2016年5月23日19時44分にNHK関西NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月の熊本地震では多くの住宅が被害を受けたが、特に関係者に衝撃を与えたのが、阪神・淡路大震災をきっかけに見直された新しい耐震基準の建物が倒壊したり大きく壊れたことだった。
いったいなぜなのか?
京都大学の研究者の現地調査に密着した。
(ブログ者注記)
NEWS WEB上の文字情報は上記のみ。
以下は、ブログ者が趣旨をテープ起こしした内容。
益城町の矢野さんは、平成22年に建てた住宅に住んでいた。
この住宅は、最初の震度7の揺れには耐えたが、2回目の激しい揺れで倒壊した。
(矢野さんの話し)
『まわりの古い家はいっぱい立っていて、一番大丈夫だろうと思っていた、この家がこういう状態になって、ショックを受けた』
平成12年に見直された耐震基準の住宅が、これまでの調査で、益城町では少なくとも8棟が、倒壊や大規模に壊れていたことが分かった。
(木造住宅の耐震性に詳しい京大五十田教授の話し)
『新耐震基準で壊れるのはマズイ。原因を究明しないといけないと思う。』
新耐震基準では、
○耐震性が高い壁を外側にバランスよく配置
○柱と梁の接合部などを金具で止める
などして、倒壊を防ぐとしている。
なぜ、新耐震基準の住宅が大きく壊れたのか?
こちらは平成19年築の平屋木造住宅。
2回目の地震で大きく傾いた。
同じ方向の筋交いばかりに見える。左上方向への筋交いが7本あって、逆向きのは1本だけ。
バランスのよい配置がみられない。設計上の配慮不足ではないか?
次に、1階部分が倒壊した矢野さんの自宅。
五十田教授は、1階と2階のバランスに注目した。特に注目するのは、玄関側の壁の配置。
2階の玄関側の壁は、横一線上に配置されているが、1階の、2階の壁の真下には、壁はほんの一部分にしかない。
五十田教授は、2階の重みを1階で直接支える壁が少なくなっている、と指摘する。
このため、横揺れで2階にかかった重みを、1階で支えきれなかった可能性があるという。
五十田教授は、上下の壁の位置についての規定は今の耐震基準にはないが、地震に、より強くするためには、重要な項目だと言う。
出典
『“新耐震基準でも倒壊”なぜ』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160523/5523391.html
(ブログ者コメント)
○放映時間は8分44秒。現状の耐震基準の問題点などが、CGを使うなどして解説されている。
元記事は5月29日(日)まで参照できるので、本情報だけは早目に紹介した。
○この報道に接し、我が家の新築時の写真をすぐにチェックした。
結果、筋交いが写っている写真は少なく、方向性については確認できなかった。
全部屋、内側から写真をとっておけばよかったと思っても、それは後の祭り。
一方、我が家は、今回報道された家とは逆に、2階部分がはみ出す形になっているが、倒壊した住宅と同様、2階の壁の下、1階に壁がない部分があった。
しかし、報道された家では、1階に壁がない部分が全体の8割程度に見えたが、我が家の場合は6割程度の模様。
この差が分かれ道・・・と思いたい。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。