2017年3月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月10日0時43分に朝日新聞から、3月10日0時57分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。3月10日付の毎日新聞東京版夕刊紙面にも、同趣旨の記事が掲載されていた。
9日午後4時35分ごろ、東京都八王子市北野台5の民家で、生後10カ月の女児が大型犬のゴールデンレトリバー(4歳オス、体重約37kg)に頭をかまれ、約2時間後に搬送先の病院で死亡した。
警察によると、現場は女児の母親の実家。
母親は、この日、保育園に女児を預けて出勤したが、女児が発熱したため、祖父母が自宅に引き取って世話していた。
当時は祖父母と3人で1階のリビングで遊んでいたが、ハイハイしていた女児に、近くにいた飼い犬が、突然、かみついたという。
近くにいた祖母が「だめ」と怒ると、犬はすぐにおとなしくなったという。
リビングには犬用のケージがあるが、普段から放し飼いにしていたという。
女児は、祖父母宅をしばしば訪れていた。
祖父母は警察に「ほえたりかんだりしない、臆病でおとなしい犬だった」と説明しているという。
現場は、京王線北野駅の南約1.5kmの閑静な住宅街。
日本警察犬協会のホームページによると、ゴールデンレトリバーは従順で忍耐強く、温和な性格。
体高は標準で約50~60cm。
シェパードなどと同様、警察犬指定犬種になっている。
環境省によると、犬のかみつき事故(2015年度)は全国で4373件で、98%が飼い犬だった。
15年には北海道の住宅で、女性(52)が知人の飼い犬にかまれて死亡。
14年には大分県で、集団登校をしていた小学生ら7人が首輪をつけた中型犬にかみつかれ、けがをする事故が起きている。
出典
『乳児死亡 犬にかまれ 預け先の祖父宅飼育 東京・八王子』
http://mainichi.jp/articles/20170310/ddm/041/040/141000c
『10カ月の女児、飼い犬にかまれ死亡 東京・八王子』
http://www.asahi.com/articles/ASK397GRMK39UTIL06V.html
『乳児、飼い犬にかまれ死亡 東京・八王子、祖父母宅』
https://this.kiji.is/212581762460532738?c=39546741839462401
3月14日5時0分に朝日新聞からは、下記趣旨の解説的記事が最近のかみつき事故の一覧表付きでネット配信されていた。
飼い犬のゴールデンレトリバーに生後10カ月の女児がかまれて亡くなるという、痛ましい事故があった。
家族同様に慣れ親しんだおとなしい犬でも、人をかむことがあるのか。
どうすれば防げるのか。
国内で血統証明書を発行する一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」(東京)によると、ゴールデンレトリバーは英国原産。
温和な性格とされ、古くは狩りで撃ち落とした鳥類をくわえて運ぶ「鳥猟犬」だった。
利口で人と行動することを好むため、警察犬や介助犬、災害救助犬として活躍することが多い。
では、なぜ、いきなり女児をかんだのか。
犬の問題行動やしつけについて出張指導する「Doggy Labo(ドギー・ラボ)」(東京)代表の中西典子さんによると、犬がかみつくのは、怖い時、不快感がある時、何かを制止したい時が主だという。
女児は最近、ハイハイを始めたばかりだった。
「ゴールデンレトリバーが赤ちゃんをかんだというのは、ほとんど聞いたことがないが、人が何とも思わない行動でも、犬がどう受けとめるのか、わからない。予期せぬこともあると理解し、乳児と一緒のときは目を離さないようにしてほしい」
東京大学大学院獣医動物行動学研究室の武内ゆかり准教授(動物行動学)は、別の理由を示唆する。
「赤ん坊のミルクの匂いを食べ物と勘違いした可能性が考えられる。小さな体は獲物と認識しやすく、しつけられていても、犬の本能が働くことがある」。
小型犬であっても、室内で赤ちゃんと犬のみにするのは危険だと指摘する。
室内で放し飼いの犬は多いが、小さな子どもがいる場合、武内さんは、口元を覆う「バスケットマズル」という犬用の口輪を薦める。
口輪には、ほえないよう強く固定するものもあるが、バスケットマズルは籠状で、比較的空間が確保されている。
「見た目がかわいそうという飼い主もいますが、犬にストレスはありません。ほえることもでき、慣れれば首輪と同じです」と話す。
環境省によると、犬のかみつき事故は全国で4373件発生(2015年度)。
野犬による被害が減る一方で、飼い犬による事故が95%以上を占める。
被害者の状況別では「通行中」が最多で、「配達、訪問などの際」が続くという。
同省動物愛護管理室は、「どんな種類の大型犬でも小型犬でも、かみつきのリスクはある。『うちの犬は大丈夫』と過信しないでほしい」と呼びかけている。
出典
『温和なのに、どうして…犬が人をかむ事故、防ぐ方法は?』
http://digital.asahi.com/articles/ASK3F31X2K3FUTIL007.html?rm=759
(ブログ者コメント)
この事例も、想定外の事故の一つということか・・・。
しかし考えてみれば、いくら従順温和といっても、犬のルーツはオオカミだ。
危険は封じ込められていると過信することは禁物。
これは、産業安全全般にもいえることだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。