2015年3月2日12時41分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月2日16時29分と18時20分にNHK長野からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前5時半過ぎ、長野県北東中部の29市町村で、約38万世帯が停電した。
午前10時6分に県内すべての世帯で復旧したが、長野新幹線は長野~軽井沢駅間で始発から約3時間半にわたって運転できず、在来線も、飯山線が豊野~十日町駅(新潟県)間で午前11時頃まで運休した。
小中高校12校が休校となり、外来診療を一時休止した病院もあった。
県内にある信号機の7割近くが一時消えた。警察は、車の通行量の多い交差点などを中心に、146か所で警察官が出て手信号による交通整理を行ったということだが、交通整理が行われなかった交差点で事故5件相次ぎ、2人が軽いけがをした。
中部電力の説明によると、塩尻市の変電所から3kmから4kmほどの範囲で2系統の送電線がほぼ同時にショートして、およそ6万世帯で停電したという。
こうした場合には、安全のため、発電量と電力使用量のバランスを保つ仕組みになっていて、午前6時前、新潟県にある上越火力発電所からの送電がストップしたため、停電は長野市や松本市、上田市など広範囲に及び、県内全世帯の約半分が停電した。
中部電力は、「2つの系統の送電線がほぼ同時にショートするのは異例のことだ」として、原因を詳しく調べている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150302-OYT1T50015.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1015854392.html?t=1425330643974
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1015854383.html?t=1425330556250
3月5日13時6分に読売新聞からは、原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力は4日、送電線の揺れを抑える装置が未設置だったことを明らかにした。
設置は電力各社の判断に委ねられているといい、「周辺の気象条件などから必要ないと判断した」としている。
中電は停電後、ショートがあった「信濃東信線」(上田市―塩尻市)の電線上に積雪を確認。雪の重みにより、電線が上下に揺れた可能性があるという。
中電を含む電力各社は豪雪地で、雪が付着して線が揺れやすい場所に、線同士の間隔を保つための道具を取り付けている。
しかし、電線に雪の付着を防ぐ装置も含め、信濃東信線では導入されていなかった。
中電によると、装置を付けると電線の重みが増すため、雪が多い地域かどうかを検討。最終的に、信濃東信線では、縦一列に3本並んだ線をそれぞれ7m前後離す対策のみとした。
中電は4日も上空から電線を撮影し、動画を分析。長野支店広報は「原因究明を優先し、再発防止策を検討したい」としている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150304-OYT1T50195.html
3月6日付で読売新聞長野版からも、原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力は5日に記者会見し、ショートが起きた2系統の送電線のうち、1系統で送電線が波打つ「ギャロッピング現象」が起きたことを明らかにした。
ギャロッピングは、雪や氷が付着し、強風を受けることで大きな揚力が生まれて電線が激しく振動する現象。送電線に翼のように着雪するなど、様々な気象条件が重ならなければ発生しない。
中電長野支店管内でも、過去に同現象によるトラブルは確認されていない。
中電の調査によると、ショートが発生した送電線「信濃東信線」では、塩尻市の信濃変電所から約400~830mの間で6か所のショートした跡が確認された。
広範囲でショートが発生するのも同現象の特徴で、送電線が激しく揺れる様子を近隣住民が撮影した映像もあるという。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20150305-OYTNT50347.html
3月9日16時30分にNHK長野からは、もう1系列もギャロッピング現象だった模様という下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力が引き続き原因を調べていたもう1系統についても、その後、塩尻市の変電所から500mほど離れた場所で、ショートして黒く変色した痕が2か所で見つかり、中部電力はギャロッピング現象が停電の原因とみられることを明らかにした。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1013040851.html?t=1425934400812
(2015年4月1日 修正1 ;追記)
2015年3月31日付で中部電力から、ギャロッピング現象が原因だったとする報告書がプレスリリースされていた。
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3256574_21432.html
(2015年10月29日 修正2)
2015年10月28日付で読売新聞長野版から、対策工事が公開されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2015年10月28日付で信濃毎日新聞からも、同趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
中部電力は27日、県内で3月に起きた大規模停電の原因となったギャロッピング現象への対策として、塩尻市内で始まった工事の現場を報道陣に公開した。
工事は、地上約60mで上下に並ぶ3本の送電線の間に、接近や接触を防ぐ「相間スペーサ」と呼ばれるゴムと鉄でできた棒(長さ8~10m)を取り付ける作業。
塩尻市から上田市までの超高圧送電線「信濃東信線」(延長約71km)のうち、地形などの影響でギャロッピング現象が起こりやすいとみられる計7エリアで計60本取り付ける。
また、送電線を回転させて雪が翼状に付着するのを防ぐ「ルーズスペーサ」も計714個付ける。
工事は8月に始め、完了は11月末の予定。
中電によると、県内の超高圧送電線にこうした装置が付けられるのは初めて。
同社長野支店塩尻電力センターの滝沢送電課長は、「これでショートを防ぎ、安定した電力供給を目指したい」と話した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20151027-OYTNT50373.html
http://www.shinmai.co.jp/news/20151028/KT151027FTI090019000.php
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。