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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20178152333分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

8152255分にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

15日午後4時45分ごろ、沖縄県北中城村安谷屋の普天間川の護岸工事現場で石や岩が崩れ落ち、作業員3人が巻き込まれた。

うるま市のHさん(男性、47歳)が死亡し、56歳と74歳の男性もけがを負った。

警察が事故原因を調べている。

 

警察や消防によると、川沿いに駐車場をつくるため、そばの斜面に重機で土留め用の岩石を積み上げて擁壁を整備する工事を進めている時に、岩石が崩れたという。

 

現場では、広い範囲にわたって大型の石材が崩れ、岩の下敷きになったHさんが死亡。別の男性は岩石と一緒に川まで落下し、もう一人は岩石に足を挟まれて病院に運ばれた。

 

出典

『護岸工事現場で岩が崩落、作業員3人死傷 沖縄・北中城』

http://www.asahi.com/articles/ASK8H6SK0K8HTPOB001.html 

沖縄の工事現場で積み石崩れる、1人死亡2人けが

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3130977.html 

 

 

817630分に琉球新報からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

建築構造が専門の琉球大学工学部のカストロ・ホワン・ホセ教授は16日、崩落事故現場を視察し、「こんな現場はこれまで見たことがない。何の補強もせずに約7、8mの高さまで石を積みあげることは大きな問題だ。崩れるべくして崩れた」と指摘した。

 

東京に本社があるゼネコンで15年間、勤務した経験もあるカストロ教授は、事故の原因について、これほどの高さの石積みを外側から押さえる対策を取らなかったため、石積みの横の仮設道路を通っていた無限軌道の振動などが影響し、崩落を引き起こしたという見方を示した。


さらにカストロ教授は、「安全管理が全くできていない」と、業者の問題を指摘。

「業者が工事を行うにあたって事前の手続きをきちんと行っていたのか。労基署に対し、出すべき書類を提出していたのか、調べる必要がある」と述べた。

 

一方、行政側についても、「審査を行い、業者にどのような指摘をしていたのか。このような設計であれば、自分が行政の立場なら絶対に認可しない」と、工事を巡る行政側の対応も明らかにする必要があるとの考えを示した。


事故の背景についてカストロ教授は、「県内の業者はぎりぎりのところでやっている。請負金額が安く、利益の薄い工事を受注してしまうと、結果的に利益を奪う仮設工事の費用が安く抑えられてしまう」と指摘。

「作業員はおそらく危険性を認識していただろうが、『自分は事故にあわない』という自信もあったのかもしれない。かわいそうなのは作業員だ」と述べ、構造的な問題を解決する必要があるとも訴えた。

 

出典

『北中城・積み石崩落 専門家「崩れるべくして崩れた」 補強法に疑問』

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-556720.html 

 

 

 

(2017年9月18日 修正1 ;追記)

 

2017816日付の沖縄タイムス紙面に、石のかみ合わせが悪かった可能性ありなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。

 

事故に巻き込まれた3人は、斜面に積み上げられた石の上で作業中、何らかの原因で足場が崩れ、事故に巻き込まれたという。

 

現場の裏手に住む女性(36)は、「小さい岩が混じっていたり、かなり高い足場を組んだりして、怖かった。家の方まで崩れないか心配だ」と声を落とした。

 

現場は岩が崩れ落ち、捜索作業は困難を極めた。

発生から約2時間半が過ぎた午後7時20分ごろ、崩落の2次災害が起きないよう、大型クレーンを使い、直径1mの岩を1つ1つ慎重に取り除く作業が始まった。

 

日も暮れた同50分ごろ、ライトが暗闇の現場を照らす中、消防隊員らによって、岩の間から亡くなったHさんの遺体が引き上げられた。

 

事故を知り、駆け付けた地元・石平自治会の会長は、「業者がやるから大丈夫と思っていたが、高さもあるし圧力もかかるので、持つかなという心配もあった」と述べた。

 

Hさんは15年以上のキャリアがあり、現場指揮などで力を発揮。

前職は造園業で、石積み作業の経験もあったという。

 

 

(石積みの構造に詳しい琉球大学の藍檀オメル教授(岩盤力学)の話し)

 

事故現場の写真を見た上での判断だが、石と石のかみ合わせが良くないように見える。

詰まれている石は加工されていない丸っこい形が多く、積んでいくうちに下部からずれ出し、全体的なずれが生じて崩落につながった可能性がある。

 

擁壁自体が低ければ大丈夫かもしれないが、業者側が9mの高さまで積み上げる計画をしていたならば問題があるのではないか。

 

また、下部の石の上に、より大きな石が積んである様子も見られるが、普通は逆で、土台部分に大きな石を積んで安定させないといけない。

 

擁壁そのものの重さに耐えきれず、崩れた可能性もある。

 

 

 

(2018年10月30日 修正2 ;追記)

 

201810291647分にNHK沖縄から、初公判で検察は「安くて期間が短くて済む手法で工事を進めた」と指摘したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

 

業務上過失致死傷などの罪に問われている、工事を行った建設会社の社長の初公判が開かれ、社長は起訴された内容を認めた。

うるま市にある建設会社、「O産業」の社長、I被告(73)は、去年8月、北中城村安谷屋の駐車場を造成する工事現場で岩や石が崩れ、作業員1人が死亡、1人がけがをした事故について、崩落を防ぐための安全対策を怠ったなどとして、業務上過失致死傷と労安法違反の罪に問われている。


29日、那覇地裁沖縄支部で開かれた初公判で、I社長は「そのとおりです」と述べ、起訴された内容を認めた。


検察は、「安くて、期間が短くて済む手法で工事を進め、必要な安全対策を怠り、作業員を死傷させた罪は重い」などと指摘し、社長に禁錮2年を求刑した。
また、労安法違反の罪に問われている会社に罰金50万円を求刑した。

出典

工事現場崩落事故 社長の初公判

https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20181029/5090004803.html 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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