2016年5月18日7時10分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近畿地方整備局福井河川国道事務所は、17日、建設中の中部縦貫自動車道大野油坂道路の福井県大野市蕨生(わらびょう)、下唯野にある橋台6基などの位置が、設計と比べて最大15cmずれている可能性があると発表した。
業者が工事前に測量する際、2011年の東日本大震災による地盤の移動を反映しなかったためとみられる。
同事務所によると、上部部分の橋桁などと接続できない恐れがあるという。
現場は、大野東インターチェンジ(IC)=仮称=の建設予定地付近。
高さ12~15.5m(地中の基礎部分含む)の6基の橋台は完成している。
本線62m、本線に合流する73mと57mの道路を支える役割だが、上部の橋桁や道路はまだできていない。
同事務所によると、工事を請け負ったのはI社(本社福井市)。
建設する際には、国土地理院が定める基準点の座標値を基に設計、測量する必要があるが、大震災によって福井県の地盤も移動したため、基準点の座標は14年に補正されている。
同社は、補正前のデータに基づき測量したとみられる。
このため、橋台の完成図と補正後の基準点に沿った設計図を比べると、最大で北に15cm、西に4cmずれていたという。
大野油坂道路の別の施工業者から指摘を受けた同社がずれを確認し、同事務所に報告した。
ほかにずれた可能性があるのは、中部縦貫道の下を交差して通り抜ける道路2カ所と、土砂崩れを防ぐ構造物1カ所。
いずれも、同社が請け負った。
同社が担当した工事は15年に着工、今年3月までに完了した。
同事務所は、「補正後のデータを渡しており、これに基づき工事するよう指示している」とした上で、「今後の現地調査で原因を究明し、是正工事が必要なら契約に沿って適切に対処する」としている。
同社の担当者は取材に対し、「事実関係を調査している」と話している。
近畿地方整備局管内(2府5県)で、大震災による基準点の補正は福井県のみといい、管轄する道路工事で設計と施工のずれが明らかになったのは初めて。
出典
『中部縦貫道の橋台が設計とずれ 最大15センチ、橋桁と接続不能か』
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/95651.html
5月18日付で中日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
近くで施工する他社からの指摘を受け、I社が9日に国交省福井河川国道事務所へ報告した。
同事務所によると、道路や橋などの建設を巡っては、国が震災後、地盤の変動を反映した測量データを使うよう取り決めている。
測量データは、同事務所から施工業者に、補正前と後の両方が渡されていた。
設計と施工にずれが生じた原因や経緯は調査中という。
同事務所は、今後、現地測量などを実施し、道路建設への影響を見極める。
是正工事などが必要な場合は、契約に基づき、費用負担者を決める。
大野-油坂間の完成時期は未定で、工事全体への影響は不明。
同事務所の担当者は、「今までに聞いたことがない事例で重い。きちんとした対応が必要」と話している。
出典
『設計、施工ずれた可能性 中部縦貫道』
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2016051802000222.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。