2017年5月2日12時26分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月、福岡市の箱崎ふ頭で火災を起こして沈没した貨物船の油が博多湾に流出したことを受けて、福岡市の高島市長は2日の記者会見で、同様の事態に備え、油を回収するための備蓄品の拡充を図るとともに、漁業関係者と連携し初動の態勢づくりを急ぐ考えを示した。
福岡市の箱崎ふ頭では、先月24日、スクラップを積み込む作業をしていた貨物船が火災を起こしたあと沈没し、船からは大量の油が海に流れ出して博多湾に広がった。
流出した油は、先月30日までにほぼ回収を終えたが、沿岸の一部の区域で遊泳や潮干狩りを禁止する措置が取られるなど、市民生活に影響が出ている。
これを受けて福岡市の高島市長は、2日の記者会見で、事故対応は一義的に船会社に責任があると指摘したうえで、「国や県などとともに油流出の被害をできるだけ防ごうとしたが、結果的に非常に広い範囲に被害が及んでしまった」と述べた。
その上で高島市長は、「油を吸着するシートをすぐに調達できなかったことなど、改善すべき点が明らかになった。ふだん海で活動している沿岸の漁業協同組合と態勢づくりを検討している」と述べ、同様の事態に備え、油を回収するための備蓄品の拡充を図るとともに、漁業関係者と連携し初動の態勢づくりを急ぐ考えを示した。
また、高島市長は、今回の事故対応の費用や発生した被害の補償について、船会社に請求していく考えを示した。
出典
『油流出”初動態勢作り急ぐ”』
http://www.nhk.or.jp/fukuoka-news/20170502/3023631.html
(ブログ者コメント)
〇文字情報にはなっていないが、映像の中で市長は以下のような話しもしていた。
『機動力的に、漁協のほうが普段海で活動しているので、油を見つけるのは早い。広い博多湾全体で活動する漁協の皆さんと一緒に、対策をうったり初動対応をしたりできないかと考えている。』
〇事故時の様子は、下記記事参照
(2017年4月29日6時0分 西日本新聞)
福岡市東区箱崎ふ頭で24日に発生した貨物船火災に伴い、油が流出し、28日には、市や海保によると、13~14km西方の長垂海浜公園沖(西区)、北は西戸崎沖(東区)まで広がった。
福岡県や国交省九州地方整備局なども含め、約10隻の船で油の回収に当たり、市によると30日にはほぼ終える見通し。
ただ、油は博多湾に注ぐ川にも流入、一帯では漁などが中止に追い込まれており、漁業者らは環境への影響を懸念する。
油の臭いが鼻をつく早良区と西区の境の室見川河口。
28日は市職員が、潮干狩りや遊泳を見合わせるよう市民に呼び掛ける看板を設置した。
周辺の護岸や岩場には油がべっとり。
大型連休は多くの人でにぎわうが、市水産振興課は「アサリが油を吸っているはず。岩場や干潟も油で汚れており、潮干狩りはしばらく無理」。
室見川では、名物のシロウオの産卵地付近まで油が流入しており、関係者は「ちょうど産卵の時期だし、影響が心配」と顔を曇らせる。
海保によると、貨物船から流出したのは、燃料タンク内にあった重油や潤滑油。
空気を抜く穴から漏れ出したとみられ、25日夕までにふさぐ作業を終えた。
市によると、貨物船の周囲は4重のオイルフェンスで囲い、さらなる油の流出を防止。
吸着マットや中和剤による船での回収だけでなく、護岸などでは、今後、手作業でも重点的に回収するという。
市は、中央区地行浜、早良区百道浜、西区愛宕浜でも潮干狩りや遊泳をしないよう、注意喚起している。
姪浜漁港(西区)では、27日に市漁協姪浜支所の組合員約60人が漁を休み、油の付いたごみを回収した。
市漁協組合長の野上さん(79)は、「27日未明の北風で油が吹き寄せられた」と渋い顔。
沖の方では週明けから漁を再開できそうだが、「愛宕浜のアサリ漁はしばらくできない」とみる。
伊崎漁港(中央区)は29日、毎週土曜の「おさかな夕市」を中止する。
「連休の稼ぎ時に痛手だ」と、漁師の横山さん(53)。
村田さん(55)は、「海底のワカメ、ナマコ漁に影響がなければいいが」と祈るように語った。
出典
『博多湾14キロ西に油流出 潮干狩り、アサリ漁中止 福岡市の貨物船火災』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/325020
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。