2017年11月7日付で東京新聞夕刊から下記趣旨の記事が、トラブル件数推移の棒グラフ付きでネット配信されていた。
航空整備士が原因となる安全上のトラブル件数が3年連続で過去最高を更新していたことが、国交省の統計で分かった。
9月に航空機の部品落下が相次ぎ、国交省は機体整備の強化などを航空会社に促す検討を始めたが、専門家は「トラブル増加の背景には、整備士を取り巻く環境の悪化がある。落下物防止対策には整備士の待遇改善が必要」と指摘している。
国交省が航空事故、事故には至らない重大インシデント、安全上のトラブルをまとめた統計によると、トラブル件数の合計は2008年度以降、850~991件と、ほぼ横ばいで推移している。
内訳を原因別でみると、整備士が原因の件数が近年急増し、11年度の17件から16年度は119件と7倍に。
14年度から16年度まで、3年連続で過去最高を更新した。
一方、国交省によると、09年4月~17年3月に国内の航空会社から報告を受けた部品脱落の件数は451件。
ライトやパネル、アンテナなどが飛行中に外れたとみられる。
整備士は飛行前後に機体の一部分を点検したり、数カ月に1度、機体全体を整備したりして安全運航を支えており、整備・点検を確実に実施すれば、脱落を防げる場合が多いという。
20年に羽田空港の東京都心上空の飛行ルート導入を控える中、国交省は6日、航空機メーカーや学識者らでつくる落下物防止に関する対策会議の初会合を開催。
機体からの落下物を未然に防ぐため、航空会社に整備強化を促す基準づくりを来年3月までにまとめる。
ただ、元日本航空機長で航空評論家の杉江弘さん(71)によると、整備士が整備・点検に集中できる環境が危機にさらされているという。
杉江さんは、「格安航空会社(LCC)の拡大で世界の航空機は増えたが、整備士の人数は間に合っていない。航空料金を下げるため、整備士の処遇にもしわ寄せが及んでいる」と指摘。
「落下物防止のための整備強化には、整備士の待遇改善が欠かせない」と説明した。
<最近国内で発生した航空機の落下物>
9月7、8日の2回にわたり、成田空港を発着した全日空の同じ旅客機から、脱出用シューターを収納する部分のパネルが相次いで落下した。
同月23日には、関西空港を離陸したKLMオランダ航空機からパネルが脱落し、走行中の乗用車に衝突した。
<羽田空港の東京都心ルート>
羽田空港の国際線発着枠を約4万回増やすため、国交省が2020年の東京五輪・パラリンピック開催までに導入を予定。
南風時の午後3~7時に、着陸機が中野区、新宿区、渋谷区、港区、品川区などの上空を通る。
出典
『相次ぐ部品落下 航空整備士起因のトラブル3年連続増』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017110702000252.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。