2017年1月29日18時29分にNHK水戸から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沖合での風力発電を行うため、茨城県が神栖市の鹿島港沖合で準備を進めていた風力発電の事業で、大手商社の「丸紅」が事業から撤退することになった。
県は、2月にも新たな事業者の公募を始めることにしている。
この事業は、県が鹿島港沖の広さ680ヘクタールの範囲を風力発電専用の水域と定めて、5年前に事業者の公募を行った結果、「丸紅」と県内の業者合わせて2社が選ばれ、準備を進めてきた。
県によると、このうち「丸紅」が12月、県に事業からの撤退を通知してきたという。
撤退の理由について、丸紅側は県に対して、洋上での風力発電装置の維持管理の費用が想定よりもかかるなど、「当初想定した事業採算の水準を下回るため」と説明しているという。
これを受けて県は、2月にも改めて、事業者の公募を行うことにしている。
一方、丸紅と共に選定を受けた地元・神栖市の風力発電会社「ウィンド・パワー・エナジー」社は、すでに建設工事に着手し、発電開始の準備を進めている。
県では、「丸紅の撤退は残念だが、早急に公募を行い、次の事業者を決めていきたい」と話している。
出典
『神栖沖の洋上風力発電丸紅撤退』
http://www.nhk.or.jp/lnews/mito/1073418791.html?t=1485734232828
1月11日付で毎日新聞茨城版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県は10日、鹿島港(神栖市)沖に建設予定だった国内最大規模の洋上風力発電施設について、事業者2社のうち、大手商社、丸紅が撤退すると発表した。
丸紅は、「発電に適した風力がないなど、採算が合わないと判断した」と説明している。
県は丸紅からの申し出を承認し、来月改めて事業者を公募する。
鹿島港の沖合約600mの約680ヘクタールの海域に、5メガワットの風車約50基を建設する計画。
県は事業者を公募し、2012年8月、丸紅と、ソフトバンクグループの「SBエナジー」やオリックスなどが出資する「ウィンド・パワー・エナジー」(神栖市)の2社に決定した。
2社は南北半分ずつで事業を行う予定で、当初は、17年の発電開始を目指すとしていた。
丸紅が担当する南側区画は着工前で、先月26日に事業取りやめを申し出た。
一方、ウ社が受け持つ北側は、15年に関連する陸上施設の工事が始まっているが、国内風車メーカーの開発が遅れていることなどから洋上工事は進んでおらず、完成の見通しはたっていない。
出典
『風力発電 丸紅が撤退 採算合わず 県、改めて募集 鹿島港沖』
http://mainichi.jp/articles/20170111/ddl/k08/020/057000c
1月12日付で東京新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県港湾課によると、同社は南側区画の340ヘクタールで事業を計画していたが、昨年末、「当初、想定した採算の水準を下回った」と、県に撤退を申し入れた。
洋上風力発電の普及により下がるとみられていた建設や維持管理コストが予想より下がらなかったという趣旨の説明を受けたという。
出典
『鹿島港沖合の洋上風力発電計画 丸紅が事業から撤退』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201701/CK2017011202000162.html
(ブログ者コメント)
〇NHKからは、平成24年の映像として、護岸沿いに複数の風車が建てられている様子が放映されていた。
他の情報とも合わせ考えると、まずは手前から建設し、徐々に沖合に建設していくものと思われる。
〇洋上発電コストについては、たぶん2015年か16年の報文だと思うが、以下の試算例があった。
『洋上風力発電の現状と今後の展望 日本風力発電協会 事務局 部長 海津 信廣』
(内容骨子)
・世界の洋上発電導入実績
・日本の洋上発電導入実績と計画
・洋上発電コスト試算例
ケースによっては、現状36円が14.5円/kwhになるとの試算。
http://jwpa.jp/2015_pdf/88-33tokushu.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。