2022年5月7日1時26分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県の工科高校の実習授業で6日、生徒が刃物でケガをし、一時、心停止となる事故がありました。
愛知県によりますと、6日午前11時前、県立の工科高校で木材加工の実習中、2年生の男子生徒が「のみ」の調整をしていたところ、誤って刃先が左足に当たり、大動脈を傷つけました。
男子生徒は救急車で搬送され、病院で出血多量のため一時心停止となったということですが、その後、回復し、命に別条はないということです。
また、事故をみたほかの生徒が体調不良を訴えたということです。
事故をうけ、県は、すべての県立学校に実習授業の安全確保を指示することにしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a70380dd296958fddddb9ec6fb25b4356bf7242
5月6日22時57分にYAHOOニュース(名古屋テレビ)からは、左足の付け根付近に当たったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県によりますと、事故があったのは三河地区にある県立の工科高校です。
6日午前11時ごろ、2年生の男子生徒が木材を加工する実習の授業の準備中に刃物を調整していたところ、誤って刃物が左足の付け根付近に当たりました。
大動脈から出血し、男子生徒は病院へ搬送後、出血多量のため一時、心肺停止の状態になったということです。
その後、病院で手術を受け、一命をとりとめたということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d608245ac930a243e9e0a3953dfbb21fdb81bae7
5月7日6時0分にYAHOOニュース(東海テレビ)からは、自分に刃先を向けて調整していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故当時、男子生徒は自分に刃先を向けて、のみの調整作業をしていたということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/318ece163a2bc570bfd498ef38552304cfcdefbf
2022年5月16日19時11分に産経新聞からは、生徒は死亡した、事故が起きた時は「かつら直し」をしていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
愛知県教育委員会は16日、県東部の県立工科高校で6日の実習授業中に誤ってのみの刃が左脚の付け根に当たり重傷を負った2年の男子生徒が、12日に死亡したと明らかにした。
16日に記者会見した県教委によると、6日午前10時50分ごろ、高校の実習室で、のみの柄に付いている金具を調整するため、のみの端を金づちでたたいたりする「かつら直し」をしている際に事故が起きた。
現場には教員2人と生徒9人がおり、生徒は作業服を着ていた。
発生時の具体的な作業や原因は特定できていない。
生徒は動脈を傷つけ出血多量で一時心停止になり、病院で緊急手術を受けたが、容体が悪化したという。
県教委は安全管理を徹底するよう県立学校に通知した。
https://www.sankei.com/article/20220516-S3MM3RV5FFIG7NQ5NR4ZTRWNJQ/
5月16日23時26分に毎日新聞からは、新品のノミに金具を嵌め込んでいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男子生徒は6日、新品のノミに金づちで金具をはめこむ作業中、刃先が左脚の付け根付近に当たった。
傷は外腸骨動脈に達し、出血多量で心停止状態となり緊急手術を受けたが、その後容体が悪化したという。
事故当時、生徒9人が作業をしていて、近くに教員2人がいた。
事故原因は特定できていないという。
県教委は再発防止に向けた委員会を設置し、実習中の事故防止策を検討する。
https://mainichi.jp/articles/20220516/k00/00m/040/208000c
5月16日21時10分にNHK東海からは、事前に教員が実演し、刃先の方向など安全面を指導していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
実習は生徒9人と教員2人で行っていて、事前に教員が作業を実演しながら「のみ」をしっかり固定して刃を打ち込み、刃先の方向に注意するよう指導していたということです。
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220516/3000022536.html
(ブログ者コメント)
ネットで調べたところ、「かつら直し」について多くの情報がヒットした。
「かつら」とは、ノミの柄の先端に嵌め込まれているリング状の金具で、新品のノミを購入した場合、職人は自分でカツラを柄に嵌め込み直すらしい。
以下は「家具職人入門」という個人ブログに書かれていた「かつら直し」の方法。
・ノミを柔らかい木材に打ち込んだ後、クランプでテーブルに?固定する。
・その後、「かつら」に当て木を当て、その当て木を玄能で叩いて「かつら」を柄に嵌め込んでいく。
https://kagusi.com/archives/3764073.html
そのやり方、ならびにNHK東海の記事から推測すると、テーブルへの固定が不十分だったため、当て木を叩いた際にノミが外れ、太腿に向けて飛んできた・・・ということかもしれない。
(2022年5月26日 修正2 ;追記)
2022年5月25日16時21分にYAHOOニュース(東海テレビ)からは、県教委は臨時の校長会を開き、保護具の着用徹底などを指示したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故を受け、県の教育委員会は25日に臨時の校長会を開き、再発防止策として、保護具の着用を徹底することや実習中の注意点を事前に確認することなどを指示しました。
その上で、学校内の危機管理マニュアルの見直しや危機管理に関する職員研修を実施するよう求めました。
県の教育委員会は今後、再発防止に向けた委員会を立ち上げ、具体的な対策を検討する方針です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0dd1504f9c7f8de97a390ee58f05b7c66606c472
(2022年5月31日 修正3 ;追記)
2022年5月30日16時0分にYAHOOニュース(東海テレビ)からは、「かつら直し」の4工程に関する下記趣旨の記事が、動画ならびに主要場面の映像カット付きでネット配信されていた。
なぜこのような事故が起きてしまったのか、取材しました。
こちらは、事故が起きた教室の見取り図です。
40人のクラスを4グループに分け、教員2人・生徒9人で授業が行われていました。
実習の内容は「のみ」の「かつら直し」です。
「のみ」は大工道具のひとつで、金づちで叩いて木材を削り、穴をあけたりする道具です。
先には鋭い刃がついており、手で持つ柄につながっています。
そして柄を保護するために、リング状の「かつら」という金属がついています。
「かつら直し」とは、この金属の位置を調整する作業です。
作業工程は4つ。
まず、金づちを使い金具をはずします。
次に、柄の縁を叩いて細くします。
そのあと、角材にのみを打ち込み、金属に釘抜をあてて金づちで叩き、柄の端が出るまではめ込みます。
最後に柄の端を叩いて、金具を覆うように丸めて完了です。
実習では2時間の授業で2本のかつら直しを行い、事故は2本目の作業中に起きました。
けがをした瞬間を見ている人がいなかったため、どの工程で起きたかはわからないとのことです。
この「かつら直し」について、東京都の芝学園で32年間技術科の教員を務めた寺西さんに話を聞きました。
「のみのかつら直し」は中学校の授業でも行い、危険度は低い作業だといいます。
寺西さんは1本10分ほどで、初めて行う生徒でも1時間くらいでできるといいます。
「通常は命を落とすほどの事故につながるとは思えない。通常とは違う方法をとり、偶発的に起きてしまったのではないか」と話しています。
こうした事故を防ぐために今後できることについて、教育学に詳しい名古屋大学大学院・教育発達科学研究科の内田良教授は、「学校で起きた事故を“単なる不注意”で片づけると、また同じことが起きてしまう。専門家も交えてしっかり検証をし、それを全国で共有することで次の事故を防ぐことができる」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bd0bba24eaf7b082b99c335627eebe080dc668d
(2023年9月23日 修正4 ;追記)
2023年9月22日11時57分にYAHOOニュース(CBCテレビ)からは、第三者委の報告書が公表された、県は「安全指導ガイドライン」を策定し県立高校などに通知したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県の教育委員会は会見を開き、調査を進めていた第三者委員会の報告書を公表しました。
報告書では、再発防止に向け、危険が伴う実習前にどんな場合に事故が起きるか再検討して教職員で共有し生徒に指導することや、事故発生後の対応を周知徹底することなどを提言しています。
また県は、この報告書を受け、各学校で、教科ごとに予測される危険に対応するマニュアルの作成を求める「安全指導ガイドライン」を策定し、20日県立高校や特別支援学校に通知しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3190217a3518ffb1cbe5ada1ff4b7be7b0370987
9月22日12時33分にYAHOOニュース(名古屋テレビ)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
事故について第三者委員会は、「指導者内で想定すべき危険が十分に周知・共有できていなかった」などとする報告書をまとめました。
報告書を受け、県教育委員会は「実験・実習における安全指導ガイドライン」を作りました。
予見される危険を盛り込んだ実習指導書を作成し、指導に当たる教職員間で共有すること」などを盛り込んでいます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b160a21d0141da62974e16408a141b383236c26
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。