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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20201211817分にYAHOOニュース(CNN)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

オーストラリア北東部クイーンズランド州のブリスベン空港で、外来種のハチが空の便の安全を脅かしている。

 

中南米原産のホウロウドロバチがブリスベン空港で最初に問題を引き起こしたのは2013年。

シンガポール行きのエティハド航空便が、離陸から数分後に同空港に引き返した。

 

オーストラリア運輸安全局の報告書によると、整備士が機体を調べた結果、対気速度の計測に使われるピトー管が、ほぼ完全に泥で詰まっていたことが分かった。

 

ホウロウドロバチにとって、ピトー管は営巣のための完璧な空洞だった。

 

エティハド機が駐機場にいたのは、出発前のわずか2時間のみだった。

 

「ブリスベンの地上職員からは、航空機がゲートに到着してからわずか2~3分のうちに、ハチが機首付近を飛び回って偵察していたという報告が寄せられている」。

生態学者のアラン・ハウス氏はそう解説する。

 

ハウス氏はブリスベン空港やカンタス航空と共同で、ハチがピトー管に与える影響について調査した結果を、このほど米科学誌プロスワンに発表した。

 

適切に管理しなければ、オーストラリア国内の別の空港や近隣諸国の空港にもホウロウドロバチが到達する危険があると研究チームは指摘し、「重大な事故につながる可能性もある」と警告する。

 

ピトー管は機首部分に取り付けられて、周辺の大気が流れる速度に関する情報を操縦室に伝える。

 

機体の速度が遅すぎれば失速の危険があり、早すぎれば不具合を起こす危険がある。

 

エティハド便は自動的にマニュアルモードに切り替わってパイロットが操縦を引き継ぐことを強いられ、空港に引き返した。

 

ブリスベン空港ではこれまでのところ、ハチを原因とする重大事故は起きていない。

 

しかし1996年2月にバージェン航空の旅客機がドミニカ共和国沖に墜落して乗客乗員189人が死亡した事故では、「小型の昆虫による泥やがれき」でピトー管が詰まったことが原因だった可能性があるとされた。

 

オーストラリア民間航空安全局(CASA)は2018年、ハチの侵入の危険性について操縦士や航空会社、空港に注意喚起を行い、ピトー管が詰まれば対気速度や高度の計測ができなくなり、危険につながりかねないと警告した。

 

CASAは航空会社に対し、ブリスベン空港で待機している間はピトー管を覆うよう勧告している。

 

ただ、それが義務付けられているわけではなく、ブリスベン空港の調査では、2013年11月~19年4月の間に合計26件の事案が報告された。

 

調査によると、ブリスベン港でホウロウドロバチが初めて見つかったのは2010年だが、2006年ごろに到達していた可能性もある。

 

どのようにしてオーストラリアに到達したのかは不明だが、恐らく船舶を経由したとハウス氏は推測する。

 

 研究チームは3Dプリンターを使ってボーイング737型機とボーイング747型、エアバスA330型機、および地域航空に使われるダッシュ8型機のピトー管の模型を制作。

ブリスベン空港内の4カ所に置いて、39カ月間、観察を続けた。

 

この期間中にピトー管模型が完全に詰まる事案は93回発生した。

ほぼすべてが11月から5月にかけての温暖な時期だった。

 

ハチの巣はほとんどが、空港の草地に近い場所で作られていた。

ハチたちは草地から毛虫を集め、幼虫の餌としてピトー管に詰め込んでいた。

 

野生生物管理当局が有機殺虫剤を使って毛虫を駆除した結果、国際ターミナルと国内ターミナル付近のハチの活動を半分に抑えることに成功したという。

 

今回の調査では、米南部やハワイ、ポリネシア、ミクロネシア、日本などでもホウロウドロバチが見つかっている。


https://news.yahoo.co.jp/articles/f28c78469c5813bb0f4323c0d5ddf2f0b04c717e

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

関連情報調査結果、ピトー管詰まりによるトラブルは、そこそこ発生している。

 

以下は、報道された事例2点。

 

2018214日 BBC)

 

ロシアの国内線サラトフ航空機が11日午後にモスクワ近郊で墜落し、乗客・乗員71人全員が死亡した事故について、速度センサーの凍結が原因かもしれないことが明らかになった。

 

ロシアの国内航空委員会が13日、発表した。

 

国内航空委員会によると、墜落現場から回収されたフライトレコーダーの記録を急ぎ解析したところ、モスクワのドモジェドボ空港を離陸してから2分半後、高度約1300メートルで問題が発生した。

速度計が様々な数値を表示し始めたという。

 

委員会は、暖房装置が切れた「ピトー管」と呼ばれる速度センサーが凍結したからではないかとみている。

 

問題に気づいた乗務員は自動操縦装置を切り,航行を続けたが、機体は後に3035度の角度で急降下した。

 

ロシアの報道によると、機長は離陸前に凍結防止処置を不要と判断した。

この処置は必須ではなく、天候の状態次第で実施するかどうか決める。

 

20096月にリオデジャネイロからパリへ向かう途中で大西洋上に墜落したエールフランス機の事故も、ピトー管についた氷が原因ではないかとみられている。

この事故では228人が死亡した。

 

https://www.bbc.com/japanese/43054293 

 

 

2009611170分 ニューズウイーク日本語版) 

 

6月1日に大西洋上に墜落したエールフランス447便の事故調査機関は、墜落原因は速度計の故障ではないかと考え始めている。

 

エールフランスの整備部門に自動送信されていたデータによると、事故機に搭載されていた各速度計の数値にばらつきがあったことが判明。

 

これは、豪雨によって「ピトー管」と呼ばれる計測器が詰まったためだと考えられる。

 

操縦士と副操縦士は飛行速度をおのおのの計器で確認しているため、一方が故障すれば異なる情報が伝えられてしまう。

 

そのため、悪天候下で取るべき飛行速度について判断を誤った可能性がある。

 

96年に起きた2件の墜落事故も同様の故障が原因とされている。

 

トルコのバージェン航空301便はピトー管に虫が詰まり、アエロペルー603便はピトー管のマスキングテープをはがし忘れていた。

 

今回のエールフランス機の場合、送られてきたデータでは「操縦室から送られてきた飛行速度のデータが一致しておらず、正確な速度が分かっていない」と、エアバス社の広報担当者は本誌に語った。

 

「その理由はまだ不明だ」

 

[2009617日号掲載]

 

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2009/06/post-203.php

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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