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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2020821135分にYAHOOニューから、下記趣旨の記事(水難学会会長の寄稿文?)がネット配信されていた。

 

ういてまて教室が全国的に広がり、実際の水難事故現場で、溺者(水にいて、陸に上がれない人)が背浮きで浮いて救助を待つことが多くなりました。

 

ただし、この実技ができないと、溺れた瞬間に沈水してしまいます。

 

つまり、溺者は浮いているか、沈んでいるかのどちらかなのです。

 

浮いて救助を待っている時、安定して背浮きしています。

だから、浮き具があれば「なおよい」程度の話です。

 

ここのところ、凶器になるような「水入りペットボトルやクーラーボックスを溺者に向かって投げ入れる」などという記事を目にします。

 

私(溺者)に、こんなもの投げ入れないでください。

 

 

【浮いて救助を待っている人が主役】

 

水難救助現場では「溺者が主役」です。

特に、浮いて救助を待つ人は、その人が最善の環境で救助を待てなければなりません。

 

最善の環境とは、図1のような安定した背浮きです。

 

安定して背浮きができるのなら、ペットボトルなどの浮き具が無くても大丈夫です。

このようにしていれば、安定して呼吸ができます。

少々の波や流れでも沈むことはありません。

 

ただ、怖いのは呼吸のタイミングを逃した時や、背浮きのバランスを崩した時です。

 

こういった環境の変化があると、背浮きから垂直姿勢になって沈水、呼吸ができなくなってしまいます。

 

だから、陸上にいる人(バイスタンダー)は、最善の背浮きができるようにしてあげなければなりません。

 

バイスタンダーは「ういてまて」と大きな声で溺者を励まします。

そして119番通報をします。

それだけでいいのです。

 

でも、バイスタンダーには、それでも「どうしよう」とパニック状態が続くので、水難学会では「浮くものを探して、投げて渡そう」という(活躍?の)場を与えました。

 

それが、ペットボトルなどの浮くものを投げ渡すという実技につながりました。

 

バイスタンダーに役割が増えるほど、バイスタンダーは飛び込まなくてすむ。

だから、ペットボトルを探して投げるという行為は、「陸上にいるバイスタンダーが水に飛び込んでしまわないよう」にするという、オプションなのです。

 

 

【いつの間にか、バイスタンダーが主役になってしまった】

 

最近、「ペットボトルが空だと、溺者に届きにくいので、ペットボトルに水をいれる」との解説をよく目にします。

 

溺者に届けにくいなど、それはバイスタンダーの都合であって、溺者にとっては、いい迷惑です。

 

溺者にとっては、その瞬間が生きるか死ぬか、本当に瀬戸際に立たされているのです。

ギリギリの所で頑張って呼吸を確保しているのです。

 

そこに凶器が降ってきたらどうでしょうか。

それは溺者のためには全くならないのです。

 

そして、バイスタンダーが飛び込む行為も、溺者のためにはなりません。

 

「自分は学校で習った背浮きで浮いているから、お母さん飛び込んじゃダメ」と心の中で叫んでいるのに、いつしか、陸にいるはずのお母さんの声が聞こえなくなった。

これ以上の不安はありません。

「まさか、お母さんは飛び込んでしまった?」

 

溺者の気持ちになって、水難事故を考えましょうよ。

 

 

【水入りペットボトルなどの凶器の現実】

 

こういうものをバイスタンダーが投げ入れてしまうだろうという品物を、カバー写真に示しました。

 

600 cc2 Lのペットボトル、大型クーラーボックス、小型クーラーボックス、衣服の詰まったリュックサックです。

 

それを図2のような人形で、背浮きで救助を待っている子供を表現して、それぞれの浮き具を投げ渡します。

 

 

【水なしペットボトル(動画1)】

 

定番です。

より遠くに到達させるため、少し弧を描くようにして投げます。

そのため、溺者の目線から見ると、上から降ってくるように見えます。

 

そうすれば、ペットボトルの着水点がおおよそ推測できて、手の届く範囲内であれば、ペットボトルをつかむことができます。

 

万が一、顔面に当たっても、キャップの部分さえ直撃しなければ、衝撃を感じることがありません。

 

 

【水ありペットボトル(動画2)】

 

より遠くに到達させようとするため、直線的に溺者に向かってきます。

 

2 Lのペットボトルは人形の左わき腹に当たりました。

その衝撃で人形の位置が明確にずれました。

これは、空のペットボトルではありえない現象です。

 

600 ccのペットボトルでも、人形を動かすほどの衝撃はないにしても、溺者目線では、向かってくるペットボトルに対して恐怖に感じます。

 

 

【クーラーボックスなど(動画3)】

 

まず、大型クーラーボックスを人形に向かって投げ入れました。

動画を見ただけで、これは助けたことになっていないことがわかります。

 

小型クーラーボックスではどうでしょうか。

発泡スチロール製の小型であれば、溺者に対する衝撃が少なく、投げ入れるとすれば、この辺の大きさと重さが限界です。

 

さらに、衣類の詰まったリュックサックはどうでしょうか。

動画を見る限りでは、相当な衝撃を溺者に与えてしまいそうです。

衣類の詰まったリュックサックは、自分でもって、いざという時に緊急浮き具として使うのが、もっとも安全な使い方です。

 

こういう現実を実験して確かめず、やすやすと文章や言葉で伝えてしまう恐ろしさ。

 

ういてまて教室は、こういった実験を繰り返し、「いま現在考えられる範囲で最も安全で効果的なプログラム」へと発展し、全国の小学校などで、事故を起こすことなく展開されているのです。

 

 

【さいごに】

 

どうでしょうか。

「私」が溺者になってイメージできたでしょうか。

 

水の入ったペットボトルなど、たとえ練習中でも投げられたら、怖くてかないません。

しかも直進性抜群ですから、おなかとか顔にコントロールよく直撃します。

 

安定して背浮きができるのなら、ペットボトルは届かなくてもいいのです。

だから、水を入れずに投げ入れてください。

練習の時にもどうか、そうして行ってください。

 

筆者も反省の毎日です。

水難学会の指導員が水入りペットボトル投げを学校で試して、児童の顔にあざを作ってしまった暗い過去があります。

 

「命を守る講習会で、なぜ子供がけがをするのか」と責められました。

まったく、その通りです。

学会で禁止していても、弁明の余地がありませんでした。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20200821-00194373/ 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

〇1つ前の記事では、正しい救助方法の一つとして、声掛けしてから少量の水を入れたペットボトルを近くに投げる方法が紹介されている。

それが、この記事では、水を入れたペットボトルは投げてはいけないと言っている。

どちらが正?

 

思うに、背浮きの方法を学んだ人が背浮きしている場合は、通報した後は見守り、何かするにしてもlせいぜい空のペットボトルを投げるにとどめる。

 

背浮きせず、バタバタもがいている人に対しては、多少のリスクがあっても、コントロールしやすいよう、少し水を入れたペットボトルを近くに投げる・・・ということではないかという気がした。

 

〇以下は、動画2の3コマ。

底から5~6cmほどの深さに水を入れたペットボトルを投げているが、それが当たった衝撃で人形は向きが変わっている。

ちょっとしたバランスで浮かんでいる場合、たしかにバランスを崩してしまうだろう。

 

 



 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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