2018年2月22日21時21分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20km以上歩くなど過酷な社員研修で足に障害が残ったとして、太陽光発電設備などを手掛ける「サニックス」(福岡市)に元社員の男性(52)=広島県福山市=が約2200万円の損害賠償を求めた訴訟で、広島地裁福山支部は22日、サニックスに1592万円の支払いを命じた。
金光裁判官は、「年齢や運動経験を全く配慮せず、研修内容に無理がある」と述べた。
判決によると、男性は2013年に入社し、福岡県宗像市の同社施設で13日間の研修に参加した。
当時48歳で体重が101kgあったが、10人の班で繰り返し歩かされ、終盤には「サニックススピリッツ」と称して24kmを5時間以内で歩く訓練を課された。
会社側には「一人でも離脱したら班全体が失格」、「正社員になれない」などと言われ、男性は鎮痛薬を飲んで完歩。
しかし、右足の膝が動きにくくなる障害などが残り、男性は14年に退社して労災認定も受けた。
同社は「症状の原因は痛風」などと主張したが、金光裁判官は無理な歩行が原因と判断。
その上で、「研修参加者の外出を禁じ、病院を受診する機会を奪っている。『スピリッツ』は個人差や運動経験の有無に全く配慮していない無理があるプログラム」などとし、後遺症による逸失利益や慰謝料などを支払うよう、同社に命じた。
同社は、取材に対し「安全配慮をしていたという認識に変わりはない」と述べた。
出典
『過酷研修で障害 サニックスに賠償命令』
https://mainichi.jp/articles/20180223/k00/00m/040/105000c
2月22日20時30分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は2013年8月に入社。
福岡県宗像市での研修で24kmを5時間以内で歩くプログラムに臨み、4時間51分で歩ききった。
その後、病院で右足関節離断性骨軟骨炎などと診断され、足の一部の関節の可動範囲が狭まるなど、両足に障害が残ったという。
当時、身長171cm、体重101kg。
事前の訓練で足の痛みを訴えたが、「完歩しないと正社員にはなれない」と言われたと主張していた。
判決は、足の障害は研修によるものと認定。
「参加者の個人差や運動経験に配慮していない点で、無理があるプログラム」と指摘し、事前の訓練で痛みを訴えたのに中断させず、医師の診察も受けさせなかったことは安全配慮義務違反にあたるとした。
同社の広報担当者は、「主張が認められなかったことは遺憾。今後の対応は判決を確認してから検討したい」としている。
出典
『24キロ完歩研修「無理がある」 福岡の会社に賠償命令』
https://www.asahi.com/articles/ASL2Q5DNWL2QPITB00M.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。