2016年9月8日7時0分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市が、来年夏にも市内全域で使用済みスプレー缶類を穴開け不要で出してもらう方針を固めた。
モデル地区として先に行っていた清田区と同様に、収集日の「燃やせるごみの日」への変更を検討する。
市では、市内で自宅での穴開け作業が原因とみられる火災が2014年3月、15年5月と相次いで発生し、計3人が死亡したことを受け、15年10月に清田区の一部で穴開け不要回収を試行、今年4月から同区の全域に広げていた。
全市で実施できると判断したため、来年夏にも全市に広げる。
清田を除く9区では、スプレー缶やガスボンベを出す前に穴を開けて出すことを求めてきた。
可燃性ガスが残っているとごみ収集車の中で圧縮され、火災や爆発を起こす恐れがあるためだ。
収集日は、4週に1回の「燃やせないごみの日」となっている。
新しいルールでは穴開けを不要とするが、中身を使い切って透明のごみ袋に入れる方法は変わらない。
収集車に缶類を入れるカゴを取り付けて回収することで、収集車の火災のリスクをなくす方法を採る。
収集日は週2回の「燃やせるごみの日」になり、出せる機会が増える。
市にとっては、一度に回収する量が減り、搬入先となる市内3カ所の清掃工場の置き場にたまりにくくなるという。
清掃工場に搬入した缶類は、廃棄物を扱う業者に破砕処理を依頼する考え。
今後は、大幅に増える対象世帯に新しいルールをどう周知するかが、課題になりそうだ。
札幌市が昨年10月に清田区(5万2千世帯)の一部で試行した初日は、穴開き状態の排出が2割に上った。
市内は103万世帯あり、周知が行き届かなければ、市民が収集日を勘違いしたり、袋を分けず可燃ごみの袋に混入したりする可能性がある。
ガス抜きが不十分なままごみステーションに出されれば、火災の可能性がないとは言えない。
市は、混乱が起きないよう、新ルールを伝えるチラシを事前に全戸配布する考えだ。
清田中央地区町内会連合会の鈴木会長(77)は、「ルール変更は住民の理解に時間がかかった。町内会のステーションの見回りなど、負担も大きくなる。周知徹底する方法を考えるべきだ」と話す。
札幌市によると、道内では大半の自治体が穴開けが必要だが、旭川市や富良野市のように穴開けを不要に変えたケースもある。
出典
『札幌 スプレー缶回収「清田区式」全市拡大へ 穴開けず「可燃ごみ」の日に』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0313655.html
『穴開け不要 札幌全域に スプレー缶収集 来夏にも拡大』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/life-topic/life-topic/1-0313673.html
(2016年10月16日 修正1:追記)
2016年10月13日19時13分にNHK札幌から、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
ごみになったスプレー缶は、中身を使い切ったうえで、わずかに残る気体を逃がすために、缶に穴を開けて捨てなければいけない。
ただ、環境省は、去年、「穴開けは不要とすることが望ましい」と全国の自治体に通達した。
一方で、スプレー缶の穴開けをやめるのは難しいという自治体もあり、道内では対応が分かれている。
札幌市は、スプレー缶の回収サービスを行っている。
穴を開けるのをためらって市民が持ち込んだ缶の量は、1日で重さ80kg分にもなる。
持ち込んだ市民の中には、1年以上もこわくて穴を開けられなかったという人もいた。
実は、危険なスプレー缶。
周辺に火の気があるだけで、爆発の危険がある。
実際、スプレー缶が原因の火災は、札幌市内で後を絶たない。
ごみ収集車は、穴の開いていないスプレー缶を運ぶ途中で爆発することが多く、毎年、火災は30件以上も発生している。
その修理代も、多額の費用がかかる。
さらに、住宅火災も暖房器具を使う冬場を中心に多く発生し、この5年間で3人が亡くなった。
問題の解決に向け、札幌市清田区では、ことしから試験的な取り組みが始まっている。
それは、「穴を開けずにごみを捨てる」取り組みだ。
別の袋でスプレー缶を回収し、ほかのごみとは別に専用のかごに入れて運ぶ。
穴を開けずにごみに出せる、この方式。
市民からは好評で、来年夏からは、札幌市の全域でこの方式を採用することになった。
気体が残ったスプレー缶も、窒素を使って火災を起こさずに圧縮できる機械を増やして対応する。
この方式によって、清田区では昨年度、5件起きたスプレー缶が原因のごみ収集車の火災は、今年度はゼロになるなど、早くも効果が出ている。
札幌市では、市民の利便性が高まるのに加え、行政にとってもごみ収集車の火災が減り、メリットが大きいとしている。
札幌市環境局の樫野係長は、「火災が起きないことで、作業員の安全にもつながります。また、火災がひとたび住宅地域などで起きますと、それが飛び火する危険も考えられないこともありませんので、そういうことがなくなるのは、非常にメリットがあると思います」と話していた。
一方で、缶の穴開けを不要とする方式は、道内全体で広がりにくいのが現状だ。
その1つ、人口減少などで財政事情が厳しさを増す室蘭市。
札幌市で導入されている高額な設備は、購入するには、さらに費用がかさむとしている。
また、複数の自治体で1つの清掃工場を使っているため、ほかの自治体と足並みを揃えるのも難しいという。
室蘭市生活環境部の弘瀬課長は、「市民サービスからすると、穴を開けないのが理想です。できれば、それにのっとっていきたいのが当然のことですが、経費の面もあり、いますぐにそれを改善できる状況にはなく、心苦しい状況になっています」と話す。
道によると、財政面などで室蘭市のような事情を抱える自治体が多く、スプレー缶のごみ出しのルールを変更した自治体は、旭川市や歌志内市など、ごく少数にとどまっているという。
生活に身近なスプレー缶のごみ出し。
自治体によって対応に差が出る状況は、今後も続きそうだ。
出典
『どうする?スプレー缶のごみ』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20161013/3081941.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。