2015年4月13日7時2分に東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前6時10分ごろ、千代田区神田須田町2のJR神田-秋葉原駅間の線路内で、架線を支える支柱が倒れているのを、走行中の京浜東北線の運転士が見つけた。
影響で、山手線全線、京浜東北線の大宮-蒲田間上下線が運転を見合わせ、約9時間半後の午後3時48分までに順次再開した。
運休は計715本、影響人員は約41万人に及んだ。
倒れた支柱の一部は山手線内回りの線路に接触しており、電車が通過していれば大事故につながった可能性がある。
JR東日本は、支柱が傾いていることを10日深夜に確認したが、撤去は13日深夜の予定だった。
同社の福田常務は、「社員と工事会社が確認し、当面は大丈夫と判断した。過去に支柱が倒れた事例はない」と説明。「結果的に対策を取る前に倒れてしまった。誠に申し訳ありません」と謝罪した。
同社東京支社によると、倒れた支柱は山手線内回りと外回りの線路間に設置されていた。
2本1組で、高さ約7m、直径約20cmの鋼鉄製。
重さ約3トンのコンクリート製の土台上に2本が直立する形状だったが、土台ごと、線路に沿うように倒れた。
倒れた原因は、問題の支柱より神田駅側寄りにあった支柱が傾き、支柱同士をつなぐワイヤによって引っ張られたとみられる。
神田駅寄りの支柱が傾いた理由は、架線がたるまないよう横向きに約五トンの力で引っ張る「引留(ひきとめ)装置」の張力などで、バランスを崩した可能性があるという。
倒れた支柱は、線路をまたぐ形で反対側の支柱とつながっていたが、3月25日からの更新工事のため、梁(はり)状のつなぎ部分が撤去され、安定性が弱まったとみられる。
倒れた支柱の一部は、山手線内回りの線路に接触していた。
通過する電車を直撃したり、後続電車が乗り上げる可能性があり、あわや大惨事だった。
山手線は、平日のラッシュ時には、2分半おきに運行する過密ダイヤ。
仮に、こうした時間帯に支柱が倒れていれば、危険性がより高かった。
JR東日本によると、12日午前6時10分、支柱が倒れているのを京浜東北線の運転士が発見。
緊急停止ボタンを押し、周辺1kmの電車が緊急停止した。
現場では、約1分前に山手線内回り電車が通過したとみられる。
発見時、この電車は約250m先の秋葉原駅に到着していた。
また、後続電車は、神田駅の一つ手前の東京駅に到着しており、約3分後に現場通過の予定だった。
同社の福田常務は、「際どいタイミングだった。(電車の)手前で倒れた場合は、止まり切れたかどうか」と危ぶんだ。
支柱の傾きは、10日深夜に、社員と工事会社が気付いていた。
支柱は2001年に交換したが、コンクリートの土台は古く、設置時期は不明。
土台は約3トンの重さがあり、線路間に置かれた状態で、基本的には何にも支えられていない。
同社は、同様の支柱の撤去工事を東海道線と横須賀線でも進める予定で、約5万カ所を緊急点検する。
出典URL
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041390070228.html
4月13日1時1分に朝日新聞から、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
同社が異常を初めて認識したのは、10日夜、架線設備工事の際のことだ。
支柱は肉眼でわかるほど傾いていた。
だが、1987年の同社発足以降、地震以外で支柱が倒壊したことはなく、現場の社員は、すぐに倒れる可能性は低いと判断。
作業員の手配がつく13日に撤去すればよいと決めた。
11日午後8時ごろにも、現場近くを通った列車の運転士が、支柱の傾きを指摘した。
この報告が12日午前2時には工事担当部署に伝わったが、ここでも4時50分ごろの山手線の始発列車に職員を乗せ、現場の傾きを確認するにとどめた。
重さ1.3トンの支柱は、その約1時間20分後に倒れた。
パンタグラフを介して電車に電力を送る架線は、1本の長さが500~1000mあり、5トンの力で両端から張って,たるまないようにしている。
倒れた支柱は秋葉原寄りの端にあり、架線を引っ張る隣の支柱を3本のワイヤで支えている。
3月25日の工事で、線路をまたいで別の支柱とつなぐ鉄製のはりが外され、強度が落ちていたという。
コンクリート製の基礎(3トン)の重みで固定する構造で、反対の端から引っ張られる張力に耐えきれずに倒れたとみられる。
柱そのものは01年に古いものと取り換えられ、比較的新しいという。
これらの架線設備工事は、周りの老朽架線や支柱の更新に合わせ、複雑に張られた架線をシンプルにするのが目的。
問題の支柱2基も、新しい支柱に架線を付け替え、撤去する予定だった。
山手線のほか、東海道線、横須賀線など、計百数十kmの区間でも実施しており、山手線で建て替えている支柱は数100基ある。
基本的な工事手順は同じで、JR東は、同様の危険箇所がないか洗い出しを進める。
出典URL
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。