2015年12月12日7時7分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月に女性1人が巻き添えで死亡した東海道新幹線の放火事件を受け、JR東日本大宮支社は10日深夜~11日未明、宇都宮市川向町のJR宇都宮駅で新幹線車両を使った乗客の避難誘導訓練を行った。
訓練は営業運転終了後、小山駅(小山市)から宇都宮駅まで、10両編成の列車を走らせて実施。
宇都宮駅付近を走行中の新幹線車内が煙で充満したと想定した。
煙が立ちこめる車両内から逃げる乗客をJR社員らが誘導、車両外で待機していた消防職員らと連携して避難させる手順を再現。避難はしごの使用方法を確認するなどした。
訓練には、JR関係者に加え、警察、消防関係者、約140人が参加した。
宇都宮駅の小宮駅長は、「新幹線は密閉度が高い車両なので、煙が充満すると乗客に健康被害が及ぶ。警察や消防との連携も重要で、今後も訓練を継続的に実施していく」と述べた。
「何これ、焦げ臭いな。空調か」「やばい。煙だ、止めろ。危ないよ」
今年6月に女性1人が巻き添えで死亡した東海道新幹線の放火事件を受けて、JR東日本大宮支社が新幹線車両を使って実施した避難誘導訓練。
スモーク装置でたかれた白煙が車内に立ちこめ、乗客役のJR社員はざわつき始めた。
新幹線車両は在来線車両と異なり、窓は開閉式でなく、車内も狭い。
密閉性が高い室内は想像した以上に煙は速く充満し、訓練といえども緊張感は高まった。
「どうした、大丈夫か」。
たばこの火の不始末との想定で行われた訓練で、発生場所のデッキから人が車内に倒れ込んでくると、乗客の一人が非常用の通報ボタンを押して、新幹線は急停止。
「前に逃げろ。煙だ。後ろから火事だ」と、ハンカチで口を押えた乗客が、煙を避けるように低い姿勢で次々と別の車両に移った。
通路は、1人が通るのが精いっぱいだ。
「お客さまにお知らせします。ただいま非常ボタンが扱われています。現在、乗務員が状況の確認を行っています」
発生場所に近い車両の乗客が別の車両に移り始め、ほぼ同時に車内アナウンスが流れた。
車両内にいた11人の乗客が逃げ出して車両を移るのにかかった時間は1、2分程度。
ただ、車内が真っ暗になるほどの煙が立ちこめ、方向感覚を失った場合に、新幹線車両の狭い椅子の間と通路をうまく歩行できる保証はない。
パニックで人が折り重なる場合を想像すると、「安全」と思っていた新幹線車両の密閉性に背筋がぞっとした。
JR東日本大宮支社によると、実際に煙が充満した場合は、別の車両につながる空調を遮断するため、システム上、車内の電気は真っ暗になるという。
暗闇は、まず方向感覚を失う。
煙による恐怖感や息苦しさで逃げ場を失うことは想像に難くない。
宇都宮駅の小宮駅長は、訓練終了後、記者団に「車内で発煙があった場合に、乗客を速やかに安全な場所に誘導するというのが訓練のポイントだ」と述べた。
車内アナウンスや避難用の表示方法を充実させるなど、乗客の混乱を少しでも減らす改善が必要だ。
出典URL
http://www.sankei.com/region/news/151212/rgn1512120036-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。