2019年7月5日18時21分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
5日午後3時50分ごろ、熊本市中央区呉服町2丁目の遺跡発掘現場で土砂が崩れ、男性作業員3人が巻き込まれた。
警察や消防などによると、同市南区のSさん(男性、69歳)が約30分後に救出されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。
59歳の作業員は消防に救出され、70歳の作業員は自力で脱出。
いずれも軽傷を負った。
市によると、3人は市の臨時職員。
発掘現場は地表から約1.9mの深さで、縦9m、横10mの範囲で掘り下げており、この壁面の一部が幅約7m、奥行き1mにわたって崩れた。
作業員10人と現場監督1人の計11人で作業をしており、土砂崩れに巻き込まれた3人は、壁面近くにしゃがんで発掘をしていた。
市の発掘調査で死亡事故が起きたのは初めて。
現場は、江戸時代の溝の遺構があったとみられる埋蔵文化財包蔵地。
マンション建築に伴い、市が12日までの予定で調査していた。
発掘作業は、3日は雨のため中止し、雨が土に染みこまないよう現場の穴をブルーシートで覆っていたという。
4日に作業を再開、5日は壁面のひびや周囲に水たまりがないかなどを調べ、安全が確認できたとして午前8時半から作業していた。
地面を掘る場合、深さ2m以上では、土が崩落しないよう階段状に掘るなどの措置が労安法で定められているが、市は、この現場は2m未満だったため対象外としている。
会見した文化振興課の林課長は、「あってはならない事故。本当に申し訳ない」と陳謝した。
出典
『遺跡発掘現場で土砂崩れ、作業員1人が死亡 2人軽傷』
https://www.asahi.com/articles/ASM755RPJM75TLVB00K.html
7月5日18時12分にNHK熊本からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
一緒に作業をしていた50代と70代の男性2人は足まで土砂で埋まったが、けがの程度は軽いという。
市によると、3人は当時、スコップなどを使って掘削作業をしていて、土砂は幅6.6m、高さが2mにわたって崩れたという。
現場は古町遺跡と呼ばれ、マンションを建設する前に歴史的なものが埋まっていないか確認するため、市が事前の発掘調査を行っていたという。
出典
『遺跡発掘中に土砂が崩れ1人死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20190705/5000005670.html
7月6日8時0分に熊本日日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
壁面の崩落防止措置はとっていなかった。
近くで作業していた59歳と70歳の2人も、腰近くまで土砂に埋まったが、脚の打撲など軽傷。
警察は、ここ数日の大雨で土壌が緩んでいた可能性もあるとみて、業務上過失致死傷の疑いで調べる。
市文化振興課によると、市の発掘調査で死亡事故は初めて。
同日朝の作業前の安全点検では異常はなかったという。
現場に隣接する飲食店の男性店主(44)は、「崩れる音や悲鳴は聞こえなかった。地盤が弱いとは聞いたことがなく、大雨の影響かもしれない」と話した。
出典
『遺跡発掘3人生き埋め 熊本市、壁面崩れて1人死亡』
https://this.kiji.is/520011516776498273?c=39546741839462401
(2020年3月25日 修正1 ;追記)
2020年3月23日18時11分にNHK熊本から、現場を監督していた市の職員が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、現場を監督していた市の職員2人が当時、掘削面の土砂を崩れにくくするなど安全管理が十分でなかったとして、23日、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
この事故をめぐっては、熊本労働基準監督署も去年9月、十分な安全管理を行っていなかったとして、現場を監督していた熊本市の男性職員を労働安全衛生法違反で書類送検していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20200323/5000007786.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。