2019年8月22日17時53分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
発がん性や胎児の脳への影響などが指摘され、国際的に問題になっている農薬が、日本では駐車場や道ばたの除草、コバエやゴキブリの駆除、ペットのノミ取りなどに無造作に使われ、使用量が増えている。
代表的なのが、グリホサートの除草剤とネオニコチノイド系の殺虫剤だ。
海外では規制が強化されつつあるのに、国内の対応が甘いことに、研究者は懸念を抱いている。
「ダイソーさんからは、製造もしないし、販売もしないという回答をいただきました」
「小樽・子どもの環境を考える親の会」(北海道)の神代表は7月、2万2000筆余の署名とともに小売業者4社にグリホサートやネオニコチノイド系製品の販売中止を要望した。
その結果が今月8日、東京・永田町の衆院議員会館で発表された。
100円ショップ最大手の「ダイソー」を展開する大創産業(広島県東広島市)は、グリホサートについて、在庫がなくなり次第、販売を終了し、酢の除草剤などに切り替えていくと回答した。
だが、ほかの3社は「国が認めている」などとして、販売を継続する意思を示したという。
グリホサートをめぐっては、米カリフォルニア州の裁判所陪審が5月、これを使った除草剤ラウンドアップを製造したモンサントの親会社バイエルに対し、ラウンドアップが原因でガンになったと訴える夫婦に約20億ドル(約2100億円)の支払いを命じる評決を下した。
同じような裁判で、昨年8月に約3億ドル、今年3月には約8000万ドルの支払いを命じる評決が下された。
バイエルは、米国内で1万8000件以上の訴訟が起きていると公表している。
オーストリア国民議会(下院)は7月、グリホサートの使用を禁止する法案を可決した。
欧州連合(EU)で初めての全面禁止になる可能性がある。
ドイツ、イタリア、オランダでも個人使用が禁止されたり、米国やアルゼンチン、オーストラリアでは自治体で部分的に禁止されたりするなど、各国で規制の動きが広がっている。
率先して販売を中止する企業も出ている。
【相次ぐ健康影響の研究報告】
世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)は2015年3月、「グリホサートはヒトに対して恐らく発がん性がある」として、グループ2Aに分類した。
一方、欧州食品安全機関(EFSA)や米環境保護局(EPA)、食糧農業機関(FA0)/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)は、ヒトに対する発がん性を否定。
日本の食品安全委員会も、「食品を通じてヒトの健康に悪影響を生じるおそれはない」という立場だ。
17年12月には、小麦やそば、ゴマなどの残留基準値を緩和した。
日本でラウンドアップを販売する日産化学(東京都中央区)は、「日本を含む各国の規制当局の評価をもとに、グリホサートの安全性については問題ないと判断している」としている。
健康影響をめぐる科学的な議論は続いているが、発がん性以外にも、発達障害や腸内細菌の異常、生殖毒性などを指摘する研究結果が相次いで発表されている。
産婦人科医の国際組織である国際産婦人科連合(FIGO)は7月31日、化学物質が胎盤を通過して胎児に蓄積し、長期的な後遺症を引き起こす可能性があるとして、科学的に因果関係が完全に確立されていなくても、予防原則の観点から、「グリホサートの使用を全世界で段階的に廃止すべきだ」との声明を発表した。
グリホサートと並んで、海外と日本の対応が大きく違うのが、ネオニコチノイド系農薬だ。
EUは昨年4月、イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサムの3種の屋外での使用を禁止した。
花粉媒介者として農作物生産などに大きくかかわるミツバチの大量死との関係を認めたからだ。
胎児などへの発達神経毒性を指摘する研究結果も増えており、米国やカナダ、ブラジル、韓国なども規制を強めている。
【日本では残留基準値を緩和】
だが、7種のネオニコチノイド系農薬を登録している日本は、ミツバチの大量死の「原因である可能性が高い」としながら、残留基準を緩和するなどしており、欧米に比べて規制が緩い。
コバエやゴキブリの駆除剤、ガーデニング用の殺虫剤、ペットのノミ取りなど、家庭でも広く使われている。
グリホサートやネオニコチノイド系農薬の国内出荷量は、この20年間に2~3倍に増えている。
農水省は、使用量が多いこれらの農薬について、21年以降に新たな科学的知見に基づいて優先的に再評価する意向を示している。
だが、市民団体や研究者からは、早急な対応を求める声が高まっている。
環境脳神経科学情報センターの木村―黒田純子(ブログ者注;センターHPでもこの名で表示されている)副代表は、「日本は農薬が毒物だという認識がなく、基準値以下なら安全としているが、基準には発達神経毒性などは含まれず、安全は保障されていない。科学的にも、これらの農薬暴露が発達障害を増やし、発がんを起こすなどの実験的証拠が多数集まっている。すぐに使用を中止できないにしても、予防原則に基づいて規制を強化していくべきだ」と指摘している。
https://www.asahi.com/articles/ASM8B54N2M8BULZU008.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。