2018年2月23日付で朝日新聞(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府内の公益社団法人「四条畷市シルバー人材センター」から委託された草刈り作業中の事故で失明したとして、四条畷市の男性(75)がセンターなどに約2300万円の損害賠償を求めて提訴した。
23日に大阪地裁で初弁論があり、センター側は争う姿勢を示した。
訴状などによると、男性は2016年10月、円盤状の刃の高速回転で草を刈る「刈払機」を使って同市内の大学キャンパスで除草作業中、跳ね上がった土が目に入り、土中のカビ菌により左目を失明したという。
「刈払機」を製造する複数のメーカーは、安全確保のため、防護眼鏡を着用し、湿度が高い環境では眼鏡が曇るため作業しないよう求めている。
事故当日は雨上がりで湿度も高かったが、男性は作業を求められ、視野を確保するため眼鏡を着けずに作業せざるをえなかったとしている。
事故後、目の前の手の動きを判別する程度の視力しかなくなり、カビ菌の再発防止のため、午前7時から午後9時まで、定期的に点眼しなければならないという。
また、男性は恒常的に1日4時間超作業し、手や腕に痛みやしびれ、握力の低下が生じる振動障害と診断されたとも主張。
業界団体は、作業は1日2時間以内が望ましいと指導しており、男性はセンターが高齢者が安全に就労できるか確認する義務を怠ったと訴えている。
センター側は「個別の事案については、お答えできない」としている。
「刈払機」は、ホームセンターやインターネットで手軽に購入できる。
消費者庁と国民生活センターによると、統計を取り始めた2009年から17年6月までに、「刈払機」による事故は140件報告された。
被害者の半数は60歳以上で、手の指や足の骨折や切断、目の損傷など、重篤な事故も多い。
消費者庁は、家族や周囲の人も、作業者が安全対策をきちんと行っているか確認するよう、呼び掛けている。
厚労省の通達に基づき講習を実施する「林業・木材製造業労働災害防止協会」によると、高齢者は視野が狭くなる傾向があるといい、通常のカリキュラムに加え、実技を時間をかけて指導することも多いという。
(ブログ者コメント)
「厚労省の通達に基づき講習を実施」と報じられている件、上記協会以外、さまざまな機関で講習が開かれている。
以下は、(社)安全衛生マネジメント協会の案内文(抜粋)。
『刈払機取扱作業者安全衛生教育』
刈払機は山林だけでなく道路、河川、田畑、公園、工場敷地などの幅広い場所で使用されていますが、取扱い方法を間違えたり、点検や整備不足などから事故を引き起こし、最悪の場合は死亡災害に至ったケースもあります。
こうしたことから、各種作業における刈払機の使用にあたって作業者の安全を確保するため、事業者に『チェーンソーによる伐木造材作業等の特別教育』に準じた教育を実施するよう、厚生労働省より通達文書が出されています。
これは、事業者が刈払機の取扱作業者に対して、安全衛生に関する知識を習得させるように、安全衛生教育の実施を求めているものです。
当協会では、この通達に基づく安全衛生教育を実施しています。
[対象者]
業務として刈払機を使用する作業に従事する者
https://www.aemk.or.jp/kyoiku/shubetsu_kariharai.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。