







1.総括
年明け早々、大きな爆発事故が発生し、今年はどうなることかと気を揉んだが、その後は連鎖的に起きることもなく、大きな事故は数件にとどまった。
2014年の事故の傾向としては、溶解炉での事故、安全のプロを育てる機関での事故、学校での実験関連の事故・トラブルが多かった感がある。
また、新日鉄住金名古屋製鉄所での連続トラブル・事故も目をひいた。
一方、ブログ作成面では、読者の方から、事故関係者と思われる方からのものを含め、計43件のコメントや問い合わせなどを頂戴した。
2.ブログ者が選んだ2014年の大きな事故
※昨年までは10大事故として10件選んでいましたが、今年からは数にこだわらないことにしました。
① 1月 9日 四日市市の三菱マテリアルで熱交換器清掃のため蓋を外したところ爆発、5人死亡12人重軽傷
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3583/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3595/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3817/
② 3月30日 沖ノ鳥島で台船から引き出した桟橋がバランスを崩し、転覆して7人死亡
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3806/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4074/
③ 9月 3日 東海市の新日鉄住金で石炭塔からコークス炉に石炭を落としている時に異常燃焼、15人重軽傷
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4253/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4285/
④ 5月29日 姫路市沖のタンカーでグラインダーで錆び落とし中に爆発、沈没
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3960/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4082/
⑤ 5月13日 町田市の金属加工会社ではんだ付け作業中にマグネシウムに引火して火災、重軽傷8人
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3911/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3949/
[番外]4月16日 韓国珍島沖で旅客船セウオル号が沈没し死者300人
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3845/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3846/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3888/
3.発生場所という観点からみた2014年の事故傾向
○溶解炉での事故
4月25日 氷見市の機械部品工場で溶解炉から溶けた鉄が飛び散り5人死傷
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3868/
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4085/
5月16日 豊橋市の金属加工工場で鉄スクラップを溶解中の炉が爆発し5人重軽傷
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3919/
6月17日 小坂町の精錬会社で炉の排出口から熔けた鉄が漏れ出し、ベルトコンベヤーが焼ける
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4025/
7月 1日 いわき市の精錬会社で炉から銅が漏れてケーブルなどを焼く
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4067/
9月27日 東かがわ市の鋳造工場で溶鉱炉の栓を抜いたところ溶けた鉄が飛び散って3人やけど
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4322/
10月27日 秋田市の亜鉛工場で不純物除去中に溶解炉内に転落して両足やけど
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4392/
○動き出した車を止めようとしての事故
3月 5日 呉市でミキサー車
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3723/
6月27日 垂井町で大型冷蔵冷凍車
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4056/
6月27日 山口市で浄化槽清掃中に給水車
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4057/
7月 4日 伊賀市でメンテナンス用の軽トラック
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4084/
8月26日 十津川村でおがくず運搬中のトラック
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4228/
○2m以下の、そう高くない場所から落ちての死亡事故
3月29日 生駒市の温泉施設で高さ1.1mの脚立の上で棚の上の段ボール箱に穴を開けていて転落して死亡
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3805/
7月 5日 立山高原ホテルの耐震補強工事で1.5m高さから落ち、鋼材が刺さって死亡
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4089/
7月 5日 北上市の工場建設現場で1.7m高さの足場から落ち、鉄のかごに体を強く打ちつけて死亡
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4090/
8月24日 酒田市の飛島で1.8m高さの足場から落ち、鉄筋が刺さって死亡
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4223/
11月18日 光市の工場で深さ90cmのくぼみに転落して死亡
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4444/
○安全のプロを育てる機関での訓練中の事故
5月23日 横須賀市の海上自衛隊で訓練準備中の教官2人が訓練用水槽の中で死亡
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3944/
5月27日 栃木県の消防署で高所訓練塔から降下訓練中にロープがほどけて落ちて大けが
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3952/
7月 3日 静岡市の消防学校で衣服を着たままの立ち泳ぎ訓練中に2人が溺れ、一時意識不明
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4079/
8月19日 南国市の警察学校で機動隊の装備を着用して走る訓練中に12人が熱中症
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4210/
9月17日 春日井市の警察学校で機動隊の装備を着用して走る訓練中に9人が熱中症
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4297/
(続く)
2014年12月31日17時31分にNHK神戸から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月31日18時55分に神戸新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
31日、姫路市のガソリンスタンドで、誤ってガソリンが混入した灯油が一部の客に販売されていたことがわかり、消防は、火災の危険性があることから絶対に使用しないよう、購入した客に注意を呼びかけている。
ガソリンが混入した灯油を販売したのは、姫路市東今宿の平野石油「セルフステージ姫路」。
消防によると、このガソリンスタンドでは31日昼ごろ、タンクローリーから地下の灯油用のタンクに、タンクローリーの運転手が機器の操作を誤って、ガソリンおよそ2kℓを補給したという。
店では、このおよそ20分後、灯油を購入した客から「ガソリンのにおいがする」と指摘が寄せられたことから混入に気づいたという。
消防によると、ガソリンが混入した灯油はこれまで8人の客に販売され、このうち2人からは回収できたというが、残り6人とは連絡がとれていない。
消防では、火災の危険性があるとして、ストーブなどでは絶対に使用しないよう、呼びかけている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/kobe/2024376721.html?t=1420062917021
http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken_chiiki/201412/0007625739.shtml
2014年12月31日19時6分にNHK北九州から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
31日、午前10時すぎ、北九州市八幡東区の新日鉄住金の旧社員寮の解体工事現場で、建物を囲っていた作業用の足場が高さおよそ15m、幅およそ10mに渡って倒壊しているのを、通行人が見つけた。
31日は年末のため、工事は休みで、近くを通っていた人もおらず、けが人はいなかった。
足場のまわりには防音用のシートが張られていて、警察では、強風にあおられたのが原因と見ている。
足場は、電柱に倒れかかるような形で倒壊し、九州電力によると、現場付近では午前11時半ごろから1時間あまりにわたり、最大185世帯が停電した。
近くの商店街では、おおみそかで、お正月用品を買い求める人たちでにぎわっていたが、停電した鮮魚店では懐中電灯の光を頼りに魚をさばく姿も見られた。
おせち料理作りに追われていたすし店の人は、「正月のかき入れ時におせち作りが中断し大変迷惑です」と話していた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/5024374041.html?t=1420063198887
2014年12月31日17時5分にfnnニュース(テレビ静岡)から、12月31日11時46分にTBS News iから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島田市の製紙工場で、31日朝、木材チップを保管する倉庫2棟が全焼する火事があった。
火は、10時間以上たった午後4時半現在も延焼している。
午前6時ごろ、島田市にある特殊東海製紙島田工場の倉庫から「煙が出ている」と、近くに住む人から警察に通報があった。
この火事で、倉庫2棟、およそ3300m2が全焼した。
工場内に大量に保管されていた紙の原料となる木材チップが燃えているために消火活動は難航、10時間以上たった午後4時半現在も、中にあるチップがくすぶっていて、消火活動が続けられている。
この火事による、けが人はいなかった。
倉庫では、26日にベルトコンベヤーの修理のための溶接作業が行われていたということで、警察と消防が、関連について調べている。
この工場は今月26日に仕事納めをしていたため、出火当時、工場内は無人で、この火事によるけが人はいなかった。
出典URL
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00283642.html
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2384242.html
2015年1月3日17時21分に読売新聞から、続報的記事が下記趣旨でネット配信されていた。
消火活動は2日も続けられた。同日午後3時時点で鎮火のめどは立っていない。
すでに紙の原料の木製チップ約8000トンが焼け、同社の損失額は最大で50億円に上る見込みだ。
同社は同日、記者会見を開き、先月30日に行われた機械の溶接工事で、火花が機械のカバーに引火し、チップに燃え移った可能性が高いと説明した。
近隣住民から健康被害などに関する問い合わせが数十件寄せられているが、煙が人体に悪影響を与える可能性は低いという。
三沢社長は会見で、「出火原因を解明し再発防止に努めたい」と頭を下げた。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150102-OYT1T50122.html
2015年1月3日付で島田市HPに、消火活動の経緯や下記の内容が記された資料が掲載されていた。
火災発生場所はチップサイロ。鉄骨造。地上1F無窓階(内部は壁で5部屋に分かれている)。縦約112m、横約43m、高さ約23m。
出典URL
http://www.city.shimada.shizuoka.jp/kikitaisaku/documents/kasaishiryou1.pdf
(ブログ者コメント)
火花がチップの山の中に入りこみ、そこで燻って・・・・ということも考えられる.
ただ、溶接工事終了から4日以上経っての火災発見。その間、誰も巡回していなかったのだろうか?
(2015年1月10日 修正1 ;追記)
2015年1月6日付で朝日新聞静岡全県版(聞蔵)から、5日に鎮火したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島田市消防本部は5日、火災が同日午後3時に鎮火したと発表した。
6日間燃え続け、チップサイロ(約4840m2)と、内部に貯蔵されていた製紙原料の木材チップ(木片)4376トンが全焼した。
発生した煙と臭いが西風に乗って、主に工場の東側に広がり、正月三が日の市中心部に立ちこめた。
3日までに、市や同社に91件の苦情や問い合わせがあった。
(2015年1月24日 修正2 ;追記)
2015年1月3日付と10日付の静岡新聞紙面に、前日のベルトコンベヤー溶接火花が燃え移った可能性が高いなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全焼した倉庫と連結する外付けのベルトコンベヤーの溶接修理で出た火花が、コンベヤーを伝って倉庫内の木材チップに燃え移った可能性が高いことが、警察などの調べで分かった。
倉庫内には手動スプリンクラーを設置していたが、作動の有無は調査中だという。
警察などは9日、実況見分を終えたが、今後、燃焼実験や関係者から事情を聴くなどして、出火原因の特定を急ぐ。
業者が12月30日にベルトコンベヤーの溶接修理を行い、同日夕方に作業を終了した。
コンベヤーには、部分的に木くずやほこりが溜まっていたという。
2014年12月30日19時33分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月30日18時21分にNHK長野から、12月30日23時33分にテレビ朝日(長野朝日放送)から、12月31日10時47分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前11時10分ごろ、長野県白馬村神城のTさん(54)方の庭で、建設業者3人がバックホーで除雪作業中、プロパンガスのタンク(容量300kg)のガスが漏れ爆発。
タンクから10mほど離れたところにいたTさんの妻(54)と業者の63歳と54歳の男性がやけどし、大けが。3人とも意識はあり、会話ができる状態だったという。
警察によると、タンクは据え置き型で長さ158cm、直径80cm。
バルブは深さ150cm程度の雪に埋もれており、作業員がバックホーのシャベルで誤って破損させたらしい。
数分後、静電気で引火した可能性がある。
警察は、業務上過失致傷容疑も視野に調べている。
近所の男性(54)は、「爆発直後、3mぐらいの火柱が上がり焦げ臭かった」と話した。
警察の調べに対し作業員は、「重機が接触した後、ガスのにおいが充満したので、この家に住む女性を呼んで対応を話し合っていたところ、爆発が起きた」と話しているという。
Tさんは、「年末年始に雪が相当降るということで、業者が気を利かして隅々まで除雪をしてくれたことが結果として爆発につながってしまった。3人のけがの具合が心配だ」と話していた。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20141231k0000m040029000c.html
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagano/1014365131.html?t=1419973193865
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000041675.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141230-OYT1T50102.html
(ブログ者コメント)
静電気の可能性に言及していたのは毎日新聞。
住宅の庭であれば着火源は他にもいろいろと考えられるのだが、なにか根拠があってのことだろうか?
2014年12月29日1時17分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
座席部分に生じる加速度に応じたシートベルトなどの設置を求める方向で検討。乗客の安全確保に必要な装置や機能を明確にし、事故防止につなげる。
遊具の安全装置は、建築基準法に基づく国交省の告示で規定されている。
現行では、コースターやメリーゴーラウンドといった種類ごとにシートベルトや手すりの要否を定めているが、科学的な根拠が乏しいうえに、装置の機能や形状については事業者任せとなっているのが実態だ。
国交省によると、新たな安全基準では、遊具の種類にかかわらず、走行時に座席部分に生じる加速度に基づき、必要な装置を定める。
前後左右や上下方向にかかる加速度の大きさによって数段階にレベル分けし、レベルごとに安全確保に必要な装置や機能を規定する。
国交省は2012年に、海外では一般的とされる加速度に基づく安全基準について民間機関に調査を委託。
安全対策として一定の合理性が確認されたことから、日本でも同様の基準を採用することを決めた。
国交省は、新たな基準を適用する遊具の範囲や安全装置以外の座席の構造など、さらに検討を重ねたうえで、告示を改正する見通し。
遊園地のコースターを巡っては、シートベルトなどの安全装置の不備が原因とみられる事故が後を絶たない。
11年1月に東京都の「東京ドームシティアトラクションズ」で男性がコースターから投げ出されて死亡したほか、12年6月には群馬県の「軽井沢おもちゃ王国」で男児がコースターから落ちて負傷した。
国交省の社会資本整備審議会は今年10月、群馬県の事故に関する調査報告書で、「シートベルトが外れ、走行中に横方向に大きな加速度が生じたと考えられる」と指摘。
コースターなどの加速度に応じた安全基準について検討するよう求めていた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81456370Z21C14A2CR8000/
(ブログ者コメント)
これまでは漠然とした安全基準でヨシとされてきたものが、事故が相次いだため、定量的な、説得力ある基準に変更された。
産業現場にも、そういった安全基準が、探せばあるような気がしてならない。
2014年12月27日18時48分にNHK松山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後2時ごろ、松山市にある海産物加工会社「S社」工場の新築工事の現場で「作業員が作業中に転落した」と現場監督者から警察に通報があった。
転落したのは現場で溶接工事を行っていた男性(44)で、全身を強く打ち病院に運ばれたが、まもなく死亡した。
警察によると、男性は事故当時、鉄骨の建物の高さ6mのところで溶接工事を行っていて、現場の作業員は「機械につまずいて転落したように見えた」と話しているという。
男性が転落事故を防止するための安全ベルトを使用していたかは、今のところ分かっていないという。
警察は、男性が何らかの原因でバランスを崩し転落したものとみて、事故の原因を調べるとともに、安全管理が十分だったか、関係者から事情を聴くことにしている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/matsuyama/8004331931.html?t=1419711212367
2014年12月27日付の千葉日報紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
26日午前8時半ごろ、白子町の建材加工業「Y社」の工場内で、油圧で上がっていた作業台が突然下がり、作業員の男女2人が挟まれた。
2人は病院に搬送されたが、女性(57)が間もなく死亡。もう1人の作業員の男性(51)も意識不明の重体という。
警察は、事故原因を調べている。
警察によると、作業台は縦横約2~3mの鉄製。
2人は作業台を使い、プレハブ用の壁材を作っていたとみられ、男性の叫び声に気付いた女性社員が119番通報した。
男性の近くには作業台を昇降させるスイッチがあり、警察は、機械に不具合があった可能性があるとみて、調べている。
2014年12月26日18時13分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午前8時半ごろ、白子町にあるプレハブ用のパネルを製造する「Y社」の工場で、従業員2人が作業台に挟まれていると消防に通報があった。
消防がかけつけたところ、工場の従業員のHさん(57)が、鉄製の作業台に全身を挟まれていたほか、51歳の男性従業員も下半身を挟まれていたという。
2人はいずれも意識不明の状態で病院に搬送され、このうちHさんは、およそ3時間後に死亡が確認された。
警察によると、鉄製の作業台はおよそ6m2あり、油圧式で深さ80cmほどの所から上下する仕組みになっていて、2人は、下がっている状態の作業台と地面の間に挟まっていたという。
2人は、作業台の上で角材の骨組みに板を張り付ける作業をするため準備をしている最中に挟まれたとみられるという。
警察は、事故の詳しい状況を調べている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/chiba/1084310621.html?t=1419628035145
2014年12月26日15時58分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
感電防止策を取らずに従業員に電気工事をさせたとして、岸和田労基署は25日、労安法違反の疑いで、奈良県広陵町の自営業の男性(42)を書類送検した。
書類送検容疑は、7月16日、熊取町内のドラッグストアで、通電した状態のまま男性従業員(27)に電気工事をさせたとしている。
従業員は感電し、同月23日に死亡した。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/141226/wst1412260056-n1.html
2014年12月25日付で岸和田労基署から発表された文書は下記。
電気工事業経営者を、労安法違反の疑いで書類送検した。
被疑者は電気工事業を営み、 自ら使用する労働者の安全を管理する者であるが、平成26年7月16日、キリン堂熊取店において、労働者B をして、電路を開路して(停電状態で)、当該電路の修理等の電気工事の作業を行わせるに当たり、 同人に対し、 取り扱う電路の系統について周知せず、 また、 電路を開路して作業を行うときは、 作業の指揮者である自らが、 当該電路の停電の状態等を確認した後に作業の着手を指示することが必要であったにもかかわらず、これを行わず、 もって、 電気、 熱その他エネルギーによる危険を防止するため必要な措置を講じなかったものである。
労安法では、 停電して電気工事を行うときは、 当該工事の作業に従事する労働者に作業内容、電路の系統等について周知させ、 かつ、作業の指揮者を定めて、その者に、 当該電路の停電の状態等を確認した後に作業の着手を指示することを行わせるよう定めているが、 被疑者A はこれを怠った。
出典URL
http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/osaka-roudoukyoku/H26/syosyo/261226-02.pdf
2014年12月25日11時53分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は25日までに、過去に人身事故があった昇降機のメーカーが製造した業務用エレベーターなどを調査した結果、9月末時点で2005台に、安全装置の不備を含む建築基準法違反が見つかったと発表した。
このうち改修・撤去を終えたのは798台で全体の4割程度。
残り1207台は都道府県などが是正を指導中で、うち518台が使用を止めていた。
調査対象は、2009年4月~12年4月に人身事故が起きたエレベーターなどを製造していた国内メーカー3社の製品計1244台と、違法の疑いがあると国交省に情報提供があった898台。
自治体に依頼して調査した結果、非常時や誤作動を起こした際にエレベーターを止める安全装置が付いていない機種や、年1回の法定点検を実施していない違反などが見つかった。
違反があったエレベーターは主に工場や倉庫で使われており、改修・撤去の費用が捻出できないなどの理由で放置されているケースが多いという。
出典URL
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H58_V21C14A2000000/
(ブログ者コメント)
調査対象2142台のうち2005台に違反が見つかったということは、ほぼ全てが違反状態だったということだ。
違反、即、不安全とは言えないものの、すさまじい比率だ。
2014年12月27日23時45分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
青森県八戸市の燃料販売会社「八戸燃料」は27日夜、同社が運営する同市南類家2のガソリンスタンド「コスモ八戸燃料南類家SS」で、25〜27日に販売した灯油にガソリンが混じっていたと発表した。
「特に、ストーブを消火しないまま給油すると引火の危険性がある」として、購入者に使用しないよう呼びかけている。
同社によると、ガソリンが混入した灯油約8000ℓを販売した。
配達した家庭には連絡しているが、ガソリンスタンドで直接購入した人を把握できていないという。
同社は、灯油の交換に応じている。
25日午後4時ごろ、灯油1万3000ℓが入ったタンクに、大型タンクローリーのガソリン約900ℓを誤って入れてしまったと同社はみている。
27日午後4時半ごろ、灯油タンクから配達用小型タンクローリーに注油していた担当者が、ガソリン臭に気付いたという。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20141228k0000m040094000c.html
(ブログ者コメント)
同種事例は、毎年1~2件程度、報道されており、本ブログでも何件か掲載済。
誤混入対策はとっている筈だが、それでもまた起きてしまう。
各事例毎の原因は不明だが、ヒューマンエラーの常として、自分だけは・・・・と思う心が関係しているのかもしれない。
2014年12月26日19時26分に時事ドットコムから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月27日0時2分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は26日、東京都国分寺市東恋ケ窪で盛り土の補強工事中、セメントが線路下の暗渠を流れる野川に漏れ出したと発表した。
下流で魚の死骸が見つかり、同社は関連を調べるとともに、対策を検討している。
同社八王子支社によると、現場はJR中央線の線路脇で、4日から耐震補強のため盛り土に長さ7mの穴を開け、薬剤などを混ぜたセメントを注入していた。
しかし、25日午後2時50分ごろ、工事関係者が川に濁りを発見。
土の中にあった隙間にセメント材約40ℓが漏れ出し、近くのトンネルから川に流れ込んだとみられる。
600m下流で,ハヤやアユなど約100匹の死骸が見つかった。
セメントは強いアルカリ性で、皮膚に触れると炎症を起こすが、下流では希釈され、健康被害の報告はないという。
同社は、「下に川が流れていることを調べていなかった。今後は下調べを徹底し再発防止を図る」と説明している。
工事は、来年1月5~6日に再開予定だという。
出典URL
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014122600708
http://www.asahi.com/articles/ASGDV5QJKGDVUTIL03L.html
2014年12月24日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
庭木の手入れや掃除の際に、脚立やはしごから落ちる事故が相次いでいると、消費者庁が発表した。
軽いけがではすまなかった事例が6割以上を占め、死亡例もある。
「年末は大掃除などで使う人も多い。気をつけてほしい」と話している。
発表によると、脚立やはしごからの転落事故の情報は、2009年9月以降、437件寄せられた。
けがの程度が分かる情報(274件)のうち、1カ月以上の「重症」が28%、そこまでいかなくても入院・治療が必要な「中等症」が33%に上り、死亡事故も3%(8件)あった。
年齢別では、50代以上が7割強を占める。
また、転落原因が分かる情報(239件)のうち、製品破損は5%にとどまり、多くは、使用上の注意を守らなかったり、使用者の動作に問題があったりした事例だった。
同庁が今年11月、約1000人にアンケートしたところ、「脚立の天板をまたがない」、「はしごの上から3段目以上には上らない」、という使用上の注意を知らなかった人は、ともに4割を超えたという。
同庁は、「使用上の注意を守る」、「自らの身体能力を過信しない」の2点を、特に呼びかけている。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/DA3S11522329.html?ref=nmail_20141224mo&ref=pcviewpage
(ブログ者コメント)
以下は、消費者庁からのニュースリリース(全16ページ)
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/141222kouhyou_1.pdf
2014年12月26日23時45分に時事ドットコムから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟県小千谷市は26日、市立南小、中学校の地下にある貯蔵タンクの配管から灯油約1000ℓが漏れていたと発表した。
これまでに河川への流出や、児童、生徒、周辺住民への健康被害は確認されていない。
市は、地下水を飲まないよう周辺住民に呼び掛けている。
市によると、15日に約5500ℓあったタンクの灯油残量が、24日には約500ℓに減っていた。
学校関係者から連絡を受けて市が調査したところ、配管の接続部が1カ所ずれているのが見つかった。
配管付近には130~140cmの積雪が確認されており、雪の重みで損傷した可能性があるという。
出典URL
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014122600802&g=soc
(ブログ者コメント)
9日間(平日は6日間)で5000ℓの減少。そのうち1000ℓが漏れていたということは、通常であれば4000ℓの使用。
このことから考えるに、使用量が通常より2~3割多いことに気が付いた、ということかもしれない。
どのような管理をしていたかは不明だが、定期的に使用量を算出して傾向管理していた、あるいはタンクレベルの推移をグラフ化していた、といったことが考えられる。
(2015年1月5日 修正1 ;全文変更)
より詳細な報道があったため、全文を変更しました。
2014年12月23日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
電源プラグにほこりがたまることで発火する「トラッキング現象」による火災を防ぐため、経済産業省はすべての家電製品のプラグに耐火性試験を義務づける。
来年1月に電気用品安全法の技術基準を強化する通達を出し、周知期間を経て、2016年3月17日から実施する。
トラッキング現象は、プラグをコンセントに長期間差し込んだままにすることで、接触部分にほこりがたまって水分や油分が加わると、通電して発火する。
東京消防庁によると、この現象による火災は昨年、都内で86件起きている。
これまで、水に触れやすい冷蔵庫のプラグについては耐火性試験などのトラッキング対策が課せられていたが、経産省はすべての家電製品に対象を広げる方針だ。
メーカー側は、プラグに燃えにくいプラスチックなどを使う必要が出てくる。
部品として単体で販売するプラグについては、15年9月17日からトラッキング対策が義務化される。
経産省の担当者は、「従来の製品でも、定期的にコンセント周辺を掃除すればトラッキングは防げる。年末の大掃除の際にきれいにして欲しい」と呼びかけている。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/DA3S11520764.html?ref=nmail_20141223mo&ref=pcviewpage
2014年12月23日20時30分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午前9時半ごろ、三島市川原ケ谷の、のり面に石を積んで補強する工事をしていた現場で、作業中のショベルカーが3m下に転落。
この事故で、のり面の下で作業をしていたEさん(49)とショベルカーを運転していた30歳の男性が、ショベルカーの下敷きになった。
このうち、Eさんは病院に運ばれたが死亡が確認され、もう1人の男性も手や足の骨を折る大けがをした。
警察によると、現場は長さ50m、高さ3mほどののり面で、23日は午前8時から、Eさんら3人が、斜面の上からショベルカーに積んだ石を降ろして作業を行っていたという。
警察は、作業員から話を聞くなどして、事故の詳しい原因を調べている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3034212481.html?t=1419375047494
12月23日付で静岡朝日放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
山の斜面に敷き詰めるブロック塀を運んでいたショベルカーが崖から転落した。
崖の下にいた会社員の男性(49)が下敷きになり、ドクターヘリで病院に搬送されたが、頭を強く打っていて間もなく死亡した。運転手の男性(30)も、腕を折るなど重傷を負った。
警察によると、ショベルカーの重さは12トンあり、運転手に当時の状況を詳しく聴くなどして、事故の原因を調べている。
現場は急傾斜地で、土砂崩れ防止のために、先月上旬からブロック塀を敷き詰める工事をしていたという。
出典URL
http://www.satv.co.jp/0100news/
2014年12月22日2時0分に日本経済新聞電子版から、『化学物質から従業員守れ 専門家「国がより強く指導を」』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
印刷会社の元従業員が胆管がんを発症した問題などを受け、国は、工場などで扱われる化学物質への規制を強化している。
危険性が指摘される物質については、従業員に健康被害が生じないかの調査が、企業に義務付けられる。
ただ、新たな規制に対応する企業側の動きは鈍く、専門家は、「企業が対策を取るよう国はより強く指導すべきだ」と指摘している。
「職場の安全のためには化学物質の特徴を理解することが不可欠」。
11月中旬、中災防が大阪市内で開いたセミナーで講師が危険な化学物質の表示方法などを解説すると、受講した企業の担当者約30人はメモを走らせた。
6月に成立した改正労安法により、危険性が指摘されている640種類の化学物質を工場などで扱う際、健康被害が起きないかの調査が企業に義務付けられることになった。
実際の対策は「努力義務」にとどまるが、講師は、「規制対象外の物質を含めて、対策をせずに労災が発生した場合、刑事・民事上の責任を問われる」と警告した。
法改正のきっかけは、大阪市の印刷会社「S社」の元・現従業員らが2012年3月以降、胆管がんの発症について労災申請したことだった。
同社は、換気が不十分な状態で印刷機のインクを落とす作業などをさせており、厚労省の有識者会議は、「洗浄剤に含む化学物質が原因だった可能性が極めて高い」と判断した。
産業医などの選任を怠り、従業員の健康被害を防ぐ対策を検討する衛生委員会を開いていなかったとして、大阪区検は10月、同社と社長を同法違反の罪で略式起訴した。
元従業員で労災認定された男性(33)は、「経営者は従業員の命を預かっている自覚を持ち、リスク管理をしてほしい」と憤る。
大阪以外でも、北海道、東京、愛知、福岡など10都道府県で印刷業に従事していた人が胆管がんを発症していたことが判明。今月までに計35人が労災認定されている。
だが、化学物質のリスクについて企業の関心が高まっているとはいえず、東大阪市が今月に企画した講習会は希望者が集まらず、中止となってしまった。
市担当者は、「売り上げに直結しないから安全管理は二の次なのだろうか」と首を振る。
化学物質の安全管理に詳しい中地重晴・熊本学園大学教授(環境化学)は、「企業が適切な調査を実施し、管理体制を敷いているか、労基署などが現場でチェックしないと、取り組みが看板倒れになる」と強調。「個別規制の強化も含め国の努力も欠かせない」と指摘している。
出典URL
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21H33_R21C14A2CC1000/


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。