2019年7月4日15時21分に毎日新聞から、件数推移の棒グラフや容器注意書きの写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
梅雨の季節に強い味方となる防水スプレー。
そんな便利グッズに危険な落とし穴があることをご存じだろうか。
スプレーを吸い込むと呼吸困難や肺炎になる恐れがあり、病院に運ばれる人がいるのだ。
近年、そうした事例が増えており、関係機関が注意を呼び掛けている。
【スプレーを吸い込み9日間入院】
「ホームセンターで購入した防水スプレーを使用したら肺炎になった」
「製品を使用後、呼吸困難となり、重症と診断された」
消費者庁と国民生活センターが行政機関などの情報を集約する「事故情報データバンク」によると、毎年のように防水スプレーを吸い込んだ事故が起きている。
東京都消費生活総合センターにも2016年、数足の靴にスプレーを吹きかけたという20代の都民から、こんな相談が寄せられた。
「自宅マンションの玄関で換気扇を回しながら使ったところ、数時間後に高熱が出て呼吸困難になった。翌日、医療機関を受診すると『過敏性肺炎』と診断され、緊急入院となった」
この都民は酸素吸入や肺洗浄などの治療を受け、9日間入院したという。
【スキーブームで急増】
なぜ、防水スプレーを吸い込むと、こうした症状が起きるのか。
公益財団法人「日本中毒情報センター」などによると、防水スプレーには撥水(はっすい)性の樹脂が配合されていて、これが布などの表面に薄い膜を作ることで水をはじく。
スプレーを吸い込むと、成分の刺激に加え、樹脂が肺の中に付着し、酸素を取り入れて二酸化炭素を排出する「ガス交換」に支障をきたすと考えられている。
同センターの「中毒110番」への相談件数は、1990年前後は10件以下だったが、スキーブームに沸いた93、94年に、それぞれ100件超に急増。
こうした事態を受け、国や製造事業者が、スプレーの粒子を大きくして空中に舞いにくくしたり、靴や服への付着率を高めたりするなどの安全対策を進め、2001年には6件にまで減っていた。
【近年は再び増加傾向に】
しかし、その後は再び増加に転じ、15年は68件まで膨らんだ。
90年代前半の事故は12~3月のスキーシーズンに集中し、使われた対象もスキーウエアが中心だったが、最近では年間を通じて事故が起きるようになり、雨や雪のシーズンは、特に多くなる傾向があるという。
同センターは、「衣類用や皮革用、衣類と靴の両方に使えるものなど、さまざまな製品が出回るようになり、使う機会そのものが増えているのではないか」と推測する。
【マスクをつけ、人がいない風通しの良い屋外で使用を】
ちなみに、15年の相談68件のうち、本来の防水目的でスプレーを使って事故が起きた66件を分析したところ、梅雨に当たる6月が9件と最も多く、7月が8件と続いた。
使った対象は、靴が41%の27件、衣類が29%の19件(レインコート7件、スキーウエア6件など)だった。
場所は、屋内や車内が40件と61%を占め、ベランダや玄関の外、ガレージなどは11%の7件。
また、屋外で使用したが、風向きが変わって吸い込んだ事例も7件あった。
同センターは、「正しく使わないと健康被害が出る可能性がある」とし、
▽使う前に「使用上の注意」をよく読む
▽マスクを着用し、必ず風通しの良い屋外で使う
▽周囲に人(特に子ども)がいないことを確認してから使う
ことなどを呼び掛けている。
出典
『防水スプレーで呼吸困難 梅雨時に増加 屋内での使用避けて』
https://mainichi.jp/articles/20190704/k00/00m/040/121000c?pid=14509
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。