2022年11月6日10時42分に読売新聞から、下記趣旨の記事が塩害発生自治体の分布地図や塩害発生メカニズムの模式図付きでネット配信されていた。
九州上陸前に観測史上最強級に発達した台風14号が西日本の日本海沿いを通過した9月19日前後の約10日間で、山陰地方の各地から「電線から火花や煙が上がった」との通報が約150件寄せられていたことが、電力会社などへの取材で分かった。
強風で巻き上げられて電線に付着した海水の塩分による「塩害」とみられ、停電した地域もあった。
電力会社は「通報は近年では記憶にないほど多かった」としている。
山陰地方の送配電を担う「中国電力ネットワーク」や地元の消防によると、通報は9月17~27日、鳥取、島根両県の18市町村であった。
約150件中、通過前は1件だけだった。
27日は松江市と島根県出雲市で各45件、鳥取市で5件など、特に多かった。
強風で巻き上げられた海水は、水分が飛んで塩分が電線に付着し、雨の日に溶け出す。
塩水は真水より電気を通しやすく、電線のカバーの傷から染みこむと漏電し、火花や煙が出る。
通報はいずれも雨の日だった。
電線が切れて停電することもある。
松江市では27日に約660軒停電した。
電線を丈夫なカバーで覆う塩害対策が十分に進んでいない内陸部からの通報が目立ったという。
同社は今後、内陸部でも順次、カバー交換を進める。
台風は9月19日午後に日本海沿いを進み、広範囲で強風が吹いた。
夕方に上陸した出雲市では、この日、観測史上5番目に強い最大風速22・4メートルを観測。
民家の屋根の一部がはがれた。
一方、1時間雨量の最大値は午後1~2時の7ミリだった。
四国電力送配電によると、四国でも台風通過後、同様の通報が数十件あった。
西村誠介・横浜国立大名誉教授(高電圧工学)は、
「風の強い台風では、波しぶきが広範囲に飛び、塩害が広がりやすい。
停電を防ぐため、電力会社は丈夫なカバーへの交換を急ぐべきだ。
カバーの傷は飛来物で生じることが多く、住民は屋外の飛びそうな物を固定したり、屋内にしまったりすることが大切だ」
と話す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221106-OYT1T50080/
(ブログ者コメント)
電線の塩害については、これまでにも数多くの情報を紹介しているが、今回の記事は中でも分かりやすく感じた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。