2019年5月6日付で秋田魁新報から下記趣旨の記事が、両名のアルコール濃度推移表付きでネット配信されていた。
朝の通勤時間帯に飲酒運転で摘発される例が後を絶たない。
一眠りすれば大丈夫という甘い認識でハンドルを握っているケースが少なくないとみられる。
飲酒運転の摘発人数は、ここ数年、秋田県内で増加傾向にあり、飲酒の翌朝に車を運転するかどうかは慎重な判断が必要だ。
3月26日午前7時50分ごろ、北秋田市の県道。
出勤途中だった1台の車が、北秋田署の警察車両に停止を求められた。
市教育委員会によると、運転していたのは市内の小学校に勤務する50代男性教諭。
呼気検査で1ℓ中0.150mgの基準値を上回るアルコールが検出され、酒気帯び運転での摘発となった。
市教委の調査に、前日夜にウイスキーを飲んだと話したという。
公務員による同様のケースは昨年6月25日、秋田市の国道7号でもあった。
50代男性県職員が朝の出勤途中に事故を起こし、秋田中央署員による呼気検査で基準値超のアルコールが検出された。
県によると、こちらも飲酒したのは前日の夜だったという。
飲酒直後に比べ、一眠りした後は飲酒運転への警戒が緩みがちな人が少なくないようだ。
毎日の通勤で車を運転する秋田市の男性会社員(29)は、「少し酒が残っている気がしても、朝なら運転してしまう」と話す。
県警交通企画課によると、県内で昨年、飲酒運転で摘発されたのは322人。
過去5年では最多で、2年連続増となった。
このうち、一般的な通勤時間帯の午前6~10時に摘発されたのは、23%に当たる74人。
また、なぜ運転したのかを問われた中で最も多かったのは「あまり酔っていないと思った」で、22%に当たる70人だった。
県警交通企画課は、「酒が残っていることを自覚しながら、安易に大丈夫と判断する人がいる。酒は抜けるまで時間がかかる。翌朝に運転する場合は、酒量を減らし早めに切り上げるなど、相当注意してほしい」としている。
【記者2人、呼気検査機を使い実験】
記者A、Bの2人が同じ時間に同じ量を飲酒し、酒がどの程度残るかを市販の呼気検査機(約1500円)を使い実験した。
4月中旬の平日、2人は午後8時~午前0時の4時間、JR秋田駅前の居酒屋で飲酒した。
飲んだ量はそれぞれ、生ビールを中ジョッキに5杯と日本酒2合。
開始1時間、ビール3杯を空けた時点で共に呼気1ℓ当たり0.400mg程度で、酒気帯び基準の0.150mgを超えた。
2人とも頭がぼーっとし、頬が熱い感覚があった。
その後、ビールと日本酒を追加。
解散時の午前0時でも同じく0.400mg程度で、横ばいだった。
【仮眠では抜けきらず、アルコール分解能力の差も】
県内では、車で仮眠した後にハンドルを握り、飲酒運転で摘発される例がたびたびある。
2人は飲酒後、午前1時半から仮眠を取り、5時に検査した。
値は下がったものの、Aが0.225mgで基準超えが続き、Bは基準内ながら0.100mgだった。
仮眠でアルコールは抜け切らなかった。
もう一眠りし、午前7時半に再度検査。
Bは検出されなかったが、Aは0.075mg残り、両者でアルコール分解能力の差が出た。
Aは朝、頭痛があり、二日酔い状態。
数値は基準以下でも、正常な運転ができるか疑わしかった。
検査機の精度もどの程度か分からない。
アルコールが思った以上に体に残ることを実感しながら、この日の運転を控えた。
出典
『通勤時間帯の飲酒運転、後絶たず 意外に残るアルコール』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190506AK0005/
(ブログ者コメント)
飲酒後のアルコール残留度合いについては、本ブログでも過去に何件か紹介している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。