2016年5月17日付で毎日新聞西部版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州電力と西部ガスは、熊本地震で生活インフラ早期復旧に向けて奮闘した。
九電は4月16日にあった本震から5日目、西部ガスは15日目で、それぞれほぼ復旧を果たした。
同業他社からの応援や過去の災害に学んだ対策が功を奏したケースがあった一方で、新たに見えてきた課題もある。
「180台ぐらい発電機車が必要だと考えたが、うちは50数台しか持っていない。確保するのは今までにないハードルだった」。
九電の瓜生社長は振り返る。
熊本県南阿蘇村で土砂崩れなどにより鉄塔15基で倒壊が懸念される状態になり、熊本県阿蘇市、南阿蘇村、高森町に電力を供給する6万6000ボルトの送電線が使えなくなった。
全国の電力会社から発電機車110台の派遣を受けた。
1995年の阪神大震災後に結ばれた協定に基づくものだが、「自分の管内で何かあれば大変なことになるのに、ぎりぎりいっぱいまでご協力をいただいた」(瓜生社長)。
これにより、停電を解消した。
九電は、4月27日までに仮鉄柱などの建設を終え、他社の発電機車を戻した。
ただ、より強度の高い本鉄塔の建設は、来年以降になる見通しだ。
瓜生社長は、「あのエリアに送電線が1本しかなかった。(長期的な視野で)宮崎、大分側からもう1本送電線がある必要性を感じた」と語る。
送電線がもう1本あったとしても停電解消の時期が早まったわけではないが、本鉄塔での供給ができるため、台風など再び自然災害が起きても、安定して電力供給できるという。
一方、西部ガスは、耐震性の高いガス管が敷設されていたので、地震による損傷箇所が少なく抑えられた。
従来のガス管は亜鉛でメッキされた鋼で、耐震性の高いガス管はポリエチレンとなっており、伸縮性が10倍以上ある。
阪神大震災でポリエチレン管が揺れに強いことが実証され、95年度末は約70%だったが、2014年度末には87%に達した。
同社幹部は、「損傷していた多くが古いタイプのガス管だった」と話す。
被災した全ガス供給地域で復旧できる状態になるのは5月8日を予定していたが、損傷が想定より少なかったために、4月30日に前倒しできた。
とはいえ、初期対応で課題も残った。
ガスの供給再開時、顧客の立ち会いが不可欠だ。
不在の場合は連絡してもらうようにフリーダイヤルを記載した票を置いたが、回線がいっぱいでつながりづらかった。
ホームページで再訪問予約を受け付ける対応を28日から始めたが、全地区で供給再開できる状態となった30日時点でも、約1万6000戸は不在で再開できなかった。
同社は、「地震からどう教訓を得られるか、今後検討したい」としている。
出典
『熊本地震 九電・西部ガス奮闘 「過去」生かし早期復旧』
http://mainichi.jp/articles/20160517/ddp/008/040/015000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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