2020年12月15日11時9分に産経新聞から下記趣旨の記事が、焼けた後の写真付きでネット配信されていた。
今月上旬、大阪市平野区の集合住宅で2人が死亡した火災で、火元の部屋に住んでいた70代男性が呼吸器疾患のため、普段から在宅で医療機器「酸素濃縮装置」を使用していたことが15日、大阪府警への取材で分かった。
出火原因は明らかになっていないが、装置の使用中は顔付近の酸素濃度が高まり、わずかな火気でも火災につながる恐れがある。
装置の使用中に起きたとみられる火災は全国で相次いでおり、取り扱いには注意が必要だ
火災は9日夜、同区長吉六反の木造集合住宅2階の一室から出火し、住宅全体に延焼。
焼け跡からは性別不明の2人の遺体が見つかった。
別々の部屋に住む60代と70代の男性2人と連絡がとれておらず、府警はこの2人である可能性が高いとみて身元の確認を急いでいる。
府警によると、このうち火元の部屋に1人で住んでいた70代男性は肺疾患を患っており、装置のチューブを介して体内に高濃度の酸素を取り込んでいた。
目や足が不自由なことなどもあり、訪問ヘルパーから介護を受けていた。
男性は日常的に室内で喫煙しており、部屋の畳にたばこの焦げ跡があったという。
府警は現場検証するなどして詳しい出火原因を調べているが、集合住宅の損傷が激しく、男性が装置の使用中にたばこを吸っていたかは不明だ。
酸素濃縮装置は、喫煙などが原因で肺が酸素を取り込みにくくなる「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)」などの患者に十分な酸素を吸入させるための装置。
空気の約80%を占める窒素の多くを取り除くことで酸素濃度を高め、鼻につないだチューブで吸入する。
一般社団法人「日本産業・医療ガス協会」(東京)によると、現在、約17万人が在宅で使用している。
装置が直接の出火原因になることはないが、チューブから顔付近に漏れ出す高濃度の酸素は、わずかな火気でも燃焼を拡大させる性質を持つ。
装置の使用中とみられる死亡火災は全国で相次いでおり、平成15年から今年3月までに82件起き、77人が死亡した。
出火原因の約42%はたばこの不始末で、約15%がストーブやろうそくなどからの引火だった。
1月には香川県で電気ストーブから引火したとみられる火災で80代男性が死亡したほか、3月にも埼玉県でこたつから引火したとみられる火災で80代男性が亡くなった。
同協会の担当者は、「高濃度の酸素の中では延焼範囲が広がりやすい」と指摘。
吸入中にたばこやライターの火気を近づけると急激に火が大きくなり、チューブや衣服に引火する恐れがある。
同協会は、「装置の近くで火気の使用は厳禁。周囲2メートル以内に火気は置かず、使用しないときは必ず電源を切ってほしい」と呼びかけている。
https://www.sankei.com/affairs/news/201215/afr2012150003-n1.html
(ブログ者コメント)
本ブログでは同種事例などを多数紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。