2021年3月31日5時2分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
くしゃみや鼻づまりといったスギ花粉症の症状が、花粉にくっついた大気汚染物質である鉛の濃度によって重くなることを、福井大と名古屋大の研究チームが突き止めた。
鉛が症状を悪化させる詳細な仕組みが解明されれば、症状軽減につながる可能性がある。
花粉症は日本の国民病とも言われ、スギ花粉症は二人に一人が悩んでいるとされる。
世界でも、花粉症を含む季節性アレルギー性鼻炎は、十人中一〜三人が発症しているとされる。
研究チームは、福井県内の花粉症患者約四十人の鼻水内の鉛、水銀、カドミウムなどの重金属の濃度と花粉症の症状の関係性を調べた。
結果、鉛の濃度が高いほど、くしゃみや鼻づまりなどの症状が重くなっていることが分かった。
スギ花粉に大気中の鉛粒子が付着し、その一部が鼻の奥に残って症状を引き起こしているとみられる。
鉛以外の影響は確認されなかった。
マウスを使った実験では、健常マウスは鼻に鉛を入れても変化がないが、花粉症マウスは鉛を入れるとくしゃみの回数が二倍近く、鼻をこする回数は一・三倍ほどに増加した。
福井大の藤枝重治教授(耳鼻咽喉科)は、「鼻の中の鉛を除去し、症状を改善する方法を検討したい」と説明。
名古屋大...
(以下は有料)
https://www.chunichi.co.jp/article/227767
3月31日7時10分に福井新聞からは、より詳細な、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井大学と名古屋大学の共同研究グループは3月30日、スギ花粉症患者は鼻の中の鉛の濃度が高く、くしゃみなどの症状を悪化させる一因であると発表した。
会見した福井大学医学部耳鼻咽喉科の藤枝重治教授と坂下雅文講師は、今後、ほかにも悪化させる物質がないか研究し、症状を軽減する薬の開発や対応策につなげたいとしている。
成果をまとめた論文は今月、米医学誌の電子版に掲載された。
大気汚染物質の鉛や水銀、カドミウムなどの重金属は、ぜんそくのリスクを高めるとされている。
研究グループは、大気汚染物質がスギ花粉症に与える影響について調べた。
2016、17年に、県内のスギ花粉症患者44人と花粉症ではない人57人を対象に、花粉飛散前後の鼻汁を採取。
鉛などがどれくらい含まれているかを計測、比較した。
花粉飛散前は、両者の鉛濃度に差はなかった。
花粉が飛散している時期には、花粉症患者の鉛濃度が花粉症ではない人より1・5倍高かった。
患者に症状を聞き取ったところ、鉛濃度が高いほど1日のくしゃみの回数が多く、鼻づまりの程度が重い傾向が見られた。
一方で、水銀やカドミウムなどは検出されなかった。
症状悪化と鉛濃度との関連性を裏付けるため、マウスを使った実験を行った。
アレルギー性鼻炎を持つマウスと健常マウスを準備し、鉛を鼻に投与。
10分間のくしゃみと鼻をこすった回数をそれぞれ調べた。
鼻炎を持たないマウスは投与後も変化がなかった一方、鼻炎を持つマウスは、どちらの回数も4~5割増加した。
さらに、投与から24時間後にマウスの鼻汁の鉛濃度を測定。
鼻炎を持つマウスは健常マウスの4・3倍高い濃度を示したことから、坂下講師は「鼻の中で炎症が起きていると鉛が残りやすく、それが症状の悪化につながると考えられる」と説明した。
調査では、鼻汁を採取する1~4日前の花粉飛散量と鉛濃度に相関関係が見られた。
ヒノキやシラカバなど、ほかの花粉を調べたところ、鉛が付着していたことから、坂下講師は「マスクで花粉の吸い込みを防いだり、鼻うがいで洗浄したりする基本的な対処は大切。症状を軽減する薬の開発に役立つのではないか」と強調。
藤枝教授は「鉛を除去する空気清浄機など、新しい対応策をつくっていければ」と話した。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1288605
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。