5日午前7時半ごろ、JR函館線を走行中の旭川発札幌行き特急「スーパーカムイ6号」(5両編成)の乗客から、「車内がこげくさい」と車掌に通報があった。
列車を茶志内駅に臨時停車させて確認したところ、最後尾の1号車床下の車軸から白煙と約10cmくらいの火が出ており、運転士が消火器で消し止めた。乗客62人にけがはなかった。
JR北海道では、3月24日と4月8日にも特急の床下から火が出るトラブルが起きている。
JR北海道によると、今回は車軸を支える「車軸軸受け」の上部にあるゴム製の「防雪カバー」(直径23cm、高さ25cm、厚さ1.5mm)が燃えて垂れ下がっていた。
車軸の回転をよくするために軸の周囲に複数取り付けた「コロ」の潤滑油が漏れ出しており、軸受けが発熱しカバーに熱が伝わり、溶けて燃えたとみられる。カバーは120~150℃で溶けるという。
軸受け部品の走行可能距離は300万kmだが、今回の部品は2012年3月に交換されて走行はまだ38万kmだった。軸受けの過熱によるトラブルは,北海道では例がないという。
このトラブルで特急など62本が運休し、連休のUターンラッシュと重なって約1万3000人に影響した。
難波車両部長は「1カ月もたたないうちに発火を起こして申し訳ない。利用者の信頼を損なう事象で、反省している」と陳謝した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130506k0000m040075000c.html
また、2013年5月10日10時55分に北海道新聞から、原因に関する更に詳細な下記趣旨の記事が、イメージ図付きでネット配信されていた。
JR北海道は9日、ベアリングが大きく破損していたことを明らかにした。ただ、破損に至った原因は不明とした。
JRによると、ベアリングは車軸を支える軸受けの内部に組み込まれており、ベアリングなどが発熱し、上部にある防振ゴムやゴム製防雪カバーの出火につながったとみて、分解調査を進めていた。
その結果、ベアリングのほぼ半分が大破。回転する「コロ」と呼ばれる円柱形の鉄製部品などが原形をとどめないほど変形したり、ばらばらになったりしていた。
このためベアリングがスムーズに回転できなくなり、摩擦で少なくとも200℃以上に発熱したと考えられるという。
ベアリングは300万kmの走行に耐えられるが、出火した車両は昨年3月の定期点検時に交換後、38万kmしか走行しておらず、JRは「部品に異常があったか、交換の方法に問題があったかなども含めて破損原因は不明」と説明。
近く鉄道総合技術研究所(東京)にベアリングを送り、詳しく分析してもらう。
出典URL
(ブログ者コメント)
4月8日に起きたトラブルは、本ブログに掲載済。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。