2016年5月31日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都新宿区の病院の手術室で、今年4月、手術中の患者に掛けられていた布に火がつき、患者が大やけどを負う事故が起きていたことが分かった。
当時、レーザーメスを使用しており、警察は、業務上過失傷害容疑で医師から事情を聴くなど、捜査を進めている。
警察や関係者などによると、4月15日午前10時半ごろ、同病院5階の手術室で、産科・婦人科の医師が30代の女性患者の手術を行っていたところ、女性に掛けていた手術用の布(ドレープ)に火がついた。
医師は生理食塩水で消したが、女性は腕や足などにやけどを負った。
女性は重傷で今も入院中だが、命に別条はないという。
この手術で、医師はレーザーメスを使用していた。
レーザーメスと出火との関係は判明していないが、警察は、医師による誤使用や機器の不具合などを視野に入れて、原因の解明を進めている。
同病院は患者側に謝罪。
東京都や厚労省関東信越厚生局に事故を報告し、第三者による調査委員会を設けて、原因の調査を始めている。
同病院経営企画・広報室は、「調査結果が出た段階で経緯を公表する方向で準備を進める」としている。
レーザーメスは人工の光であるレーザーを利用する医療機器で、熱の作用により止血をしながら切開することができる。
電気メスに比べて切開がスムーズにできるなどの利点があるとされ、皮膚科や外科など、幅広い分野で使われている。
同病院のホームページによると、病床数は1015床。
高度な医療を提供することで診療報酬の優遇が受けられる「特定機能病院」に指定されている。
出典
『手術中出火、患者重傷 レーザーメス使用 東京医科大』
http://mainichi.jp/articles/20160531/ddm/041/040/110000c
(2016年10月30日 修正1 ;追記)
2016年10月29日17時53分に朝日新聞から、腸内ガスで発火した可能性が高いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月29日8時6分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
同病院は、28日、患者の腸内ガスにレーザー照射で火がつき、手術用の布(ドレープ)に燃え移った可能性が高いとする外部の有識者の調査報告書を公表した。
火災は、4月15日、事故当時30代だった女性患者が子宮頸部にレーザーを使った手術を受けているときに発生。
患者が、腰回りや足の広範囲にやけどを負った。
外部調査委員会による検証実験をふまえた報告書によると、手術室内に可燃性物質はなく、手術機器も正常に作動し、異常加熱や漏電など、誤作動は確認されなかったという。
また、手術前の準備などにも問題はみつからなかった。
このため、「手術する空間に腸内ガスが入り込んだ状態でレーザー照射により着火、燃焼が広がって、最終的にドレープへの着火に結びついた」との判断をまとめた。
ただ、腸内ガスを使った厳密な再現実験などができないことから、「可能性の域を脱することができない」とした。
調査委のレーザー装置の製造元への聞き取りでは、国内外で同様の事故の報告はないという。
報告書は、安全対策を講じるとともに、他の医療機関などに周知することを病院に求めた。
同病院の産科・婦人科では、同じ手術を中止している。
担当者は、「今後は報告書を踏まえて対応する。患者には誠意を持ってあたっている」としている。
出典
『手術中にやけど「腸内ガスで着火の可能性」』
http://www.asahi.com/articles/ASJBY45WWJBYULBJ001.html
『レーザー手術やけど 患者腸内ガス着火か』
http://mainichi.jp/articles/20161029/k00/00m/040/161000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。