2024年1月23日に掲載した第2報 修正2がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第2報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/13661/
(2024年2月28日 修正3 ;追記)
2024年2月20日4時32分にYAHOOニュース(東洋経済:鉄道ジャーナリストの寄稿文?)からは、羽田に着陸できなかった旅客機乗客のため新幹線やJR成田線、京成電鉄などでも臨時便が運行されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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年始の繁忙シーズンということもあり、空港は大パニックとなってしまった。
滑走路が閉鎖され、この日は事故直後から、国内便のすべての出発便が欠航となった。
また到着機はダイバート(着地変更)となり、近隣の中部国際空港、成田空港、茨城空港に向かった。
■東京へ向かう移動手段の確保が問題に
あまりに突然の出来事だったが、各空港はダイバートを受け入れることができた。
しかし、問題はそこから東京へ向かう移動手段の確保だった。
到着を予定していた羽田空港との距離は成田空港で約60km、茨城空港で約90km、中部国際空港で約280km。
いちばん近い成田空港でも60km近く離れた場所にあるので、着地先からの移動手段の確保が必須である。
羽田空港で衝突事故が起きたのは、17時47分。
そこから着陸予定の航空機はダイバートを行ったわけだが、茨城空港へ向かったスカイマーク2機が到着したのは、18時30分頃。
そこから鉄道などを利用して都心に向かうと、かなりの時間がかかってしまう。
また、中部国際空港や成田空港到着の便も、新幹線や在来線を乗り継いで東京へ向かい、さらに自宅までたどり着けるか、やはり心配である。
そんな中、JR東海がネット上でこんな発信をした。
混雑が予測されるため、臨時「のぞみ号」を運転します――。
発車時刻を確認すると、最終の「のぞみ」が出発した後の東京駅21時42分発と、新大阪駅21時50分発だという。
両列車ともグリーン車以外の普通車は全車自由席のようだ。
東海道新幹線が終電後に臨時列車を走らせることは非常に珍しく、しかも日付を超えて運行することは、過去にもあまり記憶にない。
東京駅からの各線の終電も、調整が必要になるだろう。
この日は東海道新幹線ばかりか、JR東日本の成田線の終電繰り下げや、京成電鉄の深夜25時00分発のアクセス特急上野行きなどの臨時列車も追加運転され、鉄道駅のない茨城空港では、関東鉄道バスを中心に7便(約310人)の輸送が行われた。
中部国際空港の対応でも、名鉄で臨時列車が運行され、そのほかの鉄道でも、都市間輸送や空港アクセスを担う鉄道やバスが、臨時や増便対応する勇姿が見られた。
実際、どのような要請で、臨時輸送が行われたのか。
深夜の日本各地で行われたダイバートに伴う緊急対応について、臨時対応を迅速に行った事業者の中から、数社の交通事業者を取材した。
■空港アクセスとしての意識の高さ
まずは京成電鉄。
同社は夜中の25時00分に、成田空港発の臨時アクセス特急を運行した。
この対応について、京成電鉄・経営統括部の広報・CSR担当にインタビューをすると、「当社から空港を管理・運営するNAA(成田国際空港株式会社)に申し出た」という。
「その後の対応はNAAと行った」。
乗務員の手配については、「異常時対応用に予備の乗務員を配置している。今回はその人員を手配した」と話す。
予備乗務員の手配が迅速に行われたことで、可能になった。
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茨城空港から臨時バスを運行した関東鉄道については、「茨城空港へダイバート中のスカイマーク社から連絡があり、急遽運転士の確保に動き、乗務終了後の運転士に声をかけて、手配を行った」と話した。
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東海道新幹線を運行したJR東海についても取材した。
「弊社として自主的な判断で、臨時列車を設定いたしました」
そう答えてくれたのは、JR東海・東京広報室の担当者だ。
「今回はタイミングが合い、緊急時の対応に関して関係各所の担当者が日頃から考えていたことが可能となった」と言う。
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■事業者間の垣根を超える
各交通機関にインタビューを行った結果、今回は異例中の異例だということがわかった。
しかし、深夜帯の輸送を覚悟し、その後もすぐに対応できたのは、「事業者間の垣根を超えて、旅客輸送の使命を持って行われた」ということにほかならない。
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日本の交通機関は優秀である。
その安全性、定時性からサービスに至るまで、まさに世界のトップレベルであることが今回の件でよくわかった。
渡部 史絵 :鉄道ジャーナリスト
https://news.yahoo.co.jp/articles/05851aaa1ef37786c44660b23fc92e03763f6de8
(ブログ者コメント)
茨城空港での臨時バス対応状況については、第1報(2/2)で、やや詳しく紹介している。
2024年6月28日21時42分に読売新聞からは、年始休みと重なったため「消火救難協力隊」80人のうち40人しか集まらず緊急車両の誘導が遅れた、日航機側と海保機側の2ケ所で消火救助活動が行われたため責任者の所在や負傷者情報がうまく伝わらなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省は1~5月、消防や病院・医師会、空港内事業者と、事故当日の消火や救護活動を振り返る会合を8回開催。
課題を洗い出すとともに、今後の対応策を検討した。
その結果、空港で働く職員・社員で作る「消火救難協力隊」について、休日夜間には最大80人の参集を見込んでいたが、年始休みと重なった当日は約40人で、空港外から集まった緊急車両の誘導が遅れた。
消火・救助の活動も日航機と海保機で2か所に分かれ、各機関の責任者の所在や負傷者に関する情報がうまく伝わらないなど混乱したという。
国交省は8月までに対応要領の改定を進め、同様の事故時に緊急車両への対応を専属で行うチームを新設するなど、初動対応の体制を強化する。
負傷者情報の収集・共有方法も改善するという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240628-OYT1T50165/
6月28日18時1分にNHK首都圏からは、救急車や消防車100台が制限区域外で待機を余儀なくされた、現場では多数の組織がそれぞれの無線を使ったため情報伝達に時間がかかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は、現場で対応にあたった東京空港事務所や東京消防庁、医療関係者などと当時の活動について検証を行い、28日、結果を公表しました。
それによりますと、国の業務要領では休日や夜間でも空港職員や関係会社の社員が最大80人集まることが想定されていましたが、今回、正月休み中で、集まったのはおよそ40人だったということです。
そのため、救急車や消防車の誘導に遅れが生じ、のべおよそ100台が制限区域の出入りで待機することになったとしています。
およそ30分間待機した救急車と消防車もあったということです。
また、消火活動の現場では多数の関係者がいたため、責任者がわからず混乱を招いたとしたほか、それぞれの機関が別の無線を使っていたため情報伝達に時間がかかったとしています。
そのうえで今後の対策として、休日や夜間に緊急対応を行う空港職員を増やすほか、関係会社に対しても対応できる人数を増やすよう要請するということです。
さらに、消火活動の現場で責任者がビブスを付けるほか、羽田空港で使っている無線を消防や医療関係者に配布する対応も行うということです。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240628/1000105934.html
(2024年10月3日 修正5 ;追記)
2024年10月2日10時52分に読売新聞からは、誤進入や誤出発を防ぐ滑走路状態表示灯が主要8空港に設置される、羽田では工事が始まったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
滑走路誤進入や誤出発を防ぐ「滑走路状態表示灯(RWSL)」の新設工事が2日未明、事故現場間近の「C5誘導路」で始まった。
RWSLは、同一の滑走路で航空機2機の離着陸や、進入が重なる恐れを検知すると、滑走路や誘導路に埋め込まれた赤い灯火が光り、パイロットに異常を知らせるシステム。
新千歳、伊丹、福岡、那覇4空港の一部に設置されているが、事故対策検討委員会の議論を踏まえ、国土交通省は他の4空港を含めた主要8空港で導入・拡充を決めた。
この日の作業は、C滑走路の週2日の夜間閉鎖に合わせて午前1時前に始まった。
作業員らはC5誘導路の一角を深さ30センチほど掘った上で、「基台」(直径二十数センチ)と呼ばれる灯火の土台部分を配管とともに3基設置し、午前5時半までに再び埋め戻して舗装した。
羽田空港ではA~C滑走路・誘導路で計約1500基の設置を予定し、このうちC5誘導路などでは2028年3月までに先行して運用を始める。
残る7空港でも30年度中の全面運用を目指す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241002-OYT1T50032/
(2024年12月28日 修正6 ;追記)
2024年12月25日15時50分に読売新聞からは、運輸安全委員会が経過報告書の要旨を発表したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・羽田空港での航空機衝突事故で、運輸安全委員会が25日に公表した経過報告書の要旨は次の通り。
本事故は、
〈1〉海上保安庁機長・副操縦士が、管制官からの滑走路手前停止位置までの走行指示を滑走路への進入許可と認識し、滑走路に進入・停止したこと
〈2〉管制官側が、海保機の滑走路進入・停止を認識していなかったこと
〈3〉日本航空機が、滑走路上の海保機を衝突直前まで認識していなかったこと
の3点が重なって発生したと考えられる。
【海保機】
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(5)副操縦士による管制指示の復唱(滑走路手前停止位置C5、ナンバーワン、ありがとう)に、機長は「ナンバーワン」「C5」とのみ復唱確認した。
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【管制官】
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(6)当時、羽田空港の管制所では、同支援機能の注意喚起が発動した場合の処理要領を定めず、研修カリキュラムに基づく訓練も行われていなかった。
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【日航機】
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(2)構造上、後方から見える海保機の外部灯火は、衝突防止灯(白ストロボ)、下部尾灯位置灯(白)、上部尾灯位置灯(白)だった。海保機の停止場所の周囲では、滑走路面の中心線灯(白)と接地帯灯(白)が点灯していた。
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【被害の分析】
被害軽減の観点から、《1》海保機と日航機の衝突・機体損傷《2》日航機による非常脱出《3》消火・救難――の状況分析を今後進める。
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https://www.yomiuri.co.jp/national/20241225-OYT1T50101/
12月25日20時39分に読売新聞からは、管制指示に対し副操縦士は正しく復唱したが機長は省略して復唱した、滑走路上の海保機に画面で気付いた管制官がいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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管制指示は「ナンバーワン、滑走路手前の停止位置C5まで走行せよ」。
滑走路担当の管制官へ正しく復唱した副操縦士に、機長はかぶせるように「ナンバーワン、C5、問題なしね」と復唱確認を済ませ、〈滑走路手前の停止位置まで走行〉という文言を省いた。
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一方、管制側では衝突の15秒前、滑走路上の海保機に空港(地上)面を表示する画面で気付いた管制官がいたことが明かされた。
空港周辺の「ターミナル空域」担当で、「日航機が(着陸をやり直す)ゴー・アラウンドをする」との連絡を受けていなかったため、「(日航機は)どうなっている」と滑走路担当に問い合わせた。
この時すぐに「ゴー・アラウンド」の指示が出れば衝突は避けられた可能性があるが、滑走路担当は海保機に気付かなかった。
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https://www.yomiuri.co.jp/national/20241225-OYT1T50132/
12月26日7時2分にYAHOOニュース(時事通信)からは、マニュアルでは「簡素に復唱する」と定められていたなど、機長は管制だけでなく航空基地からの無線連絡も聞いていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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管制指示について、機長は副機長に「ナンバーワン」「C5」とだけ復唱した。
海保によると、「交信内容を簡素に復唱する」と定められた事故前のマニュアルに沿った対応だったが、ある元民間パイロットは「簡素すぎる」と相互確認の不十分さを指摘。
事故を受け、海保は「管制指示を声に出して確認する」とマニュアルを改めた。
海難救助などに向かう海保の航空機は、出発時には目的地が明確でないことも多く、機長は管制だけでなく羽田航空基地からの無線連絡も聞いていた。
このことが事故の一因になったとみられ、海保は事故後、離着陸時には管制指示に集中できるよう、機長らは無線連絡を聞かないことにした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/619e6a660e49b789de4cd13ae8e1ee3dd080fc19
12月25日18時40分にNHK首都圏からは、基地とのやり取りは通信士が会話し機長が聞いていた、基地とのやりとりの最中に離陸許可が出た、画面上で侵入したように見えた管制官はスピーカーで問い合わせたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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管制官とのやりとりのほかに羽田航空基地との間でも会話をしていた。
基地とのやりとりはその日の能登半島地震の任務に関することで、通信士が会話していましたが機長もこの内容を聞いていたということです。
機長は聞き取りに対し、基地とのやりとりに一部が重なるタイミングで、管制官から離陸の許可が出たと話しているということです。
さらに、滑走路手前の停止位置を通過する際のことについては、副機長とともに「滑走路に入って待機」と復唱し、左右を確認して進入したと話しているということです。
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事故の15秒前に、海上保安庁機が滑走路に進入したように画面上で見えた管制官が、担当の管制官に日本航空機の動きをスピーカーを通して問い合わせたものの意図が伝わらず、海上保安庁機への対応は特段行われなかった。
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【判明した操縦室内の主なやりとり】
(以下、秒単位で海保機と管制官の交信内容が記されている)
12月25日21時20分に産経新聞からは、機長はハリーアップ症候群に陥っていた可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
経過報告中、パイロット経験者らは海保機の機長が時間的余裕がない状況で判断力が鈍る「ハリーアップ症候群」に陥った可能性を指摘する。
元日航機長の土井氏は「原因はそれだけとはいえないが、世界の事故にはハリーアップ症候群が原因とみられる事例は多々ある」と話す。
https://www.sankei.com/article/20241225-SMF74YVW4ZJ6DCCYBPRZWX25TQ/
(ブログ者コメント)
海保のマニュアルで「簡素に復唱する」となっていた件、「言われたとおりに復唱する」のがヒューマンエラー防止の鉄則だ。
特に航空業界では徹底されていると思っていたのに・・・。
誰が、どういう理由で、そのようなマニュアルにしていたのか、最終報告書で言及されるだろうか?
そこが今回事故のキモのような気がする。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。