2017年12月1日21時25分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月2日19時5分にNHK静岡から、12月2日12時43分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前8時25分ごろ、静岡県富士市厚原の「荒川化学工業富士工場」で爆発事故があったと110番があった。
消防などによると、協力会社の男性作業員(64)が死亡したほか、20~60代で荒川化学工業や協力会社に所属する男性11人が重軽傷を負って病院に搬送された。
警察は、業務上過失致死傷容疑にあたるかを含め、原因を慎重に調べる。
荒川化学工業(本社・大阪市中央区)によると、爆発があったのは敷地内にある4階建ての「生産棟」と呼ばれる建物。
天然樹脂ロジン(松ヤニ)などを原料に、印刷インキ用樹脂を製造していた。
3、4階では、熱した松ヤニなどを加工していた。
2階では、冷やし固めて砕いていた。
1階と2階では、固められた原料を粉砕機を使って細かく砕いたり袋詰めしたりする作業が行われていた。
死亡した男性は1階で、重傷の3人も1~2階にいたとみられる。
同社は、燃えやすい粉じんが一定の状況で空気中を浮遊した場合に爆発する「粉じん爆発」の可能性を指摘するが、一方で、爆発の条件となる着火物になるようなものはなかったと説明している。
7月末の定期点検でも、設備に異常はなかったという。
この事故で市消防本部は、一時、現場の周囲約100mにある22世帯に付近の小中学校への避難指示を出した。
出典
『静岡の化学工場 「粉じん爆発」か 死亡男性は1階で作業』
https://mainichi.jp/articles/20171202/k00/00m/040/101000c
『業務上過失致死傷容疑で検証』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3033223331.html
『静岡・工場火災 原因究明へ 県警が現場検証』
https://mainichi.jp/articles/20171202/k00/00e/040/292000c
12月1日21時23分にNHK静岡からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
荒川化学工業によると、4階と3階で「ロジン」と呼ばれる揮発性の原料などを混ぜ合わせてインクのもととなる樹脂を作り、2階で固めて形を整えて、1階で包装作業を行っていたという。
また、死亡した男性は建物の1階部分で見つかり、このほか1階から2階にかけていた5人と4階にいた6人がけがをしたという。
会見で眞鍋常務取締役は、「揮発性のある原料はあったが火を使う作業は行っていない。室内に充満した粉じんに引火するなどして起こる粉じん爆発であればこれほど大規模になるとは考えにくく、今のところ原因はわからない」と話した。
そのうえで、1階と2階にいた人に死亡や重傷の被害が集中していることから、「1階か2階で爆発が起きた可能性があるのではないか」と話した。
現場は、JR新富士駅から北に4km余り離れた、工場などが立ち並ぶ地域。
出典
『化学工場爆発1人死亡11人けが』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3033196281.html
(ブログ者コメント)
損壊した建屋の写真は下記記事(12月2日8時6分 静岡新聞)参照。
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/432582.html
この写真を見たブログ者は、「粉じん爆発であればこれほど大規模になるとは考えにくく・・・」との報道があるものの、過去の粉じん爆発事例とよく似ているように感じた。
(2017年12月31日 修正1 ;追記)
2017年12月2日付の静岡新聞紙面に、事故当時の状況に関する下記趣旨の記事が掲載されていた。
「モニターで作業を確認していたら、後ろで『バーン』という音がして吹き飛ばされた。振り返ると、辺りが真っ暗になっていた」と話すのは、同社の50代の男性社員。
事故当時、爆発が起きたプラントの4階にある計器室でオペレーション作業をしていたという。
手探りでプラントの外に出たといい、「死ぬかと思った。原因はよく分かっていない」と話した。
(2018年11月27日 修正2 ;追記)
2018年11月20日19時53分に産経新聞から、粉じん爆発の連鎖が原因だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県富士市の荒川化学工業富士工場で昨年12月、2人が死亡し13人が重軽傷を負った爆発火災で、同社は20日、粉塵爆発の連鎖が原因とする検証結果を発表した。
大阪市の本社で記者会見した宇根社長は、「粉塵爆発の危険性を十分認識できていなかった。再発防止を徹底したい」と陳謝した。
火災は、印刷インキを紙に定着させる樹脂を製造する4階建て工場で発生。
約5時間半後に鎮火した。
事故調査委員会委員長の鈴木和彦岡山大名誉教授も出席。
検証結果によると、樹脂の粒を容器に詰める際、粒同士の摩擦で帯電し、放電によって容器内の樹脂の粉塵に着火した。
ダクト内に飛び火し、周囲の粉塵を巻き上げながら次々と爆発し、工場内の可燃物に引火した。
同社は粉塵爆発の危険性を認識しておらず、帯電や粉塵の発生を抑えるなどの対策を取っていなかった。
出典
『粉塵爆発の連鎖が原因 静岡の15人死傷工場火災』
https://www.sankei.com/affairs/news/181120/afr1811200068-n1.html
(第2報に続く)
キーワード;静電気
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。