は消火器や火災報知機から、石油コンビナートなどの防災設備まで幅広く手がけるが、これまで製品開発で重視してきたのは「発火後にどう対応するか」という視点だった。
しかし、ガソリンはひとたび火がつけば爆発的に燃え広がり、なすすべもない。
それならガソリンに薬剤を吹き付け、事前に引火を抑える機器を作れないか。
「消火」から「引火抑制」へ――発想の転換だった。
おりしも、同社は数年前から、海外で続発していた大型バスの炎上事故に着目。
漏れた燃料に引火するケースが多いことから、薬剤を高速噴射して消火する技術を開発していた。
これをさらに広範囲に噴射できるようノズルを改良。
薬剤についても成分の微調整を重ねた。
泡と膜でガソリンの気化を抑え、引火を防ぐ新しい防災機器が誕生した。
製品名「クイックスプラッシャー(火災抑制剤放射器)」。
重さは約5キロと一般的だが、約10平方メートルの範囲に2・5リットルの薬剤をわずか1・8秒で噴射する。
30~60秒かかる一般的な消火器と比べると差は歴然だ。
同社の実験動画では、一般的な消火器は噴射に時間がかかり、ガソリンに火を近づけると瞬時に引火し、炎上してしまう。
一方、同社の新製品は、高速噴射した薬剤がガソリンの気化を抑え、燃え広がらなかった。
引火したガソリンに吹き付けた場合でも、5秒ほどで火勢が弱まった。
過去に消防署長などを務め、実験にも立ち会った公益財団法人「市民防災研究所」(東京都)の坂口事務局長は、「ガソリンは、いったん火がつくと消すのが難しい。引火抑制に成功したのは画期的だ」と評価する。
ガソリンによる放火事件は、過去にも多くの犠牲者を出してきた。
03年9月、名古屋市東区のビルに男が立てこもった事件では、床にまかれたガソリンが爆発・炎上し、3人が死亡、41人が重軽傷を負った。
09年7月に大阪市此花区のパチンコ店で起きた事件では5人が死亡、10人が重軽傷を負った。
大阪市消防局によると、ガソリンに特化した装備はなく、消火には通常の泡消火剤を使う。
屋内にまかれた場合は、換気して、気化したガソリンを外に出すが、消防隊員にとっては最も危険な現場の一つだ。
日本ドライケミカルの新製品は、こうした火災や交通事故現場でのガソリン漏れ、公共交通機関や大規模イベントでのテロ対策などに活用してもらうことを想定しているという。
同社は現在、引火抑制や噴射などの技術について特許出願中で、防災週間(8月30日~9月5日)中の発売を目指している。
高橋さんは「京アニのような被害を二度と出したくない」と強調した。
https://mainichi.jp/articles/20200720/dde/041/040/027000c
2020年7月21日8時35分に福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前10時5分ごろ、福島市の日東紡績福島第2工場から出火、工場の屋根部分を焼いた。
火災は約7時間後に鎮火。
作業員男性(53)が軽いやけどを負い、別の作業員男性(23)が熱中症の疑いで搬送された。
福島署や市消防本部によると、工場の警備員が「屋根の補修工事をしていたら、煙が出た」と119番通報。
作業員男性2人は消火作業をしていた。
同社によると、この日は外部業者が屋根の補修工事をしていたという。
勤務していた従業員約200人は全員避難。
周囲は一時、騒然となった。
火災を受け、同社は工場の操業を停止。
今後は被害状況の確認などを行い、再開を決める。
製品出荷への影響は調査中で、「近隣住民、関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をお掛けし、心よりおわび申し上げます」としている。
同工場はスマートフォンや高機能サーバーに使われるグラスファイバー製品の製造などをしている。
https://this.kiji.is/658091858200003681?c=39546741839462401
7月23日8時35分に福島民友からは、金属切断時の火花で屋根の防水シートが燃えたらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は22日、外部業者が屋根補修工事で金属を切断している際に火花が発生し、可燃物に引火して出火した可能性があると発表した。
市消防本部などが21~22日に実況見分を行い、火災の状況や出火原因などを調査した。
屋根約4万300平方メートルのうち約2200平方メートルが焼失したが、生産設備などへの延焼はなかったという。
補修工事は外部業者が行っており、南東の屋根中央付近の防水シートなどに引火したとみられる。
工場は20日の火災後から稼働を停止していたが、22日に一部で再開した。
準備が整った製品から出荷を再開していくという。
火災は20日午前9時40分ごろに発生。
約7時間後の午後5時20分ごろに鎮火し、外部業者の男性が軽いやけどをした。
https://this.kiji.is/658818083871736929?c=39546741839462401
2020年7月24日12時57分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
愛媛県警は21日夜、松山東署の署長・副署長官舎で、外壁の吹きつけ材に含まれるアスベスト(石綿)の飛散防止対策をとらずに一部を解体したと発表した。
本部長官舎の解体を同時に発注した際、石綿の有無を取り違えたことが原因。
解体に必要な松山市などへの届け出を怠り、大気汚染防止法などに違反した疑いがある。
発表では、署長・副署長官舎は鉄筋コンクリート2階建てで、老朽化した松山東署庁舎の建て替えに伴って解体。
事前調査では、石綿が合成樹脂やセメントで固められた状態で、外壁の吹きつけ材に使われていることが確認されていた。
解体工事は20日午前8時30分に始まった。
同9時50分頃に設計書を見直した県警会計課の職員が発注のミスに気づき、約10分後に工事を中止させた。
官舎の一部は取り壊されており、業者が飛散防止対策を実施した。
周辺で大気中の石綿濃度を計測したが、飛散は確認されなかった。
原因は、石綿を使用していない隣接の本部長官舎の解体工事と一緒に発注した際、署長・副署長官舎ではなく、本部長官舎で石綿の飛散防止対策を実施すると誤った。
その後の確認も不十分だったという。
石綿を含む建物の解体は大気汚染防止法や労働安全衛生法などに基づき、届け出が必要とされるが、県警は市などに届け出ていなかった。
今後、周辺住民にも説明するとし、会計課は「法令にのっとった手続きを踏まずに工事を進めてしまった。確認が足りず申し訳ない」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200723-OYT1T50158/
(ブログ者コメント)
当日9時50分にミスに気付いた職員は、なぜ、着工1時間後の、このタイミングで設計書を見直していたのだろう?
石綿対策は重要なので、最終確認の意味で見直していたのだろうか?
もしそうだったとしたら、それは、その職員の感度がよかったから?
その辺も気になった。
2020年7月20日12時16分にYAHOOニュース(関西テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日朝、滋賀県長浜市でトレーラーが積んでいた20トンあるコンクリートブロックが道路上に落下し、国道が一時、通行止めとなりました。
午前5時半ごろ、長浜市西浅井町の国道で、トレーラーが長さ約7m、重さ20トンほどのコンクリートブロックを積んで福井方面に走っていたところ、ブロックが反対車線に落下しました。
車への接触はなく、けが人もいませんでした。
警察によりますと、トレーラーがカーブを曲がろうとした際に、ブロックにくくりつけていたワイヤーが何らかの原因で切れたということです。
撤去作業のため、午前7時半ごろから国道は通行止めになっていましたが、現在は解除されています。
警察が事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5787d70d1e0e4c13af22a119f25655a560de0cc
7月20日13時40分に中日新聞からは、落ちたのは北陸新幹線の橋桁だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前5時半ごろ、滋賀県長浜市西浅井町の国道8号で、走行中の大型トレーラーから重さ26トンのコンクリートブロックが落下。
道路の舗装が数十メートルにわたって削れ、ガードレールが損傷したが、けが人はなかった。
福井県敦賀市で建設中の北陸新幹線の橋桁に使うものだという。
滋賀県警木之本署や工事関係者によると、ブロックは長さ8メートル、幅2・7メートル。
同県東近江市の製造工場から、敦賀市余座の工事現場に運ぶ途中だった。
現場は山中の片側1車線。
緩い上りの左カーブを曲がり切るあたりで、対向車線側に落下した。
運転手は「固定していたワイヤが切れた」と話したという。
現場は午前7時半から10時16分まで通行止めになった。
https://www.chunichi.co.jp/article/91723
7月20日12時36分にmBS NEWSからは、左にハンドルを切った際にワイヤーが切れたらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
橋げたが道路を塞ぎ、現場から福井県敦賀市の疋田交差点までの約15kmが一時通行止めとなりました。
警察は、トレーラーが左にハンドルを切った際に橋げたを固定していたワイヤーが切れたとみて、落下した原因を調べています。
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200720/GE00033981.shtml
(ブログ者コメント)
以下は、関西テレビ映像の3コマ。
以下は、mBS NEWS映像の1コマ。
2020年7月20日12時5分にYAHOOニュース(宮崎放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日夜、都城市の製材所で、作業中の男性の腕が機械に巻き込まれる事故があり、男性は病院に運ばれましたが死亡が確認されました。
事故があったのは、都城市早鈴町の製材所「M木材」で19日午後8時15分ごろ、男性作業員が機械に挟まれているのを同僚の作業員が見つけ、消防に通報しました。
この事故で都城市高城町の飯盛さん(男性、29歳歳)が市内の病院に運ばれましたが、約1時間半後に死亡が確認されました。
警察によりますと、事故当時、飯盛さんは1人で作業していて、おがくずを溜めるサイロの下側に設置されている回転式のプロペラがついた「スクリュー」に右腕を巻き込まれたということです。
飯盛さんの死因は出血性ショックと見られ、警察が事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed0f8755e371951bfca58b33f037c4b8dbc60663
7月20日12時14分にYAHOOニュース(テレビ宮崎)からは、サイロ内で作業していたらしいという、同趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午後8時頃、都城市早鈴町のM木材会社のサイロ内で社員の腕が「スクリューに挟まれている」との119番通報がありました。
この事故で、木材会社社員の飯盛さん29歳が心肺停止の状態で都城市内の病院に搬送されましたが、通報からおよそ2時間後に死亡が確認されました。
飯盛さんは木くずがたまっているサイロ内で何らかの作業をしていたと見られており、警察で事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6c81961021f7bdb38da29ae12e6094f9578a86b8
(ブログ者コメント)
以下は、テレビ宮崎映像の3コマ。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。