2013年12月16日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がアンケート結果の円グラフ付きでネット配信されていた。
朝日新聞が全国の主要100社に行ったアンケートで、主要拠点の耐震化が済んでいるのが64社にとどまることがわかった。
多くは「事業継続計画(BCP)」を見直すなど、災害対策を強化していたが、事業継続の前提となる対策の遅れが浮き彫りになった。
調査は11月に実施。経営トップへの面談と調査票の回収を通じて答えを得た。
主要拠点(本社や主要な支店、主力工場、物流センターなど)の耐震化については「耐震化・免震化済み」と答えた64社のほかに、「耐震診断を未実施の施設がある」が9社、「診断したが、対策未実施の施設がある」が23社、無回答が4社あった。
耐震化率64%は公立小中学校の88.9%(2013年)、役所や警察、消防など防災拠点になる公共施設の79.3%(11年度)、災害拠点病院・救命救急センターの73.0%(12年)のいずれも下回った。
緊急時に業務を継続するためのBCPは、90社が作成していると回答。
大多数が東日本大震災後に見直しており、事業継続に必要な物資の備蓄、主要拠点の防災対策、対策本部の設置や運用などを強化した。
しかし、事業の継続を支える態勢は十分ではない。
主要拠点に自家発電装置を配備していると答えたのは84社で、このうち、供給可能な期間が「4日以上」は9社。「3日以下」が半数の52社を占め、このうち18社は「1日以下」だった。
主要拠点での水や食料の備蓄は、「3日間」が78社で、政府が南海トラフ巨大地震の対策として求めている「1週間以上」はわずか3社だった。
経営トップは「インフラが途絶えるとBCPも思うように機能しない」、「古い建物が多い企業は耐震補強に莫大な投資が必要」などと指摘。
政府や自治体に望むことを三つまで選んでもらったところ、最多の81社が「産業への打撃を抑えるインフラ整備」を挙げた。
このほか、58社が地震対策を立てるうえで必要な「地域ごとの被害想定」を求め、「法令の整備」(44社)や「防災対策の融資制度や税制優遇」(40社)が続いた。
〈NPO法人「事業継続推進機構」副理事長の丸谷浩明・東北大教授の話〉
大都市で物流が止まれば、食料や復旧資材は長期にわたって届かない。備蓄や非常用電源の余裕が3日程度では、首都直下地震のような災害には対応できないだろう。耐震化に不安がある施設が多いのも心もとない。コストの関係で今以上の備えが難しければ、代替拠点を確保するしかない。どのレベルの被害まで現地で事業継続し、どこから代替先に切り替えるか。BCPで考えておく必要がある。
〈事業継続計画〉
地震やテロ、感染症の流行といった緊急時に行政や企業の業務を続けるための計画。
復旧目標、復旧業務の優先順位、重要な情報や設備の予備の確保、安否確認手段、他の自治体や企業との応援協定、財務的な手当てを考えておく。
「Business Continuity Plan」の頭文字を取ってBCPと呼ぶ。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/TKY201312150227.html
アンケート結果の詳細は、下記参照。
http://www.asahi.com/articles/TKY201312150238.html
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