2021年3月9日19時53分にNHK東北から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東北大学の研究グループが、東日本大震災で「低体温症」で死亡した人を調べた結果、8割近くが屋内で発見されていたことがわかりました。
研究グループは、自宅などで救助を待つ間に、寒さが原因で死亡に至ったケースも考えられるとして、避難所などでの対策の重要性を指摘しています。
東北大学災害科学国際研究所の門廻充侍助教らのグループは、東日本大震災で死亡した人のうち、宮城県の9527人について、死因や、遺体が発見された場所などの記録を宮城県警から提供を受け、3年前から分析を進めています。
研究グループは、このうち、「低体温症」で死亡した22人を詳しく調べた、今年度の研究結果を今月発表しました。
それによりますと、22人のうち、8割近くにあたる17人は、建物の中など屋内から発見されていたということです。
15人は、津波が到達している地区の屋内で発見されましたが、残りの2人は、浸水していない気仙沼市の大峠山地区で見つかっていました。
2人の自宅はいずれも別の地区にあり、大峠山地区には、避難所となっていた中学校などがあるということです。
このため研究グループは、津波を逃れて体がぬれなかった人でも住宅などの高い階に避難して救助を待つ間や、避難所に移動して過ごしているうちに、寒さが原因で死亡に至ったケースも考えられるとしています。
門廻助教は、「津波で体がぬれて低体温症になった人が多いと考えていたが、浸水していない地域で亡くなった人がいたのは正直驚いた。寒さにどう備えるかについて次の災害に向き合う人たちに今回わかったことを届け、1人でも多くの命を救うことにつなげたい」と話しています。
門廻助教らの研究グループが宮城県警から提供を受けたデータは、9527人分の年代や性別、死因のほか、遺体が発見された場所などがまとめられています。
死因は多い順に
「溺死」が8677人
「焼死」が 81人
「窒息」が 63人
「頭部損傷」が49人
などとなっていて、「低体温症」は海上で見つかった1人も含めて23人でした。
今年度の研究では、陸上で見つかった「低体温症」の22人を詳しく分析しています。
このうち、見つかった場所は、気仙沼市の大峠山地区が3人と最も多く、石巻市の雄勝町雄勝と、南三陸町の志津川汐見町、亘理町吉田、山元町山寺が、いずれも2人で、沿岸部8自治体の16地区となっています。
さらに、「低体温症」で死亡した人は、70代以上の人が7割を超えていました。
高齢者は自分で熱を生む力が低下し、外気温の影響を受けやすいとされていて、研究グループは、特に高齢者に対して、災害時の寒さ対策が必要だと指摘しています。
今回の研究結果をもとに、門廻助教は、自分でできる低体温症対策の1つとして、小さな袋に入れて持ち運びができるタイプの上着を災害時の非常持ち出し袋に入れておくことを提案しています。
着るだけでなく、床にしいたりひざかけにしたりなどさまざまな用途で寒さをしのげることから、活用を呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20210309/6000013859.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。