2020年9月1日に掲載した元記事がブログサイト運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10960/
(2020年10月2日 修正2 ;追記)
2020年9月25日付で毎日新聞東京版からは、タンク跡付近の状況など、下記趣旨の補足説明的記事が現場の断面概要図付きでネット配信されていた。
横浜市金沢区の旧米軍施設「小柴貯油施設跡地」の工事現場で重機を運転していた男性(62)が貯油タンク跡に転落死した事故は、25日で発生から1カ月を迎える。
重機の重みでタンク跡のふたが崩落したとみられるが、発注元の横浜市は「あらかじめ決められたルート以外は通らない指示になっていた」と、重機がルートをそれなければ転落しなかったことを強調する。
重機がふたの上を走行した理由は何か。
ふたの危険性はどこまで共有されていたのか。
神奈川県警は業務上過失致死容疑で捜査を進めている。
【横浜市「想定外」を強調】
事故は8月25日夕に発生した。
タンク跡は直径約45メートルで深さ約30メートル。
内部には水がたまっており、転落直後は沈んだ重機すら見えなかった。
横浜市の建設会社社員で重機を運転していた男性の遺体が見つかったのは、排水作業が進んだ28日。
窒息死だった。
市によると、ふたは円形のコンクリート製で、事故当時は表面に土がかかっていた。
タンク跡の存在を目視で確認することは難しく、「落とし穴」のような状態になっていた。
林文子市長は今月2日の定例記者会見で、「市としては工事の受注にあたって危険性を示していたと思う」と述べ、タンク跡やふたの状態を業者側に説明していたとの見解を示した。
市公園緑地整備課は「具体的には答えられない」と慎重だが、重機を運転していた男性の行動は「想定外」だったとしている。
同課によると、重機は跡地内の決められたルートで土を運ぶことになっており、ルート通りに作業をしていればふたの上部を通過することはないという。
しかし、ふたについては工事後に撤去する予定だったため、強度などの確認はしていなかったとも明かした。
同課は「そもそも上に重機や人が乗ることは想定していない」と釈明するが、重機が通過すれば、ふたが崩落するほど危険な状態だったことを業者側にどこまで伝えていたのかについては明言を避ける。
市によると、もともとタンク跡は25メートルが地中に埋まっていたが、5メートルほどは地上に出ており、その周囲には土が盛られている状態だった。
今年5月の時点ではタンク跡は丘のようになっており、ふたは地上から5メートルの高さに位置していた。
一方、今年5月以降、事故のあったタンク跡から14メートル離れた平地に土の仮置き場がもうけられ、別のタンク跡を埋めるための土を運び入れる作業が行われていた。
その後、仮置き場の土が増え始め、タンク跡のふたと同じ程度の高さまで積み上げられ、同じ平面上で行き来できるようになっていた。
市によると、転落した重機の男性もこの作業に加わっていたという。
工事を受注した共同企業体(JV)のうちの1社で、元請けの飛島建設(東京都港区)の広報担当者は「警察の捜査の結果が出るまで、先走った話はできない」と話す。
下請けで、亡くなった男性が勤めていた建設会社は取材に応じなかった。
小柴貯油施設は戦前、旧日本海軍が燃料を貯蔵する施設として建設された。
ふたも当時の日本海軍が設置したとみられる。
戦後、米軍に接収され、航空機燃料の備蓄基地として使用された後、2005年に返還された。
横浜市は08年に「跡地利用基本計画」を策定。
都市公園として再利用することを決めた。
国は市が敷地内に34基あるタンク跡の撤去や土壌汚染の処理をすることを条件に13年、市に無償貸与した。
市はタンク跡の撤去には多額の費用がかかると判断し、タンク跡そのものを土で埋めることにした。
https://mainichi.jp/articles/20200925/ddm/041/040/114000c
9月26日付で毎日新聞東京版からは、市が業者に渡した図面にはタンク位置が記載されていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は25日の市議会で、工事を受注した共同企業体(JV)側に示した図面には、タンク跡の位置が明記されていなかったことを明らかにした。
市職員が口頭で伝えていたかについては、警察の捜査などを理由に言及しなかった。
共産党の古谷靖彦氏の質問に市幹部らが答えた。
答弁などによると、市とJVの担当者は5月14日、タンク跡を埋めるための土を搬送する作業について現地で打ち合わせをしたが、市側が示した図面に今回事故が起きたタンク跡の位置は示されていなかった。
市側は答弁で「(担当)部局ではしっかりとタンクの位置を認識していた」と回答したが、この図面以外にJV側に提供した図面がなかったことも明かした。
https://mainichi.jp/articles/20200926/ddm/041/040/116000c
(2021年3月26日 修正3 追記)
2021年3月24日19時58分に神奈川新聞からは、労安法で義務付けられている現場巡視を35日間怠っていたとして現場監督が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜南労働基準監督署は24日、労働安全衛生法違反の疑いで、東京都港区の土木・建築工事業者と現場責任者の40代男性を書類送検した。
書類送検容疑は、昨年6月15日~8月24日の間の計35日間、現場の巡視を行わなかった、としている。
労基署は認否を明らかにしていない。
当時、現場責任者は横浜市戸塚区の現場に常駐していたという。
労働安全衛生法では、下請け業者に作業を請け負わせるに当たり、元請け業者に作業場所の巡視を義務付けている。
https://www.kanaloco.jp/news/social/article-443043.html
3月24日23時33分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からは、現場監督は毎日巡視すべきところ数日間しか巡視していなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜南労働基準監督署は、この事故に関連して、本来、作業日に毎日行うことが義務づけられている現場の安全確認の巡回を、35日間行わなかった疑いがあるとして、工事の元請け業者である飛島建設と現場責任者の男性社員を、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
現場責任者は数日間しか巡回をせず、事故当日は亡くなった作業員が1人で作業をしていたということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/383106a97eba52a65313057cfc6f2635de7c4242
3月24日13時24分にYAHOOニュース(テレビ神奈川)からは、6月から8月までの間、少なくとも35日巡視を怠っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜南労働基準監督署によりますと、飛島建設などは去年6月から8月までの間、現場で作業員に残土処理を行わせるにあたり、作業現場が安全に保たれているかなどの巡視を、少なくとも35日間行わなかった疑いが持たれています。
横浜南労働基準監督署は、飛島建設と現場責任者の男性のそれぞれの認否について明らかにしていません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/10315d986833a7e34131c72c174f97c85405cea9
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。