(2/3から続く)
2018年9月12日5時4分に朝日新聞からは、厚真火力発電所の損傷状況に関する下記趣旨の記事が、写真付きでネット配信されていた。
苫東厚真発電所について、経産省と北海道電力は11日、全面復旧が11月以降になるとの見通しを示した。
これまで「1週間以上」と説明していた復旧時期が大幅にずれこみ、市民生活や企業活動に影響が広がりそうだ。
復旧が遅れる理由について、北電の阪井副社長は、「点検が進むにつれ、損傷していた場所が多く見つかった」と説明した。
北電によると、1号機ではボイラー内に通る配管が2本、2号機では11本の損傷がみつかった。
1号機より2号機の方が被害を受けた配管の数が多い分、復旧には時間がかかるという。
復旧が遅れる4号機はタービンから出火し、内部の温度がまだ90℃あるという。
作業員が入れないため、冷えるのを待って、16日以降に点検を始める。
タービンを分解し、損傷部分を修理、交換するなどして組み立て直す必要があり、1、2号機より、さらに時間が必要になる。
出典
『苫東厚真発電所、全面復旧は11月以降 配管損傷や出火』
https://www.asahi.com/articles/ASL9C5CJJL9CULFA02Q.html
(2018年9月23日 修正1;追記)
2018年9月20日付で毎日新聞東京版からは、地震発生後、ブラックアウトに至るまでの18分間の経緯が、下記趣旨でネット配信されていた。周波数変動のグラフ付き。
経産省などは19日、今月6日未明の北海道地震発生から道内全域の大停電(ブラックアウト)に至るまでの18分間の、北海道電力管内の周波数の推移などのデータを公表した。
主力の火力発電所の停止で電力供給が大幅に落ちこみ、北電は3度にわたる強制的な停電で需要を抑え込もうとしたが、需給のバランスがとれずに周波数が急低下し、ブラックアウトに陥った経緯が明らかになった。
経産省は、複合的な要因が重なったとみて詳細を調べている。
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経産省などが公表したデータによると、6日午前3時7分の地震発生直後に、主力の苫東厚真火力発電所2号機(最大出力60万KW)と4号機(同70万KW)が緊急停止した。
供給量が急激に減少したことで、通常時は50ヘルツで安定している周波数は急低下。
その影響などで、道内全域の風力発電や水力発電も連鎖的に停止した。
1分足らずで、地震発生前の電力総需要310万KWの半分近い供給力が失われたとみられ、周波数は、一時、46.13ヘルツまで急落した。
北電は、一部地区を強制的に停電する「負荷遮断」を実施して需要を減らしたほか、本州から約60万KWの電力の融通を受けるなど、需給のバランスを図ったことで、一度は周波数が50ヘルツをほぼ回復し、危機は乗り越えられたかに見えた。
しかし、ここから想定外の事態が発生する。
停電しなかった地域では、地震で目を覚ました住民らが照明やテレビをつけるなどして需要が急伸し、再び周波数が低下し始めたため、北電は残存する火力発電の出力を上げて対応。
3時20分ごろには、苫東厚真火力1号機(35万KW)の出力が低下し、再び急激に周波数が低下したため、2回目の負荷遮断を実施した。
再度、周波数が持ち直したところに、苫東厚真1号機が停止。
3度目の負荷遮断も周波数の低下を止めることができず、他の3カ所の火力発電も連鎖的に停止したことで、3時25分にブラックアウトに至った。
一連の負荷遮断などの対応は、大半が自動的に行われており、経産省は「人為的な操作でトラブルが起きたとは思っていない」としている。
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しかし、苫東厚真1号機の停止に伴い、周波数が急低下した際は、3度目の負荷遮断でも止めることができなかった。
経産省は、「(周波数低下のスピードに)負荷遮断が間に合わなかった可能性がある」(幹部)とみている。
すでに相当程度供給量が減っていたうえ、2度の負荷遮断で需要も抑えられていたため、調整余地が限られていた可能性もある。
また、北電は最大129万KWの供給が失われる想定で、大規模停電を回避する準備をしていた。
電力広域的運営推進機関によると、地震直前、苫東厚真の出力は2号機が56万KW、4号機は60万KW。
風力や水力は計数10万KWとみられ、地震直後に失った供給力は、想定を上回った可能性がある。
経産省は、「(負荷遮断などの)システムの備えや運用が適切だったか、検証が必要」とみる。
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出典
『北海道地震 ブラックアウト 18分間に3度強制停電 需給バランス守れず』
https://mainichi.jp/articles/20180920/ddm/002/040/072000c
9月20日12時11分にNHK北海道からは、1号機はボイラー管に7cmほどの亀裂が入っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道で起きた大規模停電、ブラックアウトの原因となった苫東厚真火力発電所の内部が、地震後、初めて公開された。
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このうち、発電所で最も出力が大きい4号機では、地震によってタービン内部で火災が発生した。
タービンを格納する施設の外側には、高温の蒸気が噴き出した跡が今も残り、被害の大きさがうかがえる。
また、すでに別の場所に移された1号機のボイラー管は、直径4.5cmの管に7cmほどの亀裂が入っている。
1号機は、ブラックアウトの直前まで運転を続けていたが、ここから大量の蒸気が漏れ出し、出力が低下したという。
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出典
『苫東厚真火発内部 地震後初公開』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180920/0004091.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。