2016年5月19日付で毎日新聞大阪版夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午前9時55分ごろ、大阪府箕面市の新名神高速道路の工事現場で、橋桁を支えている仮受け台が崩れ、現場の下を通る箕面有料道路をふさいだ。
警察などによると、巻き込まれた車両はなく、けが人はいないという。
新名神高速道路の建設工事を巡っては、神戸市北区で4月22日、橋桁が落下して作業員10人が死傷する事故があったばかり。
工事を発注する西日本高速道路は、「2度も橋りょう事故を発生させ、大変申し訳ない」と釈明しているが、管理のあり方が問われる事態となっている。
今回の現場で工事を担当していたのは、橋りょう施工会社「IHIインフラシステム」(堺市)。
箕面有料道路の10mほど上に橋を架ける作業をしていたが、橋桁を支える仮受け台が崩れた。
I社によると、18日夜まで、仮受け台に橋桁を乗せ、連結する作業をしていた。
19日午前8時ごろから、仮受け台を解体する作業を始めていた。
仮受け台は「ベント」と呼ばれ、1基2m前後のものを積み上げる形で、橋桁を支えていた。
西日本高速道路によると、橋桁そのものは崩れていないとしている。
出典
『崩落 新名神工事でまた 橋桁の仮受け台 けが人なし 大阪・箕面』
http://mainichi.jp/articles/20160519/ddf/041/040/010000c
5月19日17時51分と20日17時38分にNHK関西NEWS WEBから、5月20日0時17分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
仮設の鋼鉄製支柱(高さ13m、幅7m、重さが21トン)を建てて、片側から橋桁を伸ばして設置する工事を行っていたところ、支柱が突然倒れた。
西日本高速道路会社関西支社は、19日午後、記者会見を開き、事故の状況を説明したうえで、片側から伸ばした橋桁が次の橋脚に到達する前に支えを失ったため、落下するおそれがあると説明した。
同支社によると、今回の工事は、橋桁をいったん仮設の支柱に置き、別の橋桁と横につなげて橋脚の間を渡し終えた後、支柱を撤去する手順だった。
倒れた支柱には19日未明に橋桁が仮置きされたが、朝から工事作業はしていなかった。
倒れた支柱は、地面と接する部分を固定していない。
工事を担うIHIインフラシステムは、「支柱は重く、簡単に倒れる構造ではない」とする。
橋桁は片側の橋脚に届いておらず、不安定なため、事故後に新たな支柱を造り、20日正午すぎに箕面有料道路の通行止めは解除された。
出典
『仮支柱倒れ 橋桁落下のおそれ』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160519/5442782.html
『西日本高速支社、全建設工事を中止 新名神工事で柱倒壊』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160519/5442782.html
『箕面有料道路の通行止め解除』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160520/5480771.html
5月19日17時28分にNHK関西NEWS WEBからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受けて、西日本高速道路会社は19日午後の記者会見で、新名神高速道路以外の高速道路を含む管内の全ての工事をいったん中止し、社員が現場に出向いて緊急の安全点検を行う考えを示した。
さらに、新名神高速道路の橋梁関連の工事に関しては、建設会社の安全責任者を招集して点検を行い、作業の手順などに問題がないか、再度、確認を行うという。
西日本道路会社では、先月22日の事故を受けて新名神高速道路の全ての工事を中断し、工事が施工計画書どおりに進められているか、安全点検を行っていた。
今回の事故が起きた箕面市の現場でも先月23日に点検が行われ、問題はなかったとして、今月6日に工事が再開されていた。
出典
『管内全工事中止し緊急点検へ』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160519/5442783.html
5月25日21時09分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本高速道路は25日、橋桁と仮受け台の間を調整する部材の設置方法に問題があった可能性が強いことを明らかにした。
同社の石塚社長は同日の定例記者会見で、施工計画の不備の可能性を指摘した。
西日本高速は、4月の神戸市北区の新名神建設工事での橋桁落下事故を受けて、全工事を止めて安全点検をしていた。
石塚社長は、「点検に不備があった」と述べた。
調整部材は、仮受け台の重心からずれた位置に置かれていた。
施工計画通りだったが、気温変化による橋桁の伸縮など、設計段階の計算に問題があった可能性があるという。
出典
『橋桁仮受け台倒壊、施工計画不備の可能性』
http://mainichi.jp/articles/20160526/k00/00m/040/093000c
(ブログ者コメント)
NHKの映像によれば、ベントと呼ばれる仮受け台(NHKによれば「仮設の鋼鉄製支柱」)とは、重量鉄骨のようなもので作られた、1辺が2~3m程度の立方体あるいは直方体状のもの。
それを積み重ねることで、仮設の支柱としている模様。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。