2018年8月30日16時35分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
約280万人が訪れた青森ねぶた祭(8月2~7日)の期間中、近くのコインパーキングが1時間5000円という「特別高価格」の料金を設定した。
提携するホテルの客を優先する目的だったというが、価格表示に気づかずに高額請求を受ける人が続出し、中には数万円払った人も。
値段のつけかたがひどいのか、確認せずに利用した人の自業自得なのか・・・。
4日夕から5日朝にかけて、この駐車場を利用した男性(25)は、精算機の表示に目を疑った。
7万5000円。
提携する「ホテルJALシティ青森」でランチを頼む代わりに、2時間分を無料にしてもらった。それ
でも6万5千円。
コンビニのATMでおろして、千円札65枚で支払った。
駐車場の看板や発券機、精算機の計12カ所には、
「特別高価格にご注意ください」
「60分5000円」
といった貼り紙があったが、「『空』の表示を見てラッキーと思い、目に入らなかった」。
祭りの実行委員会は、観光客用に臨時駐車場を設けていたが、ねぶたの運行コースからは遠い。
一方、問題の駐車場は青森市の中心部にあり、運行コースにもほど近い。
いつもは日中20分100円だが、祭り期間中に限って、通常の16倍超の料金が設定された。
駐車場の運営会社「P」(東京)は、「最大限表示をしていたので、利用する人はいないと思った」と言うが、実際には5000円以上の駐車料金を払った人は76人に上り、3万円以上支払った人も5人いた。
請求に驚いてホテルに相談に来る人が続出し、JALシティは料金を支払った人に「見舞金」として5000円分の金券を渡すなど、対応に追われた。
事態が報じられると、ネット上では駐車場の運営手法を問題視する意見が出る一方、注意書きを読まなかった利用客を「自業自得」と批判する声が多く上がった。
駐車場法では、500m2以上の駐車場の料金について、
「適正な利潤を含む額をこえないこと」
「駐車させる者の負担能力にかんがみ、その利用を困難にするおそれのない額であること」
と定めている。
だが、問題の駐車場は500m2未満で、対象外だ。
国民生活センターによると、観光地の駐車料金をめぐっては、各地でトラブルが起きている。
担当者は、「駐車場の料金設定は自由で、地域や日にちによっても違ってくる。利用者は思い込みでなく、条件をきちんと見て車を止めて欲しい」。
消費者問題に詳しい小野仁司弁護士(神奈川県弁護士会)は、今回の駐車場は料金を容易に確認できる状況だったとして、「民法上、利用客を救済することはハードルが高い」と言う。
ただ小野弁護士は、「法律家の立場を離れて」と前置きした上で、「この駐車場の利用者は、ねぶたを含め、青森に良いイメージは持たないだろう」とも指摘する。
「行政を含め、祭り中の駐車場問題に取り組んだほうがよいのでは」
今回の問題を「誰にでも起こりうること」と話すのは、心理学者の榎本博明さん。
人間は、一度経験した事柄について「認知能力を省力化する」傾向があるという。
コインパーキングを利用したことがある人は、その経験から利用料金を常識的に判断し、料金表示に気づきにくくなる場合があるのだという。
「駐車場の運営側は、ホテル利用客以外の利用を禁じるか、人を配置して注意を呼びかけるべきで、対応に不備があったと言える」と榎本さんは話す。
出典
『運営に問題か、自業自得か ねぶた祭の超高額パーキング』
https://www.asahi.com/articles/ASL8F5CZ0L8FUBNB00M.html
(ブログ者コメント)
〇5000円以上支払った人が76人いたとのことだが、中には1時間以内で出るからと、5000円を承知で停めた人がいたかもしれない。
また、入場後に気が付いて、すぐに出たが、5000円は支払わざるを得なかった・・・そういう人もいたかもしれない。(大部分の人は、このパターンだったような気がするが)
一方、3万円以上支払った5人は、1時間5000円の表示に気づかないまま駐車し続けたものと思われる。
〇5000円表示に気が付かなかった理由としては、榎本氏の指摘以外、「空車」という思いもよらない良い情報に出会ったため、それ以外の情報は見えていても認識しなかった・・・そんな心理状態だったことも、支払者の証言から浮かび上がってくる。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。