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2018年9月4日19時42分に産経新聞からは、大きな被害が出た高潮の要因は3つあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風21号は、関西空港が冠水するなど、大きな高潮被害をもたらした。
高潮の要因は、
(1)気圧の低下による海水の「吸い上げ効果」
(2)風が岸側に向かって吹く「吹き寄せ効果」
(3)波が砕けることに伴い海水が岸側に押しやられる「ウェーブセットアップ」現象
の3つが、同時に強く働いたことだ。
台風は、中心に行くほど気圧が低くなる。
気圧が低いと、海面を押さえつける空気の力が弱まり、海面が上昇。
気圧が1ヘクトパスカル低下すると、海面は1cm上昇するとされる。
吹き寄せ効果については、台風は反時計回りの風の渦なので、日本では大阪港のように南に開いた湾の西側を台風が通ると、南から北に風が吹き寄せて発生しやすい。
気象庁などによると、今回はウェーブセットアップと呼ばれる現象も発生。
波は、岸の近くで砕けた場合も、海水自体はそのまま岸側に向かう力が強い。
しかし、岸側に到達した後に沖側に戻ろうとしても、同様に後から続いて押し寄せてくる海水のために滞留し、岸近くの海面が上昇するという現象だ。
今回の台風のように風が強く波が高いときに、強く発生しやすい。
過去に高潮被害が出たケースでは、今回と似たコースをたどった昭和36年の第2室戸台風で、大阪市内の約31km2が浸水。
浸水地区では4人の死者が出た。
気象庁は今回の大阪港の状況について、「これで満潮時刻に重なっていたらと思うと、ぞっとする」とした。
出典
『気圧低下、強風に加え「ウェーブセットアップ」現象 3つの要素で海面上昇』
http://www.sankei.com/affairs/news/180904/afr1809040031-n1.html
9月6日0時57分に朝日新聞からは、強力台風の近代都市直撃は初ケースという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
防衛大学校の小林文明教授(気象学)は、「台風21号は、非常に強い勢力を弱めずに近代都市を直撃した初のケース。屋根が飛び、車が横転し、電柱も折れる風害を、大都市が初めて経験した」と指摘した。
出典
『電柱折れる風害「大都市が初めて経験」 対策に難しさも』
https://www.asahi.com/articles/ASL955GVJL95PTIL03G.html
(ブログ者コメント)
今回の台風は、高潮もさることながら、特に風が凄まじく、停車中の乗用車が何台も吹き飛ばされたり、あるいは停車中の箱型大型トラックが倒れるなどの事例が相次いだ。
風速が50m近くなると、それほどの威力があるのかと、改めて実感した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。