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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2019941123分に東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

英議会で、運転中にイヤホンやスピーカー機能を使い、端末を手に持たないハンズフリー状態での携帯電話使用の規制が検討されている。

英下院運輸委員会が法制化を勧告した。

 

端末を手で持った状態での使用は既に禁じられているが、交通事故件数は増加の一途。

運輸委は、ハンズフリーでも、携帯電話の使用自体が、運転者の注意を散漫にすると判断した。

 

全運転者を対象とする規制が実施されれば、世界初となる。

 

 

【「気が散る」ことがリスク】

 

「タクシー運転手や配送業者を含め、全員が道端に止まって通話するなんて無理だ。全く論理的でない」。

配車サービス「ウーバー」の50代の男性運転手は、ハンズフリーを禁じる動きに憤りをあらわにする。

 

ウーバーに限らず、スマートフォンのアプリを使った配車サービスの運転手は、乗車前の客とのやりとりで通話する機会が多い。

 

ロンドン名物のタクシー「ブラック・キャブ」も例外ではない。

運転手のレブ・ドブランさん(60)は、「アプリを使う運転手には相当な影響がある。でも、通話は集中力をそぐ。私は運転中は電話しない」と話した。

 

ハンズフリーの禁止を勧告した運輸委は、携帯電話の使用自体が、道路上での突発事案への反応の低下、道路標識の見落とし、適切な車線や速度からの逸脱などを招くと指摘。

「運転中に携帯電話を使うリスクは、端末使用で気が散ることが原因であり、端末を手で持つことではない」と結論付けている。

 

 

【宅配、配車サービス増加も一因】

 

英国で携帯電話を手に持っての運転は2003年、法律で禁じられた。

しかし、運転手が携帯電話使用中の事故は増えている。

 

運輸委によると、英領北アイルランドを除く英国で、死者数は、09年の15人から17年には43人と、約3倍になった。

 

宅配、配車サービスの拡大による登録車両台数と携帯電話保有台数の増加が要因とされる。

 

運輸委の検証に携わったサセックス大のグラハム・ホール上級講師(心理学)は、「ハンズフリーでの携帯電話使用をどう取り締まるかという問題はあるが、法制化されれば、ハンズフリーは端末を持つ場合と同じリスクがあるとの明確なメッセージを出せる」と言う。

 

では、ハンズフリーでの通話が危険なら、同乗者との会話も同様に危険なのか。

 

ホール氏は、「その点も検証した。同乗者は、突発事案があった場合、会話を止めるなど、運転者が置かれた状況によって会話を調節できる。さらに、電話は対面時の会話と違い、話し言葉以外の手掛かりがないため、より集中力を要する」と違いを指摘する。

 

ホール氏によると、カナダや米国の一部の州では、初心者や教習中の運転者にハンズフリーでの携帯の使用を禁じているが、全運転者を規制する法律は、現在、どこにもないという。

 

https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019090490112345.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

この問題は昔から論じられているようで、14年前にも以下のような報道があった。

 

2005715日 日経メディカル)

 

交通事故の増加を防ぐため、運転中の携帯電話使用については、手持ち通話を禁止している国が多い。

 

オーストラリアで、実際に事故を起こして病院で手当を受けた運転者を対象に調査研究で、携帯電話の手持ち使用では事故リスクが4.9倍、ハンズフリーでも3.8倍になることが明らかになった。

 

Sydney大学のSuzanne P McEvoy氏らが、British Medical Journal誌電子版に2005年7月12日に報告した。

運転中の通話の危険性を調べた研究の多くは、少数のボランティアを対象としたシミュレーションなど、実験的な条件で行われている。

 

得られた結果は、通話による運転能力の低下を示した。

能力の低下は注意散漫から来ており、ハンズフリー通話でも注意が散漫になることは示されている。

しかし、自分の車を公道で運転するドライバーを対象とする研究は少ない。

また、事故時の携帯電話の使用の有無に関する確実な情報を得ることは難しい。

 

そこで研究者らは、運転者自身が治療を必要とするけがを負うレベルの交通事故と、運転中の通話の関係を調べるケース・クロスオーバー研究を行った。

豪州で手持ち通話が禁止された後の2002年4月~2004年7月に、Perthで交通事故を起こし、病院の救急部門で治療を受けた1625人の中から、条件を満たした941人に面接調査を実施。

744人については、携帯電話の通話記録を入手した。

通話が事故に関係する可能性のある危険時間帯を事故前10分間とし、対照時間帯を事故の24時間前、72時間前、7日前の同時刻の10分間とした。

 

これらの対照時間帯に1回以上運転していたのは456人で、3回の対照時間帯に運転していた人の数は、のべ801人となった。

・・・・・ 


これらの情報をもとに分析すると、事故前10分間の携帯電話使用は、事故発生リスクを4.1倍(95%信頼区間、2.2-7.7、p<0.001)にしていた。

 

性別、年齢、携帯電話のタイプは、事故リスクに影響しなかった。

 

手持ち通話だけに限定した場合、オッズ比4.9(4.6-15.5)、ハンズフリー通話のオッズ比は3.8(1.8-8.0)で、ハンズフリー通話も安全とはいえないことが明らかになった。

米国の研究では、法律が適用されてから数カ月は手持ち通話が大きく減るが、その頻度はやがて元に戻ることを示した。

 

したがって、法律遵守を呼びかける長期的なキャンペーンは不可欠だ。

 

また、ハンズフリーでも事故リスクがあまり減少しないことが今回明らかになったが、運転中の通話を完全に禁止することは困難と考えられることから、著者らは、Bluetooth対応の携帯電話と、車載ハンズフリーシステムを利用した完全なハンズフリー・システムなどの普及が必要とみている。

 

同乗者と会話するように通話できれば、事故リスクは減らせるだろう。

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/386258.html 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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