2017年5月10日17時2分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力は10日、長野、岐阜、三重各県で2月、約11万戸が停電したのは、新潟県妙高市の鉄塔間で超高圧の電線同士が接近しショートしたのが原因と発表した。
電線に氷が付着して風に吹かれたためと推定している。
「ご迷惑をお掛けし、おわびする」と陳謝した。
中部電によると、ショートしたのは上越火力発電所(新潟県上越市)と長野市の変電所を結ぶ27万5000ボルトの送電線。
付着した氷が飛行機の翼のような役目をして風で電線が激しく動く「ギャロッピング現象」が起きたとみられ、焦げた跡があった。
出典
『超高圧線同士の接近が原因 中部電、2月に11万戸停電』
https://this.kiji.is/234948768938345975?c=39546741839462401
中部電力HPにも、5月10日付で下記趣旨の記事がプレスリリースされていた。
当日の気象状況や電線揺動の解析結果から、今回の停電は、新潟県妙高市内の上越火力線No.72鉄塔~No.73鉄塔間の1号線および2号線が、「ギャロッピング現象(注1)」により接近し、短絡したことによるものと推定しました。
なお、当社27万5千V送電線においては、これまで本事象のようなギャロッピング現象による1号線および2号線の短絡故障実績はありません。
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停電が発生した2月21日は、一時的に強い冬型の気圧配置となり、吹雪となっていました。
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電線損傷が発見された径間について、故障発生時の気象条件に基づき、着氷した電線の揺動(揺れ動く様)を解析した結果、特定の電線着氷状態、風速において、1号線および2号線の電線損傷位置が、電線間で短絡故障が発生する距離まで近づく場合があることを確認しました。
上越火力線の5径間(電線損傷が発見された径間および「気象条件」「線路条件」から同事象が発生する可能性のある径間)について、ギャロッピング対策を講じることとしました。
再発防止対策は、片側電線把持部が回転可能な構造を有することで揚力特性が変化しギャロッピング現象を抑制するルーズスペーサを設置することとし、2017年11月末までに完了します。
出典
『上越火力線停止に伴い発生した停電の原因と再発防止策について』
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3264203_21432.html
(ブログ者コメント)
ギャロッピング現象による停電は、過去にも起きている。
2015年3月10日掲載
2015年3月2日 長野県塩尻市付近で中部電力の送電線が2系統ほぼ同時にギャロッピング現象でショートし、県内の半分が停電、新幹線は止まり交差点では事故5件 (修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4680/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。