2021年3月29日2時0分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
在宅勤務の広がりとともに、共同住宅のベランダでの喫煙に厳しい目が向けられている。
受動喫煙による体調不良を訴えた隣人への賠償を命じた裁判例もあり、管理規約の禁止条項に盛り込む新築物件も増えた。
トラブルを避ける上で、自主的なルールづくりやマナーの徹底が一段と求められる。
「ベランダでの喫煙は管理規約違反です。階下の方より『たばこの灰が落ちてきて非常に困っている』との連絡がありました。火災の原因にもなりかねません」
2020年12月、豊洲(東京都江東区)のタワーマンションに注意書きが張り出された。
規約でベランダでの喫煙を禁じているが、このところ違反が目立ち、煙や灰を迷惑がる入居者が少なくないという。
マンションの注意書きと、新型コロナウイルスの感染拡大で急速に広がった在宅勤務は、無関係ではない。
日本たばこ産業(JT)が20年、20歳以上の喫煙する男女約2万人に実施したアンケート調査では、86.4%が「コロナの影響で在宅時間が増えた」と答え、「自宅での喫煙機会が増えた」と回答した人は60.9%だった。
都内のマンションに住む男性会社員(30)は、「外で吸える場所はほとんどないし、そもそも外出は自粛。在宅勤務中はベランダで一服している」と話す。
15年の国勢調査によると、マンションやアパートなどの共同住宅に住む人の割合は、東京都で6割超、大阪府は約5割を占め、都市部を中心にベランダでの喫煙が増えているとみられる。
「在宅時間の増えた喫煙者が、家族への配慮に加え、室内に臭いが染みつくのを避けようと、喫煙場所にベランダを選んでいるのではないか」(不動産関係者)
住民からの苦情も相次ぐ。
国民生活センターにはコロナの感染拡大後、「階下から煙が上がってくる」、「不快を超えて頭痛や体調不良につながった」といった相談が複数寄せられた。
洗濯物への臭いの付着や、吸い殻のポイ捨てがトラブルに発展した例もある。
一般的な共同住宅のベランダは「専用使用権のある共有部分」に当たり、区分所有者がおおむね自由に使うことができる。
ただ、不動産トラブルに詳しい瀬戸仲男弁護士は、「ベランダ喫煙で近隣住民が被害を受ければ、民法上の不法行為として損害賠償を請求されることがある」と説明する。
不法行為を認めた司法判断も出ている。
名古屋地裁は12年、住民に配慮しない喫煙は違法だとして、ベランダで喫煙を続けた男性に慰謝料の支払いを命じた。
上階に住む当時70代の原告女性はぜんそくの持病があり、帯状疱疹(ほうしん)を発症。
手紙や電話で喫煙をやめるよう求めたが聞き入れられなかったため、訴えを起こした。
20年4月の改正健康増進法施行で、職場や飲食店での喫煙が原則禁止となった。
こうした流れに沿うように、管理規約などでベランダでの喫煙を禁じる新築物件も増えている。
瀬戸弁護士は、「喫煙者はベランダ喫煙が許される環境かどうか、まずは管理会社や大家に相談するのがよい」と話す。
一方で、住宅を管理する側には「掲示板などで喫煙の自粛を求めたり、灰や吸い殻を落とさないよう呼び掛けたりして、愛煙家と嫌煙家の双方が共通のルールを認識する必要がある」と強調する。
臭いが少なく、煙や灰が出ない加熱式たばこも普及している。
「ステイホーム」を皆が快適に過ごせるよう、隣人への配慮と理解が欠かせない。
ベランダ喫煙に隣人の厳しい目 コロナの在宅増で一段と: 日本経済新聞 (nikkei.com)
(ブログ者コメント)
共同住宅のみならず一戸建て住宅でも、家の中で吸わず(吸えず?)、庭や玄関で吸っている人をよく見かける。
散歩していたら、あるいは窓を開けていたら隣家からなど、家族への迷惑を避けたばかりに近所に迷惑をかけているケースも数多くありそうだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。