2018年11月8日13時37分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし11月、地下鉄七隈線の延伸工事が行われていた博多駅前の道路が大規模に陥没した事故では、けが人はいなかったものの、停電や断水が続くなど、都市の中枢が大きな影響を受けた。
陥没の穴は1週間で埋め戻されたが、地下鉄のトンネル内は事故で流れ込んだ地下水などで満たされたままとなっていて、そのまま水を抜くと再び陥没が起こりかねない不安定な状態が続いている。
このため、地盤を固める作業が進められているが、年内いっぱいかかる見込みで、トンネル内の水を抜くのは年明けになる見通しだ。
また、水を抜く作業は70日ほどかけて慎重に進めることにしていて、トンネルの掘削工事が再開できるのは来年夏ごろになる見通し。
このため、地下鉄七隈線が天神南駅から博多駅まで開通するのは、当初の2020年度より遅れ、2022年度になる見通しだ。
出典
『博多駅前大規模陥没事故から2年』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20181108/0002782.html
11月8日10時15分に西日本新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡市のJR博多駅前で2016年11月に発生した大規模な道路陥没事故から、8日で2年。
現場では、原因となった市営地下鉄七隈線延伸工事のトンネルの再掘削に向けて準備作業が進むが、18日投開票の市長選では、3選を目指す現職と新人の無所属2人が、当時の対応を巡り、主張が真っ向から対立している。
6日午後、崩落現場では、上下5車線のうち3車線を規制して設けられたボーリングマシンがドリルを地中に打ち込み、地盤改良の効果を確かめていた。
3人の作業員が様子を見守るが、通行人の大半は気にも留めない。
事故は、地盤が想定以上にもろいことなどが要因とされ、市などは、地中に固化剤を注入するなどして一帯の地盤を強化。
効果を確認し次第、年明けからトンネル内の水抜き作業などに入り、来夏にも再掘削を始める予定で、市交通局建設課は、「今のところ作業は順調」としている。
七隈線は、天神南駅から博多駅まで1.4km延伸する計画。
事故の影響により、延伸開業は20年度から22年度にずれ込み、事業費は49億円追加されるなどして587億円に膨らむ見通しで、今回の市長選では争点の一つ。
「想像もできなかったピンチだった」。
現職の高島氏(44)は告示日の4日、第一声で事故を振り返った。
発生から1週間で陥没を埋め戻した実績を踏まえ、高島氏は「『オール福岡』で危機を乗り越えた。大きな困難も、みんなで力を合わせて乗り越えていく」と強調した。
一方、新人の神谷氏(48)=共産推薦=は10月の出馬表明会見で、「早く直してヒーローみたいになっている。魔法にかけられたんじゃないか」と主張。
公約の一つに「市として組織体質・文化の点で問題がなかったか、検証する第三者委員会をつくる」ことを掲げている。
博多駅から空港線で天神駅へ向かい、七隈線の天神南駅に乗り換え通学している福岡大工学部1年の男子学生(18)は、当初計画なら4年の時、延伸区間を利用できるはずだった。
「便利になると喜んでいたのに。あんな恐ろしい事故が二度と起きないよう、安全を徹底してほしい」と求めた。
【JR博多駅前の道路陥没事故】
2016年11月8日早朝、福岡市のJR博多駅前で道路が幅27m、長さ30m、深さ15mにわたり陥没。
死傷者はなかった。
現場は、市が発注し大成建設などの共同企業体(JV)が受注した、市営地下鉄七隈線延伸工事区間。
国の第三者委員会は昨年3月、地下水対策の不十分さや地盤が想定以上にもろかったことなどを事故要因とする報告書をまとめた。
出典
『博多陥没2年、トンネル掘削へ準備進む 福岡市長選、当時の対応も争点 [福岡県]』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_toshiken/article/463889/
(ブログ者コメント)
陥没事故については本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。