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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201912281232分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が動画と写真付きでネット配信されていた。

 

28日午前5時20分ごろ、千葉県市原市犬成のリサイクル会社「F商事」の敷地内で、「産業廃棄物が燃えている」と通行人から119番通報があった。

 

県警市原署によると、資材置き場に積まれたプラスチックやゴムなどが燃えており、けが人は確認されていない。

 

消防によると、正午現在、消防車15台が出動して消火をしている。

敷地外に延焼はしていないが、黒煙が上がり、激しく燃えている。

 

https://www.asahi.com/articles/ASMDX3CXYMDXUDCB005.html

 

 

1229841分にNHK NEWS WEBからは、丸1日後に消し止められたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

出火からおよそ1日がたった29日朝5時前に火は消し止められました。

現場にはプラスチックやゴムチューブなどが積まれていたということで、警察と消防は関係者から話を聞くなどして火が出た原因を調べることにしています。

現場は市原市東部の住宅や畑が点在する地域です。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191229/k10012231621000.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

産廃保管場所の火災は原因不明なものが多く、本ブログではほとんどの事例で紹介を割愛しているが、この1年、毎月のように起きていた感がある。

 

〇今回の事例を機に、もう一度情報を調べ直したところ、可燃性廃棄物保管場所の火災メカニズムや出火防止のための管理方法などについて詳細に記された文献が見つかった。

  よくまとめられていると感じたので紹介する。

 

仮置場の可燃性廃棄物の火災予防(第一報)

2011518日 国立環境研究所)

 

1.概要

 

仮置場や集積場に集められた単品または混合状態にある可燃性の災害廃棄物(以下、可燃性廃棄物とする)の保管時における火災の発生メカニズムと火災防止対策、モニタリング方法を示す。

 

2.予防対策

 

・可燃性廃棄物とは、木くず、畳、シュレッダーダスト、廃タイヤ、廃プラスチック類、 粗大ごみ、剪定枝等、ならびにそれらの混合廃棄物である。

 

・仮置場に積み上げられる可燃性廃棄物は、高さ 5メートル以下、一山当たりの設置面積 を 200m2以下にする。

積み上げられる山と山との離間距離は 2 m 以上とする【参考】。

 (なお、カナダの推奨基準では、木材チップに対して高さ 4 メートル以下、幅最大 8 メー トル、全体で 1000 m3以下が規定されている。)

 

・ガスボンベ、ライター、灯油缶、バイク等の燃料を含む危険物や、電化製品、バッテ リー、電池等の火花を散らす廃棄物の混在を避ける。

 

・積み上げられた山の上で作業する重機の活動範囲を日単位で変更する(毎日同じところに乗らない)。

 

・積み上げから撤去までが短期間(数週間)の場合はこの限りでない。

 

・火災が発生したときのために、消火器等の消化手段を準備しておく。

 

3.火災発生メカニズム

 

・可燃性廃棄物の積み上げを開始した初期には、微生物による好気性代謝や化学的な水和反応等によって発熱が生じる。

その上にさらに廃棄物を積み上げることで蓄熱が起こる。

 

・積み上げ高さが高くなると、可燃性廃棄物の山の内部が嫌気状態となり、嫌気性微生物代謝によりメタンガス等が発生する。

 

・このとき、作業重機等による荷重圧縮や、5 メートルを超過する積み上げによる自重圧縮によって可燃性廃棄物内の嫌気性雰囲気が強まる。

5 メートルを超過すると、内部の 発熱速度>表面からの放熱速度となり、蓄熱も促進される。

 

・不飽和脂肪酸が存在すると、その酸化(二重結合の炭素に酸素が結合)熱により、比較的低い温度でも蓄熱火災(余熱発火)が生じる。

-不飽和脂肪酸のうち、二重結合の不飽和結合を多く持つものほど発熱しやすい。

-不飽和脂肪酸のうち、オレイン酸は摂氏 80 度の環境下で 20 時間で発火(余熱 発火)し、100 度の環境下では 2.5 時間で発火する。(消防科学研究所報 3 号「油脂(脂肪酸)の発熱性について」)

 

・この酸化反応による発火が、メタン等の可燃性ガスに引火することで火災が発生する。

 

・この時、酸素の供給が不十分だと無炎燃焼(炭焼き状態)となる。

無炎燃焼は堆積物の内部で発生し、地中火災となることから煙等が目視されるまで気が付かないことが多い。

 

・酸素の供給が十分だと有炎燃焼となる。

表層火災となることから直ぐに目視によって確認できる。

 

4.火災予防モニタリング

 

・表層から 1m 程度の深さの温度を測定する。

- 摂氏 60 度以下であれば微生物発酵のみと考えて良く、火災の危険性はない。

- 摂氏 7580 度以上であれば、化学反応や酸化発熱と共に蓄熱が起こっていると考えられ、無炎燃焼が発生する可能性があることから、危険信号と考えて良い。

- 摂氏 80100 度にて温度の上昇は一旦停止するが、これは水分の蒸発(顕熱) によるものであり、水分蒸発が終了すると発火する危険性が高い。

法面を土砂等で被覆して酸素の供給を遮断するか、可燃性廃棄物の山の高さを低くするなどの対応が必要。

 

・表層から 1m 程度の深さの一酸化炭素濃度を測定する。

- 一酸化炭素濃度が 50 ppm を超過するようであれば、危険信号と考えてよい。

- 実際に無炎燃焼が内部で発生している場合、一酸化炭素濃度
 は数百ppm を超過することが多い

- 深さ 1m のガス濃度を測定するのは、大気による希釈を防止するためである。

 

・・・・・

 

https://www.nies.go.jp/shinsai/enpdf/karioki_kasai_no1_110518.pdf

 

〇一方、乾電池が破砕されて火災になったという事例も見つかった。

 

弊社袋井工場で発生した火災事故の詳細についてのご報告

 

平成31119日未明に、発生した火災事故におきまして近隣住民の皆様並びにお客様、お取引先様をはじめ多くの関係者の皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

 

火災発生後の消防署並びに警察当局による現場検証が終了いたしましたので、詳細についてご報告申し上げます。

 

1、発生日時

 

2019年1月19日(土曜日)午前3時50分頃に工場棟内部より火災発生を知らせる警報が警備会社に入る。(出火時は全ての設備が運転停止中)。

 

警備会社が遠隔カメラにて確認したところ、処理後廃棄物置場のコンテナ保管してある廃棄物より炎を確認したため直ちに袋井消防署に通報。

 

消防署は直ちに出動態勢を整え出動し現場には午前4時30分頃に到着し地元消防団の各分団と共に消火活動を開始し、当日の午前11時2分に鎮火。

 

・・・・・

 

4、事故原因

 

出火原因は、搬入物に混入していた「乾電池」が処分施設で破壊され、処分後保管コンテナ中で発熱・高温化したことと推定しています。(消防署検証結果)

 

・・・・・

 

https://www.recycle-clean.co.jp/info/4423

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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