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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2023921317分にYAHOOニュース(PRESIDENT Online)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

毎年夏になると、川や海で流された子どもを助けようとした大人が溺れて亡くなるケースが後を絶たないのはなぜなのか。

水難学会の理事で、水難学者の斎藤秀俊さんは、「『ういてまて』を守ろうとする子どもは助かる可能性が高い一方、大人は『救助を』と考えてしまい命を落とすことが多い。大人がこの考え方を変えない限りは、生還は難しい」という――。

 【画像】助けに行った大人が溺れる理由


■子どもは助かり、助けに行った親が命を落とす  

・・・


■水難事故の厳しい現実

・・・

「子どもは助かるのに、助けに行った親はなぜ溺れるのか」  

それは、水難事故に遭うと子どもは「ういてまて」という考え方でいるのに対して、大人は「救助」と考えてしまうからなのです。

最後まで「救助」と思い込んだ大人が命を失ってしまうことが多いのです。

・・・


■助けに行った父親が命を落とした

・・・


■「浜から35メートル」という距離

男性は、泳いで子どもたちのそばまで近づいたと思われます。

浜からの距離は35メートルほど。

その海面で男性は子どもたちと浮いていたとのことです。

35メートルというと、小学校のプールのコースの長さが25メートルですから、それより少し距離がある程度です。

・・・


25メートルに潜む「魔物」  

25メートル前後」といえば、水難事故調査を続けていると、海岸での事故でよく聞くことのある距離です。  

波の戻りで海に身体が引っぱられると、砕波(さいは)という、波が白く崩れる部分に巻き込まれます。

それを過ぎると、そのすぐ沖にある砕波帯のさらに沖で、流された人が浮いていることが多いのです。  

画像1では、白い波が砕波、そのすぐ沖で背浮きをしている人たちがいるのが砕波帯、さらにその沖で浮いている人たちがいるのが砕波帯の沖です。

そのあたりが距離にして砂浜の汀線(波打ち際)から20メートルから30メートルくらい先です。  

その距離、つまり砕波帯の少し沖くらいなら、陸から見て「助けにいけそう」と判断されがちです。

でも、この砕波帯の沖というのが魔物で、そこはちょうど海が深くなっているところでもあります。  

画像1では砕波帯に立っている人がいますが、水面は肩ぐらいであることがわかるかと思います。  

砕波帯の沖というのはさらに厄介で、浮き輪や救命胴衣を身に着けたまま流されてしまうと、たかが30メートルくらい先でも岸に戻れなくなってしまいます。

その先に「離岸流」が発生していれば、どんどん沖に流されていきます。


■行きはよいよい…

助けに行った人が溺れる原因は、砕波帯の沖が「深い」「戻れない」ところにあります。  

砕波帯の沖であれば、波の波長は長くなるので、浮き具につかまって浮いていれば呼吸は確保できますし、なくても画像1のように背浮きをしていれば、呼吸は十分確保できます。

だから「ういてまて」という考えで、とにかく救助を待っていれば、すぐに命を落とすことはありません。  

それに対して、子どものそばに泳いでいく親の心境は「助けたい」が多かったのではないでしょうか。

浮き輪や救命胴衣を探し出して身に着けるようでは「子どものところに早くたどり着きたい」という気持ちに逆行するし、とっさの事故だと、救命胴衣を着てから水に入るという発想になかなかならないことでしょう。  

距離にして30メートル程度です。

小学校の時に泳ぎの経験があって、少しの自信があれば行けない距離ではありません。

大方の大人は子どものところにたどりつくと思います。  

ところが、そこから岸に戻ることがなかなかできないのです。

水難事故の入水救助は「行きはよいよい帰りは怖い」なのです。


■助けに行った大人はなぜ溺れるのか

お子さん1人を引っ張ると、片手がふさがります。

お子さん2人なら両手がふさがります。

両手がふさがってしまえば、大人は泳ぎながら呼吸することすら、ままならなくなります。  

砕波帯の沖では、海底が急に深くなっています。

つまり、お子さんが救助を待つ場所では、大人の足が海底に届かないことが普通にあります。  

このような所では、立ち泳ぎができない限りは1分も浮いていることができません。

呼吸することができません。

ここで助けに向かった大人が「ういてまて」と気持ちを切り替えれば、背浮きになってとにかく呼吸を確保することができます。

しかし、そう気持ちを切り替えられず、助けようとしてしまうと、一気に危険な状態に陥ります。

「小学生の時に泳げた」のと「今日、立ち泳ぎで浮ける」のとは根本的に異なるのです。


■子どもに「ういてまて」と声をかけ続ける  

それでは、どうしたらいいのでしょうか。

浮いているお子さんの姿を見つけたら、海岸から大きな声で「ういてまて」と叫び続けます。

お子さんは「自分に気が付いてくれた」と少し安堵(あんど)しますし、浮くことに全力を尽くします。

多くの小学校では、背浮きの時に「ういてまて」と声をかけ合って練習しているので、子どもはかけ声だけでどうしたら良いか判断できます。  

そして119番通報をします。

通報で通信員に「海に流されている」としっかり伝えてください。

そのキーワードで、通報を受けた消防本部から、各都道府県にある消防防災航空隊の救助ヘリコプターの出動につないでくれます。


■子どもと一緒に「ういてまつ」

・・・


■どうしても「救助」したいなら

ちろん、事故現場では「親としての責任を全うしたい」という強い意志を持つ方もおられます。

学生時代を通じて競泳で体を鍛えたとか、水球で自己保全技術はばっちり習得したという方々のために、日本赤十字社水上安全法救助員養成講習会があります。  

その水上安全法講習会を受講すれば、入水救助が少しは安全にできます。

・・・


■子どもは浮いて待てたから助かった  

水難事故で子どもが助かるのは浮いて待てたからです。

浮くことができなかった親は力尽きます。  

もしどうしてもお子さんの近くにいたかったら、子どもと一緒に浮いてください。

でもできれば、ぜひ119番の救助隊を信じて、水に入らないようにして待っていてください。

https://news.yahoo.co.jp/articles/29c1ccc3f0032b552e4483eff378cf97381f1fab 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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