2024年5月20日16時57分にYAHOOニュース(東日本放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前7時半ごろ、石巻港に係留していたパナマ船籍の貨物船の倉庫内で倒れている作業員2人がつかりました。
作業員はいずれも50代男性で、石巻市の病院に搬送されましたが、このうち石巻市の57歳男性が意識不明の重体だということです。
貨物船は18日から石巻港に係留してパームヤシの殻の積み込みを行っていて、2人は20日の午前7時半ごろから倉庫内で準備作業をしていました。
パームヤシの殻は石巻市のバイオマス発電所で燃料として使う予定でしたが、国内での期限が切れたことから、タイへ輸出することになっていたということです。
倉庫は荷物を運ぶ際には密閉されていますが、当時は作業のため開いた状態でした。
倉庫内では有毒なガスは確認されず、換気が不十分で酸素が不足していた可能性があるということです。
石巻海上保安署は業務上過失致傷の疑いも視野に、事故の詳しい原因と安全管理が正しく行われていたかを調べています。
国内では過去に、貨物船から木材チップを取り出す作業をしていた際に作業員が酸欠で倒れる事故が発生しています。
貨物船の甲板の下には、船倉と呼ばれる貨物を積み込む場所が設置されています。
厚生労働省によりますと、過去には船倉内の空気中の酸素が木材チップに吸収され炭酸ガスを排出したことで酸素不足になり、作業員が酸欠になった事故が発生しているということです。
今回、貨物船では18日から船倉内にパームヤシの殻を積み込む作業が行われていました。
石巻海上保安署によりますと、パームヤシの殻は酸素を吸収しやすいということで、屋根状のカバーを開けて作業していたものの、作業開始当時、船倉の低い部分では酸欠状態になっていた可能性もあるとしています。
厚生労働省は、作業開始前に酸素濃度の測定や船倉内に備え付けられている可搬式の換気装置の使用を呼び掛けていて、宮城労働局は今回、これらの安全衛生管理が行われていたのか調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca312f81dae466ad76fa243b1208a825439277d7
5月20日19時6分にYAHOOニュース(河北新報)からは、回復した男性には二酸化炭素中毒の症状がみられた、ヤシ殻が酸素を吸収し二酸化炭素を出すという植物の特性を失っていなかったことが原因か?など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前7時半ごろ、宮城県石巻市の石巻港雲雀野ふ頭に係留中のパナマ船籍の貨物船「EVER FELICITY」(9589トン)の船倉内で、作業員2人が倒れているのを別の作業員が発見した。
石巻海上保安署によると、石巻市の男性(57)は酸欠状態で意識不明の重体。
宮城県大崎市の男性(53)は回復したが、二酸化炭素中毒の症状が見られた。
2人はパームヤシ殻を積み込む作業をしており、事故時はクレーンで上から船倉内にパームヤシ殻をならす機材を搬入していた。
海保は、パームヤシ殻が暗い所で酸素を吸収し、二酸化炭素を出すという植物の特性を失わなかったため、二酸化炭素が船倉内にたまったとみて調べている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8871e9b8bc7b4e2240b30d8838f146ed657be1aa
5月20日18時58分にYAHOOニュース(宮城テレビ)からは、2人は倉庫に入り、すぐに酸欠で意識を失ったらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
船には、酸素を吸収しやすいパームヤシ殻が積まれていて、2人は倉庫に入り、すぐに酸欠で意識を失ったとみられるという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/be9f546f9da0e3cd39fe586cb953c495af031e7d
5月20日20時53分に朝日新聞からは、積み込み予定5000トンのうち3500トンが積み込まれていた、積み込んだヤシ殻の表面をならす機材を積み込む作業中だった、直前まで倉庫の扉が閉まっていたことも原因だった可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
石巻海上保安署によると、2人は酸欠で意識を失った。
救急搬送されたが、同市の男性(57)は意識不明の重体、大崎市の男性(53)は容体が安定し帰宅したという。
船はパナマ船籍で、15日から石巻港に係留し、パームヤシ殻を積んでいた。
事故当時、積み込む予定量5千トンのうち、約3500トンが積み込まれていたという。
2人は、積んだパームヤシ殻の表面をならす機材を倉庫内に積み込む作業中だった。
2人は。積んであったパームヤシ殻の上で倒れていたという。
署は、作業直前まで倉庫の扉が閉まっていたことや、パームヤシ殻は酸素を吸収しやすい特性があることが原因の可能性もあるとして調べている。
パームヤシ殻はパーム油を生産することで出る。
海外から輸入され、バイオマス燃料として国内で使われている。
石巻市では今年、「石巻ひばり野バイオマス発電所」の営業運転が始まった。
署によると、この船に積んでいたのはその余剰分を他国に送るためのものだという。
https://www.asahi.com/articles/ASS5N3SV2S5NUNHB003M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
(ブログ者コメント)
上記情報から推定すると、前日までにヤシ殻3500トンを積み込んだ後、船倉の屋根や扉を閉め、事故当日、残りのヤシ殻を積み込む準備をするために屋根や扉を開け、酸素濃度測定などをしないまま船倉に下りて行った・・・ということかもしれない。
もしそうだったとすれば、船倉内は結構広い空間だし、昨日の今日に、まさか酸欠状態になっているとは思いもつかなかったのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。