2017年11月30日10時37分にNHK熊本から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年4月の熊本地震では、回送運転中の九州新幹線の6両編成のすべての車両がJR熊本駅に近い高さおよそ10mの高架橋の線路で脱線し、国の運輸安全委員会は30日、事故報告書を公表した。
報告書では、脱線した地域の揺れは最大で震度6強とみられるとした上で、コンピューターのシミュレーションで再現した結果、地面の揺れの強さは軟らかい地盤の上だったことなどから、最大で398ガルだったとしている。
さらに、高架橋によって揺れが増幅し、地面からおよそ10m高い線路上では最大で730ガルと、2倍近くになっていたとみられることがわかったという。
報告書では、地震の揺れが増幅された結果、新幹線が左右に揺れながら走行する状態となり、脱線した可能性が高いと指摘している。
事故を受けてJR九州は、現場周辺の17kmの区間に車輪が外れないようにする「脱線防止ガード」を設置したが、報告書では、地震発生のリスクや脱線による被害の大きさなどを考慮して、さらなる対策を求めている。
出典
『新幹線脱線は高架橋が揺れを増幅』、
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20171130/5000000912.html
11月30日11時43分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月30日13時23分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年4月の熊本地震の前震により回送中の九州新幹線(6両編成)が脱線した事故で、国の運輸安全委員会は30日、「脱線防止装置が設置されていれば、脱線の発生リスクを低下できた可能性がある」などとする調査報告書を公表した。
報告書によると、回送車両は同4月14日午後9時25分にJR熊本駅を発車。
約1分後、車両基地の「熊本総合車両所」に向けて時速約78kmで走行していたところ、マグニチュード(M)6.5の地震が起きた。
報告書によると、揺れを感知して非常ブレーキをかける「対震列車防護システム」は正常に作動したが、速度が落ちる前に車体が左右に揺さぶられ脱線した。
全6両が脱線したまま約160m走行し、車輪は左右に最大57cmずれた。
乗車していた運転士1人にけがはなかった。
九州新幹線は、レールのすぐ内側にガードを敷き、車輪を挟み込んで外れないようにする「脱線防止ガード」を設置する作業を進めていたが、現場周辺はこの装置がなかった。
この回送車両には、線路から大きく外れるのを防ぐために車体の下に取り付けられる突起状の「逸脱防止ストッパー」もなかった。
安全委によると、回送車両が走行していた高架橋(高さ約10m)の揺れは、新潟県中越地震(2004年)で上越新幹線が脱線した現場と同規模と推定される。
シミュレーションでは、脱線防止ガードがあれば脱線しないとの結果が得られたという。
JR九州は事故後、周辺区間(17km)に脱線防止ガードを設置するなど、対策を講じている。
出典
『九州新幹線事故 防止装置で脱線リスク低下 運輸安全委』
https://mainichi.jp/articles/20171130/k00/00e/040/279000c
『九州新幹線の脱線、防止ガードあれば… 運輸安全委指摘』
http://www.asahi.com/articles/ASKCY53V4KCYUTIL037.html
11月30日10時0分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転士が衝撃を感じて非常ブレーキをかけたが、6両全てが脱線した。
乗っていたのは運転士だけで、けがはなかった。
報告書によると、地震でレールが左右に揺れたため、列車の車輪がレールに乗り上げて脱線。
現場の揺れは震度6弱~6強だったと推測され、運転士は縦揺れを感じてブレーキをかけた後に激しい横揺れに襲われたという。
車両や線路自体に問題はなかった。
JR九州は地震が懸念される箇所に脱線防止ガードを導入しているが、この現場は当時未整備だった。
運輸安全委が、設置されていた場合をシミュレーションすると、脱線しなかったとの結果が出た。
報告書は、高速で走る新幹線の脱線は大きな被害を招く恐れがあるとして、設置計画の見直しを求めた。
出典
『熊本地震の九州新幹線脱線、強い揺れで車輪がレールに乗り上げ』
http://www.sankei.com/west/news/171130/wst1711300023-n1.html
(ブログ者コメント)
朝日新聞の記事は、「対震列車防護システム」が作動して非常ブレーキがかかったと読み取れる内容だったが、委員会の報告書を確認したところ、運転士が非常ブレーキをかけたと記載されていた。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2017-8-2.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。