2018年4月19日23時11分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
マグネットボールと呼ばれる強力な磁石の玩具を幼児が誤飲し、胃や腸に穴が開く事故があったとして、国民生活センターは19日、注意を呼びかけた。
マグネットボールは直径3~30mm程度。
いくつも組み合わせ、様々な形を作って遊ぶ。
指先などを上下二つで挟んでも落ちないほど、磁力が強い。
同センターによると、昨年12月、3歳男児がクリスマスプレゼントでもらったマグネットボール(直径3mm)5個を相次いで誤飲。
約1週間後に開腹手術をしたところ、胃と小腸を貫いてつながっていた。
今年1月には、1歳9か月の女児がマグネットボール37個を誤飲し、開腹手術で摘出した。
小腸の3か所に穴が開いていた。
同センターが、マグネットボールを販売していた32のインターネットサイトを調べたところ、30サイトが誤飲に関する注意表示をしていなかった。
同センターは、「子供に強力な磁石を玩具として与えないでほしい。誤飲に気付いたら、すぐに医療機関で受診を」と呼びかけている。
出典
『マグネットボールを幼児誤飲、胃や腸に穴開く』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180419-OYT1T50131.html
4月19日18時25分にNHK NEWS WEBからは、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「マグネットボール」と呼ばれる強い磁石のおもちゃを子どもが誤って飲み込んでしまう事故が相次いでいる。
磁石に挟まれて腸に穴が開いてしまう深刻なケースも起きていて、国民生活センターはネット通販大手に対し、強い磁石を子どものおもちゃとして販売しないよう求めた。
「マグネットボール」は、数mmほどの磁石が数10個から200個ほどセットになったおもちゃで、さまざまな形に組み合わせて遊ぶことができることから、人気を集めている。
ところが、国民生活センターには、子どもがこうした磁石を誤って飲み込んでしまったという事故の報告が、平成22年以降124件寄せられていて、去年12月とことし1月には、体の中で引き寄せ合った「マグネットボール」に挟まれて腸の壁などに穴が空いてしまい、緊急に手術したケースが2件相次いだという。
一方、国民生活センターが「マグネットボール」を扱っている32の通販サイトを調べたところ、30のサイトは事故に注意を呼びかける表示がなかった。
このため国民生活センターは、ネット通販大手のアマゾンなど3社に対し、強い磁石を子どものおもちゃとして販売しないことや、もし販売する場合は、対象年齢や注意点を表示するよう求めるとともに、利用者に対しても子どもに触らせないよう呼びかけている。
西日本に住む40代の女性は、7年前、当時1歳5か月だった長女が2cmほどの大きさの磁石を口に入れているのを見つけ、医療機関を受診した。
エックス線写真を撮って調べたところ、長女は2個の磁石を飲み込んでいたが、磁石どうしは離れていたため、経過を見ることになった。
ところが、翌日になっておう吐を繰り返すなどしたため、再び検査したところ、離れていたはずの2つの磁石が胃と腸を挟み込んでくっついていることがわかった。
急きょ手術した結果、磁石を取り出すことはできたが、強い力で挟まれた腸の壁などの3か所に穴が開いていた。
母親は、「離れていたはずの磁石が数時間でくっついている写真を見て衝撃を受けました。小さいものの誤飲には気をつけていましたが、磁石が危険とは想像していませんでした」と話している。
手術を担当した県立広島病院の亀井医師は、「腸の壁や筋肉が磁石で押しつぶされたことで腐っていました。飲みこんでから33時間という短い時間で危険な状態になっていて驚きました」と話している。
IT大手の「ヤフー」は、国民生活センターの求めを受け、19日から通販サイトでの「マグネットボール」の販売を一時中止するとともに、オークションへの出品を削除する措置をとった。
今後、対象年齢や事故に関する注意書きなどが記載された製品については、内容を確認したうえで販売の再開を認める予定だという。
子どもの事故に詳しい小児科医の山中龍宏さんは、強い磁石を複数飲み込むと、腸の壁などが引き寄せあった磁石に挟まれて血が止まってしまうおそれがあり、子どもだけでなく大人でも注意が必要だと指摘している。
山中さんは、「磁石が冷蔵庫や窓枠などにくっついたまま気づかないこともあり、家庭内で子どもが飲み込まないように注意するには限度がある」としたうえで、「磁石がなくなっていないか確認できるよう、パッケージなどを工夫してもらうとともに、おもちゃに強い磁石は使わないでほしい」と述べ、メーカーや販売会社に早急な対応を求めている。
出典
『誤飲事故に注意!磁石のおもちゃ「マグネットボール」』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180419/k10011410281000.html
(ブログ者コメント)
強力な磁石の誤飲事例については、本ブログでも過去に紹介スミ。
(2021年12月13日 修正1 ;追記)
2021年12月11日21時13分に読売新聞からは、消費者事故調も注意を呼び掛けているなど下記趣旨の記事が、指を挟んでくっついている磁石の写真付きでネット配信されていた。
強力な磁石を使ったおもちゃ「マグネットボール」を子どもが誤飲する事故が相次ぎ、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が注意を呼びかけている。
国内では内臓に穴が開いたケースが複数あり、海外では死亡事故も発生。
事故調は日本小児科学会と連名で危険性を伝える資料を作成し、「小さな子どもには触らせないで」と訴えている。
事故調によると、マグネットボールは1個あたり3~5ミリ・メートルの球体の磁石が数百個程度で1セットになった商品。
磁石同士をくっつけて好きな形を作ることができる。
国内では「知育玩具」や「立体パズル」として10年ほど前から販売されており、100円ショップやインターネットでも購入できる。
立方体の「マグネットキューブ」もある。
消費者庁や同学会には2016年度以降、子どもの誤飲事故が10件報告され、半数の5件は昨年度だった。
昨年9月の事故では、腹痛を訴えた1歳女児の腹部をレントゲン撮影したところ、5個の磁石が見つかった。
磁石に挟まれた小腸は穴が開いており、緊急手術を実施。
3歳の兄のために購入したおもちゃだったが、女児も一緒に遊ぶことがあり、誤ってのんだ可能性がある。
おもちゃに使われている「ネオジム磁石」の磁力は一般的な磁石の10倍以上で、複数の磁石をのむと、腸管などが挟み込まれて穴が開くことがある。
国民生活センターが18年に注意喚起したが事故が絶えず、クリスマスシーズンを迎えて子どもにプレゼントする保護者が増える可能性もあることから、事故調は改めて注意を呼びかけることにした。
事故調と同学会の資料では
▽1個が小さく、子どもが容易に誤飲する
▽1セットの磁石の数が多く、一部がなくなっても気付きにくい
など、おもちゃの特徴や事故の危険性を明記。
小さな子どもに触らせないことや、少しでも誤飲が疑われる場合はすぐに医療機関を受診するよう求めた。
事故調は資料をホームページで公開するとともに、関係省庁を通じて保育所などに提供したり、大手通販サイトでリスクを周知したりしている。
事故調の中川委員長は、「多くの人に危険性を伝え、子どもが被害を受ける事故を少しでも防ぎたい」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211211-OYT1T50206/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。