2016年6月21日15時27分にNHK福島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
須賀川市の企業が開発した段ボール製のパネルを使った救急治療室が、熊本地震の被災地に送られることになり、21日、出発式が開かれた。
熊本地震の被災地に送られることになったのは、須賀川市の企業が開発した、段ボール製のパネルを組み立ててつくる救急治療室で、熊本県宇城市の保健所に提供される。
21日は、この会社の工場で現地へ向けての出発式が開かれ、県の関係者や社員など、およそ10人が参加した。
式では、はじめに神田雅彦社長が「安全に現地に届けてほしい」と激励したあと、現地へ届ける社員が「開発した製品が被災地で役に立つのか、しっかりと確認したい」と答えていた。
そして、段ボール製のパネルを積んだ車に乗り込み、熊本に向けて出発していった。
今回送られる救急治療室は、完成すると6畳ほどの広さがあり、福島県によると、こうした治療室が熊本地震の被災地に提供されるのは初めてだという。
神田社長は、「東日本大震災では、さまざまなものが、使いたくても使えない状況だった。避難生活を送る人たちに不自由のない生活をしてもらいたい」と話していた。
出典
『段ボールの救急治療室 熊本へ』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6053317081.html?t=1466541275637
少し前、2016年1月4日にも、毎日新聞福島版から、防音室や救命用に使えるという記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
「これなら周りを気にせず歌えます」。
半畳ほどの広さの個人向け段ボール製防音室。
福島県須賀川市の段ボールメーカー「神田産業」の神田雅彦社長(55)は、かがんで中に入ると胸を張った。
1人で歌ったり楽器を演奏したりして動画サイトに投稿する愛好家が増えている。
その愛好家らが室内にこもり気兼ねなく歌えるようにと製作されたのが、この「だんぼっち」と名付けた防音室だ。
標準サイズは幅80cm、奥行き110cm、高さ164cm。
2014年2月から販売すると注文が殺到。
さらに縦長や幅広型も開発し、価格は標準サイズを含め5万9800〜8万6400円。
15年11月末までに計約1700台売れた。
漫画家の作業用や書斎、受験勉強用と使われ方も多様化し、12月には韓国にも45台が出荷された。
発案と販売元は、玩具メーカー、バンダイナムコの子会社「VIBE(バイブ)」(東京都中央区)。
低コストで防音室を製作できるメーカーを探していたところ、東北地方の企業などでつくる経済団体に神田産業を紹介された。
同社は梱包用段ボールのメーカーだが、梱包以外の活用法を探ろうと、防音性に着目した研究を続けていた。
その研究で注目したのが、六角形の芯材をハチの巣(ハニカム)状に並べ、両側に紙製の板を張った段ボール「ハニリアルボード」の防音性だ。
厚さ約3cmだが、1m2当たり30トンの荷重に耐えられ、断熱性にも優れる。
「だんぼっち」は、このボードを用い、扉の枠部分にゴムを使い、隙間ができないようにするなどして、密閉性を高めた。
「室内で大声で歌っても、外では普段の会話程度の声にしか聞こえません」。神田産業の担当者が説明する。
ハニリアルボードを使い、開発を進めているのが、災害現場で負傷者への緊急手術や治療ができる「救急救命(ER)室」。
福島県立医大などと共同研究し、16年度中の実用化を目指す。
ER室は、幅6m、奥行き3.6m、高さ2.5mで、重さは約250kg。
組み立てに工具を使わず、3人で30分ほどで組み立てられるようにする。
従来の医療テントより密閉性が高く、手術に加え、重篤な感染症患者の治療室にも活用できる。
場所を選ばず災害や緊急時に役立つとして、既に、国や病院から問い合わせが来ているという。
コストを下げ、アフリカなど海外に輸出することも検討中だ。
神田社長は、「身近な段ボールだが、アイデア次第で思わぬ活用法が生まれる。社会貢献にもつながれば、こんなうれしいことはない」と話す。
出典
『福島・段ボール製品 大声で歌える防音室 軽さ生かし救命用にも』
http://mainichi.jp/articles/20160104/ddl/k04/040/034000c
(ブログ者コメント)
被災地で段ボール製のベッドや間仕切り、トイレが役立つことは本ブログでも情報提供してきたが、救急治療室まであったとは驚いた。
(2016年7月30日 修正1 ;追記)
2016年7月29日19時50分にNHK福島から、初納入の医科大学で組み立て状況が披露されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大規模な災害や感染症が発生した際に、すばやく組み立てて使える段ボール製の治療室が開発され、29日、県立医科大学で披露された。
段ボール製の組み立て型救急救命室は、須賀川市の企業が県の支援を受けて開発し、29日、初めて納入された県立医科大学で、医師などの関係者に披露された。
使われているのは、軽くて強度の強い「ハニカムダンボール」と呼ばれる素材で、1枚が縦2.4m、横1.2m、重さ8.5kgのパネルを組み合わせて使う。
5人が作業して1時間ほどで組み立てることができ、これまで災害現場などで使われていたテントに比べて、機密性や保温性、清潔性などに優れ、熊本地震の被災地でも使用されている。
県立医科大学では、救急救命室としてだけでなく、新型インフルエンザなどの感染症が発生した場合でも、病院に病原体を入れないよう外で治療できる場所として、活用することにしている。
県立医科大学の金光教授は、「燃やして処分できるなど、感染症対応に向いていると思い採用しました。段ボールとは気づかないほど立派で強度もあり、不安はありません」と話していた。
開発した「神田産業」の神田社長は、「誰でも、短時間で、工具を使わず組み立てられるようにするのが大変でした。実際に使ってもらいながら改善を繰り返していきたい」と話していた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6054389461.html?t=
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。