2020年12月10日4時36分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
遊戯施設や家庭にあるトランポリンで、骨折などの大きなけがをする事故が相次いでいるとして、消費者庁などは安全な利用を呼びかけています。
消費者庁などによりますと、トランポリンに関する事故の情報は、ことし9月までのおよそ10年間に、医療機関から100件報告され、消費者庁などが運用している事故情報データバンクにも40件報告されているということです。
遊戯施設や家庭、それに学校などで子どもが、けがをするケースが多く、
▽遊戯施設のトランポリンで遊んでいた10代の男性が外に落下し、左ひじの関節を脱臼骨折する大けがをしたケースや、
▽2歳の子どもが転んだ際、同じトランポリンで跳んでいた大人に踏まれて太ももの骨を折ったケース、
▽それに、12歳の子どもが学校のトランポリンで宙返りをして着地した際、ひざがあたって顔の骨を折ったケース
などがあったということです。
消費者庁は、トランポリンは2人以上で同時に使用すると衝突などのおそれがあるため、1人ずつ使用することや、初心者は徐々に体を慣らしていき、いきなり高く跳んだり宙返りをしたりしないことなど、安全な利用を呼びかけています。
消費者庁消費者安全課の鮎澤課長は、「正しく使わないと、けがをする危険性が高まる。施設のルールやトランポリンの性能を確認し、安全に利用してほしい」と話しています。
【高く跳べるトランポリン設置も】
消費者庁が全国の遊戯施設を対象に行ったアンケートでは、公式競技に使われるような高く跳べるトランポリンが設置されているケースもあるということです。
こうしたトランポリンを、複数の人が同時に使った状態を想定した国民生活センターの実験では、重さおよそ25キロのおもりが跳ね上がる高さは、近くで跳んだ人の着地のタイミングによって、低いときは20センチでしたが、高いときは1メートル50センチほどと、大きく異なったということで、複数の人が同時に跳ぶと、思わぬ高さまで跳ねて体勢を崩し、けがにつながるおそれがあるということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012755671000.html
12月11日16時0分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
遊戯施設や家庭でのトランポリンによる事故が相次いでいる。
消費者庁によると、2年前から増加傾向にあるといい、使うときは注意するよう呼びかけている。
今年3月、大阪府の遊戯施設で、遊んでいた10代男性がトランポリンの外に落下し、左ひじの関節を脱臼骨折した。
これを受け、消費者庁が全国の消費生活センターから寄せられた事故情報を調べたところ、2010年4月~今年9月に40件起きていた。
17年までは年4件以下だったが、18年に7件、19年に8件、今年は9月末までに5件と増加傾向だ。
「14歳の少年が同じトランポリンで遊んでいた子どもと衝突して落下し、口から大量に出血して歯が抜けた」という事例もあった。
発生場所は遊戯施設が23件と最多で、家庭7件、学校など5件。
けがの内容は、骨折12件、すり傷やねんざなど7件、刺し傷・切り傷6件と続いた。
消費者庁によると、トランポリンを設置する屋内遊戯施設がここ数年で増えており、高く跳躍できる競技用の製品で気軽に遊べるようになった。
トランポリンで遊ぶことを主な目的としている全国の28施設を調べたところ、24施設でこの5年に利用者がけがをしたことがあったという。
消費者庁は
▽トランポリンを初めて使うときは、低めの高さから徐々に体を慣らす必要がある
▽宙返りなど、難易度の高い技には安易に挑戦しない
▽一つのトランポリンを2人以上で同時に使用すると、着地のタイミングによっては思わぬ高さまで跳んでしまうため、1人で使用する
といった注意を呼びかけている。
https://www.asahi.com/articles/ASNDB6SC7NDBUTFL009.html
(ブログ者コメント)
以下は、国民生活センター発表の動画(1分43秒)。
前出のNHK映像は、複数人使用時の跳ね返り高さを比較した実験だが、それ以外、一般用と競技用の跳ね返り高さ比較などの映像がある。
http://www.kokusen.go.jp/douga/data/vn-20201209_1.html
(2021年3月25日 修正1 ;追記)
2021年3月24日14時0分にYAHOOニュース(毎日新聞)からは、ホワイトボードに直近の負傷者数や負傷した時の状況などを記載することで利用者に注意喚起している遊戯施設もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
遊戯施設に設置されたトランポリン用の跳躍器具で大けがをする事故が多発している。
消費者庁が調査したところ、跳躍器具による遊びをメインにする全国の遊戯施設での脱臼や骨折が、2020年9月までの5年間で約170件も発生。
直近の事故件数を掲示して利用者に注意を呼びかける施設もあるが、治療に当たる医師からは「利用者が気をつけるだけでは不十分。事業者が安全対策を徹底するよう国が指導すべきだ」との声が上がる。
「今週のケガ人1人、今月ケガ人6人(救急車2台)、先月ケガ人2人(救急車1台)」。
約50台の跳躍器具を設置する大阪府内の遊戯施設を3月中旬、記者が訪れると、負傷者の発生状況を書き込んだホワイトボードが受付に置かれていた。
壁には「12月13日、宙返りの着地ミスで右足首骨折」などと、具体的な内容を書き込んだ紙も張られている。
運営会社の社長は「バランスを崩して着地し、けがをする人が多い」と認めつつ、「危険な跳び方をしないなど、ルールを守ることや、けがや事故の責任を店は一切負わないことについて入場の際に伝え、誓約書にサインしてもらっている」と説明した。
跳躍器具は5年前から設置して、監視員も配置しているが、これまでに30人ほどの重傷者が出ているという。
【国がガイドライン作成を】
消費者庁が20年9月、トランポリン遊びがメインの全国28施設にアンケートしたところ、回答のあった24施設全てで事故が発生。
5年間で脱臼103件、骨折63件、切り傷・裂傷53件、捻挫・打撲45件に上った。
同庁は調査結果を同年12月に発表し、いきなり高く跳ばないことや、1人ずつ器具を使うことを呼びかけたが、利用者への注意喚起であって、事業者への指導ではない。
遊戯施設の指導や監督を所管する経済産業省によると、安全対策としては、ショッピングモールなど商業施設内の施設のガイドラインを16年6月に作成しているが、目的は子供向けのジャンピング遊具などでの事故防止で、大人も使う跳躍器具は想定していないという。
前出の大阪府内の施設の運営会社社長は、「同様の施設は、ここ数年で増えており、業界団体もないため、統一的な安全対策マニュアルはない」と話す。
この施設で負傷した利用者がよく運ばれる総合病院の医師は、「30例近く診察したが、けがは子供より20代前後の若者の方が多い。足首や肘、腰などを骨折し、後遺症が残りそうな人も少なくない」と指摘。
「1人ずつ跳ぶなどのルールを守っていても重傷を負っており、営業自粛を求めてもおかしくない状況だ。死亡事故などが起きる前に国がガイドラインを作成するなどの安全対策に乗り出すべきだ」と訴える。
日本体操協会の石田広報委員は、「安全に着地できれば、大きな事故は減らせる。初心者には施設側が数分間、安全な跳び方や膝を上手に使った着地を指導するなど、対策の仕方があるのではないか」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/98172132d14014eb4aacff251912ad008c07cddf
(ブログ者コメント)
昨年の報道では10年で100件とか40件とか報じられていたが、今回の報道では5年で170件と報じられている。
いずれが正かは不明だが、大勢に影響ないので調査は割愛した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。