2018年9月4日23時22分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風21号の高潮で大規模に冠水した関西空港は大阪湾に浮かぶ人工島で、1994年の開港以来、地盤沈下に悩まされてきた。
津波や高潮の高さを下回らないよう、護岸のかさ上げ工事を繰り返してきたが、「想定を上回る潮位」に襲われた上、タンカーが連絡橋に衝突し、孤立状態に陥った。
関空は、2本ある滑走路のうち、第1ターミナルビル南側にある第1滑走路(全長約3500m)が全面的に浸水した。
国交省などによると、滑走路は海面から高さ5m地点にあるが、最大50cm冠水した。
地盤沈下の影響で護岸が高潮や津波を下回らないよう、これまで護岸のかさ上げ工事を順次進めてきた。
大阪湾で過去最高の293cmの潮位を記録した1961年の第2室戸台風と同じレベルの潮位の際に、50年に1度の高波が来ても護岸を超える波を抑えられるような高さに継ぎ足した。
だが、気象庁によると、大阪の潮位は4日午後2時18分に329cmとなり、過去最高を更新した。
同社は、「想定を上回る潮位になったということではないか」と話す。
出典
『冠水に孤立…復旧に懸念 高潮対策、再三したはずの関空』
https://www.asahi.com/articles/ASL945G12L94PTIL02R.html
9月6日11時44分にNHK関西からは、地下の電源設備も浸水したため第1ターミナルは停電したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西空港の運営会社の「関西エアポート」の山谷社長は、第1ターミナルの停電の復旧に向けた状況について、「第1ターミナルの地下にある電源設備6台のうち、3台が浸水により停止し停電が続いている。3台のうち1台は比較的被害が軽く、修理が可能ではないかと報告を受けている。6台分の機能を回復するにはどのような対策が必要か、検討を進めている」と述べた。
出典
『関空“電源設備浸水し停電続く”』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180906/0006935.html
9月6日付で毎日新聞東京版からは、関空の歴史は地盤沈下との闘いだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風21号による高潮と暴風は、訪日客の「西の玄関口」である関西国際空港の浸水被害と「孤島化」を引き起こし、海上空港特有のもろさを改めて浮き彫りにした。
記録的な潮位と強風がもたらした災害だったとはいえ、備えは十分だったのか。
完全復旧までに時間を要すれば、観光や物流への打撃は避けられない。
「護岸を越えて、ここまで浸水するとは想定していなかった」。
関空は、台風から一夜明けた5日も広い範囲で浸水したままで、運営会社・関西エアポートの職員は「想定外」を繰り返した。
関空は対岸から沖合5kmの人工島で、94年9月に、当時としては画期的な海上空港として誕生した。
その歴史は、設計上想定される地盤沈下との闘いだ。
第1ターミナルやA滑走路がある1期島は、94年の開港から2017年12月までに、約3m沈下。
07年8月完成のB滑走路と第2ターミナルがある2期島も、約4m沈んだ。
対策として力を入れてきたのが、防潮壁のかさ上げだ。
関西エアポートによると、1、2期島を囲う防潮壁の高さは、通常水位から約5mの高さに設定。
空港は沈下し続け、04年には、台風による高潮と高波が1期島内の道路をえぐる被害があった。
このため、かさ上げ工事も順次実施し「50年に1度」に相当する高潮や高波でも浸水を防ぎ、南海トラフ地震で大阪府が想定する津波の水位2.6mにも耐えられるとしていた。
しかし今回の台風で、第1ターミナルとA滑走路は浸水した。
2期島は被害を免れており、国交省の担当者は「1期島の方が、より地盤沈下が進んでいる影響」とみている。
国内の空港は、海岸沿いや埋め立て地に建設されるケースが多く、津波や高潮によるリスクがつきまとう。
防潮壁は航空機の離着陸への支障になりかねないため、かさ上げには限界があり、国交省の担当者は、「浸水は避けられないが、早期に復旧できるよう計画をつくり、電気設備の防水対策などに取り組むよう推奨している」と説明する。
出典
『クローズアップ2018 台風21号 関空浸水 高潮、暴風「想定外」 海上空港、沈下影響か』
https://mainichi.jp/articles/20180906/ddm/003/040/146000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。