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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20221021176分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

21日午前11時40分すぎ、室蘭市仲町にある日本製鉄北日本製鉄所の工場で「人が倒れている」と消防に通報がありました。

警察や消防が駆けつけたところ、コークス炉と呼ばれる石炭を加熱する施設で下請け会社の作業員の男性2人が倒れているのが見つかりました。

警察によりますと、2人はいずれも室蘭市に住む会社員の鈴木さん(53)と近嵐さん(61)で、意識がない状態で病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。

当時、2人はコークス炉にある石炭を混ぜる機械のメンテナンス作業をしていて、助け出された際、現場の酸素濃度は低い状態だったということです。

また、通報段階では「ガスが発生したおそれがある」という情報もありましたが、消防がガス検知器を使って調べたところ、有毒なものは検知されなかったということです。

警察は酸欠が原因の可能性があるとみて、当時の詳しい状況を調べています。

日本製鉄北日本製鉄所の工場は市内の工業地区にあり、会社のホームページによりますと、自動車向けの鋼材などを生産しているということです。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20221021/7000051746.html 

 

10211843分に産経新聞からは、倒れている人を見つけ、もう1人も中に入った、倒れていた人は落とした工具を拾いに入ったらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

コークス炉は石炭を蒸し焼きにする施設。

道警によると、2人は施設内にある「混炭機」のメンテナンスをしていた。

近嵐さんが混炭機内で意識を失って倒れているのを鈴木さんが見つけ、中に入ったとみられる。

施設にいた別の作業員は「工具を落として拾いに行ったのではないか」と話しているという。

https://www.sankei.com/article/20221021-KE36KU77WRMGTCTTLQUMYCDFGA/

 

10212157分に読売新聞からは、2人は混炭機のタンク内で倒れていた、当時は3人で作業していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

下請け会社の男性作業員2人が、石炭を混ぜて乾燥させる機械内のタンクに倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。

近嵐さんがタンク内で倒れ、救助に向かった鈴木さんも倒れたという。

当時、2人は別の作業員と計3人でメンテナンス作業をしていた。

機械は稼働していなかったが、酸素濃度が低かったという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221021-OYT1T50192/ 

 

10211758分に毎日新聞からは、タンクの中は火災が起きないよう通常は酸素を抜いているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

タンクの中は通常、火災が起きないよう酸素を抜いている。

事故当時もタンク内は酸素が薄い状態だったといい、道警は2人が酸欠状態になった可能性があるとみて調べている。

https://mainichi.jp/articles/20221021/k00/00m/040/185000c

 

1024190分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、死因は酸欠だった、タンク内はメンテナンスしない予定だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

その後の調べで、2人の死因は「酸素欠乏性窒息」だったことが判明しました。

混炭機のタンク内は通常 火がつかないように酸素濃度が低くなっているということです。

当時、タンク内はメンテナンスしない予定となっていて、警察は近嵐さんが作業中に工具を落としてタンク内に取りに行った可能性もあるとみて、事故原因を詳しく調べています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/311c608231ebdbeefabe67da2732904fc700cbcb 

 

(2022年11月24日 修正1 ;追記)

1122日付の北海道新聞紙面には、タンク内の酸素濃度は18%程度だったなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。

混炭機は、コークスを製造するための前処理として石炭を砕いてためる設備で、石炭が通る配管と高さ2mの箱形のタンクに分かれている。

稼働時は引火を防ぐため、タンク内の酸素濃度を低くしている。

室蘭市消防本部によると、混炭機は事故当時、稼働していなかったが、消防隊がタンク内の酸素濃度を調べたところ18%程度だった。

2人は当初、配管周辺で作業していたが、近嵐さんが何らかの理由で、通常は人が入らないタンクに入ったという。

鈴木さんが、タンク内で倒れている近嵐さんを発見し、もう1人の同僚に知らせた後、助けるためにタンクに入ったとみられる。

 

(ブログ者コメント)

酸素濃度18%は、そう低い値ではない。
そろそろ危険領域に入る・・・といった感じの濃度だ。
委細不明。

 

(2022年12月18日 修正2 ;追記)

20221216164分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、統一した酸欠危険場所標識を設置していなかった元請けと混炭機への立ち入り禁止表示や作業前の酸素濃度測定を行っていなかった下請けが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

室蘭労働基準監督署は1215日、酸欠を防ぐために必要な安全対策をしていなかったとして、2つの建設会社や現場責任者などを、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。

労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されたのは、室蘭市の「元請け建設会社」と会社の現場責任者の30代男性、登別市の「下請け建設会社」と会社の現場責任者で、今回の事故で死亡した50代男性です。

室蘭労働基準監督署によりますと、メンテナンスの元請け建設会社などは、酸欠の危険がある場所であることを周知するために、「統一した標識などを設置」しなかった疑いが持たれています。

一方、下請けの建設会社などは、酸欠の危険がある「混炭機」への立ち入りを禁止する表示や、「混炭機」で作業する際に、本来義務付けられている「酸素濃度の測定」をしなかった疑いが持たれています。

室蘭労働基準監督署は、元請け側、下請け側ともに認否を明らかにしていません。

【参考】

混炭機とは、コークス原料の予備炭と石灰を乾燥させた際に発生する微粉炭を混合する機械のこと。
混炭機を含む石炭事前処理設備内において、発火防止のため、当該設備全体に窒素を充てんしていたため、酸素欠乏危険場所に該当するものです(室蘭労働基準監督署の説明より)。

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa853e303c2064bb359b12d772fdcc64356e1927

 

 

 

   

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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